風光明媚な観光地、静岡県最南端の御前崎市で行われた
第6回静岡県ドラゴンボート大会・御前崎市長杯の模様より、
記事第3回目。
御前崎大会の運営は、静岡県ドラゴンボート協会により
行われている。国内でも屈指の実力を持つ強豪チーム
「NPO法人海猿火組」や、静岡県の大企業「鈴与」の
ドラゴンチーム「鈴与龍舟」などのメンバーが、地元と
強く結びつき、御前崎市長をはじめ、観光協会、自衛隊、
電力会社、各種企業など、多くの関係者のバックアップを
得て実現されている。
地域振興(町おこし)という意味でも、ドラゴンボート大会を
通じて、というのは、なかなか特異なケースであると思われる。
今回の大会を見ていると、そのあたりの効果も、少しづつ
出はじめてきているように感じた。
突然、美人選手に声をかけられた。
ユニフォームの背中を見せながら・・
ト「匠さん、トリッドストームです」
匠「おっと! こちら(御前崎)には何でまた?」
そう「Torrid Storm」は、東京を本拠地とする超強豪チーム、
昨年の日本選手権大会(天神大会)の混合優勝チームだ。
そして、そのメンバーは不定で、どうやら各地にメンバーが
ちらばっているらしい。だからか?関西の各大会にも、まさに
神出鬼没という感じで参加する、そしていったん参戦した大会
では必ずと言って良いくらい、優勝、準優勝などの上位に入賞
して帰っていく・・ ある意味、不思議なチームだ。
ト「実は、こちら(御前崎)で就職しましてね」
匠「ほう、ドラゴンが縁ですか?」
ト「はい、で、こちらでチームを作りまして」
匠「なるほど、それは楽しいですね!」
さすが「トリッド」の重鎮が率いるだけある、その
「ぷるるドラゴンボートチーム」は、予選で僅差の2位、
ただし、58秒台と十分に速かったため、無事に準決勝
進出を果たした。
このあたり、敗者復活戦ともなると、わずかのタイム差で、
まさしく天国と地獄、準決勝に進めるか、NR(ノーリターン)
敗退となるか? 90%の実力、そして10%の運がそれを
決めていく。
そういえば静岡県協会の理事長さんが、「ドラゴンは強いチーム
が必ず勝つ」と言っていた。私もそう思う、ドラゴンはギャンブル
ではなく、番狂わせはあっても、まぐれは存在しない。
ドラゴンでは、運の要素は、強いチームがなんらかの理由で、
調子が出ない事(番狂わせ)だ。ただ「まぐれ」で弱いチームが
とてつもないタイムを叩き出すという事は絶対にありえない・・・
さて、こちらは、「チャンピオンカップ」の予選に臨む、
「遠州舸(はやぶね)会」、御前崎市にある航空自衛隊のチームだ。
御前崎市には、こうした特殊な目的を持つ施設がいくつもあり、
他の市町村のような地域振興施策が取りづらい理由の1つにも
なっている。ただ、ともかく、そうした様々な特異な施設の
人達も、こうしてドラゴンボートというシンプルな目的の為に
集まってくれている事は良いことだと思う。
さて、「遠州舸会」は3年前の本大会ではオープン決勝5位、
昨年の大会では同じくオープン3位で入賞している強豪だ。
ずいぶん練習量を積んできているらしいので、今回の大会では
どこまで伸びてくるのか、楽しみだ。
チャレンジカップ予選1本目の成績は以下の通り、
1位:「海猿火組」51秒
2位:「火の用心」53秒
3位には、同じ54秒台で、
「静岡旭組」「遠州舸会」「中電龍舟」の3チームが
ひしめきあっている、ちなみにチャレンジカップでは、
予選を2本行って、合計タイムの上位4チームが
決勝進出となる。
そこからすると、
6位「国立清水海洋技術大学校Aチーム」55秒
7位「鈴与龍舟」59秒も、まだチャンスがある。
ちなみに「鈴与龍舟」は、静岡の大企業チームで強豪なのだが
主力メンバーの結婚、転勤などで、今はチーム再編期とのこと。
まあ、どのドラゴン専業チームでも、そういうタイミングが
あるのだが、そんな場合でも、チームの実力を落とさないよう
新人メンバーの育成を常に続けていく必要があるのだと言う、
ドラゴンもなかなか大変な世界だ・・
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さて、敗者復活戦の間は、また各チームのテントを廻ると
するか・・
すると、「濱龍」(横浜ドラゴンボート協会)のテントの
あたりでカメラ好きの選手の方に呼び止められる。
横「あ、匠さん、匠さん、コレ、コレ!」
匠「おお、「CONTAX Tix」! 懐かしいなあ、っていうか
今でも持ってますけどね・・今は撮らないけど(汗)」
そう、CONTAX Tix は、京セラの高級コンパクトT2の大ヒットを
受け、1997年に、史上初の高級APSコンパクトとして発売、
高性能なレンズと、高速シャッター、高級感のあるチタンボディ、
写りはフィルムサイズの小さいAPSとは思えないほどの凄さ。
ちなみに、APSサイズのフィルムは現在はほぼ絶滅状態だが、
そのAPSの名前は、現代のデジタル一眼レフのセンサーの
標準的なサイズの名前として受け継がれている。
価格は、なんと12万円と、現代では考えられないほど高価だ、
カメラという機械が、まだ趣味のモノであった15年前の話だ
今はカメラをそういう風に捉えている人など誰もいない。
で、私も発売してすぐには買えず、APSが下火になりかけた
2000年前後に、5万円で中古を購入した記憶がある。
横「さすがに、Tix ご存知でしたか、今日は、家に残っていた
APSフィルムを消費する目的で、これを持ってきました。」
匠「APSまだ残ってましたか、まあ、これ(Tix)は良く写るし、
いいですよね。ix情報というのがフィルムに記録できて、
撮影の年月日と時刻、絞り、シャッター速度、露出補正、感度、
おまけに、文章まで入るんですよね、”誕生日おめでとう”
とか・・」
横「そうそう、それで、このカメラで撮影したネガをフジで
フォトCDに焼いてもらうと、なんと、それらのix情報が
JPEGのEXIF(デジタル用の撮影情報)に入るんですよ」
匠「え~っ!(驚) 今はそうなっているんですか!
APSは10年くらい撮ってないんで、知りませんでした」
横「ふふふ、匠さんでも知りませんでしたか、なかなか
凄いでしょう?」
匠「ふう・・ いやあ、いまでも現役でこれを使われている方が
驚きですよ。ところで、いくらで購入されましたか?」
横「確か3000円くらいだったかな?」
匠「グゥ・・・ 私は、絶対売らないようにしよう」
横「また使ったらどうです?」
匠「いやあ・・(汗)わざわざAPSフィルム探してまで・・」
ということで、しばしマニアックなカメラ談義を楽しんでいると
周囲から「あ、危ない」とのざわめきが聞こえる。
思わず400mmレンズを向ける。
匠「あちゃ~ 大蛇行ですなあ、まあ、他の艇がいない方向で
不幸中の幸いですね。」
実は、このレースに限らず、御前崎大会では、蛇行が非常に多い。
今日も何度もそんなシーンを見ている。
この原因は、ひとえに舵にある。
高い技量を必要とする「舵取り」であるが、ビギナーチームの
場合は、当然、漕ぐことはできても、「舵取り」までは頭が
まわらない、つまり、ほとんど出来る人がいないという事だ。
そこで、関西の大会などでは、ビギナーチームが出場する場合
「派遣舵」と言って、協会スタッフより、舵取りを派遣する、
関西にはドラゴン専業チームの数が多く、各チームに1~2名
の選任の舵取りがいるため、スタッフとしてビギナーチームの
レースに派遣することが可能となっている。
ところが、御前崎大会では、ドラゴン専業チームの数が少なく
舵取りも少ない。また、反面ビギナーチームの数が非常に多い、
これでビギナーチームに派遣制度を適用すると、ほぼ毎試合、
舵取りの方はボートに乗らなくてはならない、いや、それでも
足りないくらいであろう。そうした舵取りの負担を低減する為、
ビギナーチームでも、できるだけ舵を自前でやってもらう事に
している訳だ。
静岡県協会では「舵取り講習会」というのも行っているが、
まっすぐ進むだけのボートの舵くらい簡単だ、とビギナーは
つい思ってしまう、舵の練習をあまりせず、そして蛇行が
繰り返される・・(汗)
普通は、遅いビギナーチームが蛇行するので、大きな問題には
ならない。まあ、タイムロスするのも、やむを得ない所だ。
ところが、御前崎大会では、やたらに速いチームであっても
舵の問題で、いきなり蛇行を始める場合が多々ある、
すると、後ろから来る他のチームの艇と、接触やニアミス等の
事故につながる危険性がある。
今回もヒヤリとするケースがいくつかあって、舵のスキル
アップは、この大会の今後の重点課題であると思われる。
さて、敗者復活戦も一段落、この時点で、準決勝に残った
各カテゴリーのチームは以下の通り。
チャレンジカップ:
コンチネンタルワン、愛知旭組、男の中の男塾(旧アルカポネ)
中部プラントサービス龍艇園、TEAM龍木、
チーム ユウユウ、漕げルンです、KUMIRAサイクロン、
ぷるるドラゴンボートチーム、NEW VALLEY 、以上10チーム。
なお、ここまで紹介していなかった「NEW VALLEY」は、
御前崎の「新谷」地区の学習塾の講師の方々で構成されている
チームとのこと。
こちらはこれから決勝に向け半分の5チームに絞られる。
チャレンジの各チームのタイムだが、56秒~1分3秒くらい
重い旧艇なのであるが、まあ、これからの準決勝、決勝タイムは、
1分を切る必要があるという状況だ。
写真は、東京の「CIC RISING STAR」の選手の方、今回は混合
カテゴリーで「KACHIDOKI SHARES」のメンバーとして参加して
いるとのこと。
匠「RISING STAR というと、チアキですね・・」
R「え? チアキって?」
匠「ほら(マンガ・アニメ・映画の)”のだめカンタービレ”です、
ご覧になったことありますか?」
R「はい、ちょこっとだけあります」
匠「指揮者の千秋が、”Sオケ”の後で作ったオーケストラの
名前が”RISING STAR”(R☆Sオケ)でした」
R「ああ、なぁるほど、そういえば同じ名前でしたね(笑)」
ちょっとマニアックな話題だったかもしれない・・(汗)
さて、その混合カテゴリーの状況は・・
(男女)混合:
国立清水海洋技術大学校Bチーム、プリキュア、
濱龍、KACHIDOKI SHARES
二俣・島ボートクラブ、御前崎市スポーツ推進委員会
池新田 一之組、スピカ・ダーリング、以上8チーム。
その「RISING STAR」も「KACHIDOKI」として残っている。
ここまで紹介していなかった「二俣・島ボートクラブ」だが、
ここ御前崎より少し離れた、浜松市、天竜川の二俣地区の
ボートクラブのメンバーによるチームとのこと。
混合は、これから決勝に向け半分の4チームに絞られる。
混合の各チームのタイムだが、59秒~1分4秒くらい。
軽いイタリア艇だが、女性を8名以上含むルールなので、
ほぼ(旧艇の)チャレンジカップと同等のタイムだ。
よって、これからの準決勝、決勝タイムでは、こちらも
同じく1分を切る事が目標となるであろう。
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さて、時刻は12時を過ぎている、途中、艇の故障修理等が
あり、少々押し気味だ。きりの良いところで昼食休憩に入る
スケジュールであるが、準決勝、決勝に進む前に、とりあえず
チャンピオンリーグの2回戦をかたづける様子だ。
この2本目、特に注目は、
「静岡旭組」「遠州舸会」「中電龍舟」の3チームの
熾烈な3位争いだ、それぞれのタイムは全て54秒台で
差は殆ど無い。
決勝には2本の合計タイムで4チームが進出ということで、
この2回戦でのタイムが全てを決めることになる。
こちらは激戦の渦中にある「中電龍舟」、中部電力のチームだ。
1昨年から様子を見ているが、まだ昨年くらいまでは、ちょうど
伸び悩みの段階にあるように感じた。
ただ、それは「中電龍舟」に限らず、どこのドラゴンボートチーム
でもあることだ、最近の例でも滋賀県の「龍人(どらんちゅ)」が
万年4位と言われた苦しい時期を突破し、地元滋賀県の大会で
入賞や優勝の好成績を上げられるようになってきた。
「中電龍舟」も今がそうした段階か?ともかく静岡では年2回しか
大会が無いので、滋賀県のチームのようには多くの大会経験を持つ
ことができない、「中電龍舟」は、以前、滋賀の大会に出てみる
のも良いかも、と助言したこともあるが、やはりチームでの遠征は
なかなか難しいとの事。(ただし、「静岡県ドラゴンボート協会」
チームの一員として、関西圏の大会に参加する場合はある様子だ)
ちなみに、中部電力といえば、浜岡原発だ、
「(原発が)止まっていて、仕事は暇なのでは?」という質問は
私以外でも、誰しもが聞く事だと思うのだが、意外に「忙しい」
との返事だ、止まっている間にしか出来ない点検の仕事などが
山のようにあるらしい・・
チャンピオンリーグ2回戦の結果。
ここで番狂わせが起こる・・
予選1本目、53秒で2位の「火の用心」が、57秒と不調、
4秒タイムを下げた。
3位で並んでいた「静岡旭組」「遠州舸会」の2チームも
それぞれ1秒タイムを落として55秒。
代わりに1本目6位の「国立清水海洋技術大学校Aチーム」が
1秒タイムを上げて54秒。
そして、「中電龍舟」は54秒をキープ。
ん? いったいどこがどうなったんだ?? 5つの足し算を
同時にやって、それぞれの合計値を少ない順に並び替えて、
1位抜けの「海猿火組」を除く上位3チームを計算するなんて
パソコンではともかく、暗算ではちょっと無理だ(汗)
私だけでなく、当事者である各チームも同じ状況だったと
見えて「何処が勝ち残った?」「いや、わからん」という
セリフがあちこちで飛び交っている。
冷静に考えてみよう・・
「海猿火組」51+52=103秒、これは文句なし
「火の用心」53+57=110秒
「静岡旭組」54+55=109秒
「遠州舸会」54+55=109秒
「中電龍舟」54+54=108秒、これもいける
「国立清水」55+54=109秒
う~ん、「海猿火組」と「中電龍舟」は決勝確定だな、
あと3チームがいずれも109秒、「火の用心」も110秒、
これはコンマ単位まで計算しないとわからないよ・・・
大会本部による厳密な計算の結果、決勝進出4チームに
すべりこんだのは、「遠州舸会」と「国立清水」の
2チームとなった。
「静岡旭組」「火の用心」は、コンマ何秒か差で涙を飲む
こととなった・・
さて、やっと一段落したので、大会は昼食休憩に入る。
匠「いや~、なかなか美味しそうですなあ」
こちらもちょっと休憩だ、大会本部でお弁当を貰って
水分もたっぷり補給する。
暑さはさほどでもない感じだが、それでも31℃の真夏日、
500mlペットボトルの消費量は昼までで5~6本くらい、
ちなみに、35℃以上の猛暑日となるケースがほとんどの
大阪の日本選手権(天神)大会や、関空大会では、
1日でペットボトル10本以上、実に5リットル以上の
水分補給をする、それでもトイレに行くことはない・・
さて、混合準決勝を経て、決勝に進んだのは以下の4チーム。
混合決勝進出チーム:
「国立清水海洋技術大学校Bチーム」「スピカ・ダーリング」
「KACHIDOKI SHARES」「御前崎市スポーツ推進委員会」
やはりというか、東京選抜の「KACHIDOKI SHARES」は強い、
準決勝を59秒で1位抜け。しかし若手の「国立清水B」
もぴったり59秒で2位につけていた、でも準決勝の順位は
あまり関係ない、勝負は最後に決まる。
選手宣誓を行った美人保育士チームの「スピカ・ダーリング」
は、思ったとおり最近やはり実力をつけてきている、敗者復活と
準決勝をそれぞれ1位抜けして、順当に決勝に残った。
横浜選抜の「濱龍」と、地元強豪「プリキュア」は、僅かな差で
決勝進出を逃した。
さあ、混合決勝がスタートした!
ドンドンドンという太鼓の音が御前崎港に響き渡る。
序盤「KACHIDOKI SHARES」が頭1つリード、さすがに速い。
ところが、100mを超えたあたりで、「国立清水B」が急速に
追い上げてきている。
そういえば準決勝でも、この2チームのタイムはほぼ互角だった、
両者59秒。決勝もまた混戦必至か?
TITAM X,BON OYAGE,ジャングルマニア、CIC RISING STARなど
からなる東京のドラゴン専業チームの混成チームである
「KACHIDOKI SHARES」、そこに学生チームが肉薄する。
ただし、学生チームと言っても、いちおう去年の本大会で
混合予選最速タイムをレコードした強者だ、ただしそのときは
コースアウト(進路妨害)失格となってしまったが・・
あれから1年、メンバーも多少変わったかもしれないが、
伝説の学生チームが最後の1漕ぎにまで力を込める・・
結果・・両者はほぼ同時にゴールイン、肉眼ではまったく差が
わからなかった。 本部による結果発表を待つことにしよう。
本「1位、国立清水Bチーム 57秒71
2位、KACHIDOKI SHARES、57秒79」
ふう・・・ 超接戦だった、わずか0.08秒差。
なかなかの見ごたえのあるレース、「国立清水B]も
ダークホースではあったが、昨年の「伝説」を今年はついに
「真実」として結果を残した。
「かちどき」は大健闘、しかしドラゴン専業チームという
事を考えれば、本来は負けたくなかったはず、悔しさが
表情に見え隠れしている。
なお、3位には「スピカ・ダーリング」が入賞した。
「スピカ」もやはり伸びてきている、2年前のチームが
編成されたばかりの段階でも、「海猿火組」のIさんやAさんが
「彼女達には素質がありそうだ」と言っていたことを思い出す。
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さて、休む暇もなく、次は「チャレンジカップ」の決勝だ。
チャレンジ決勝進出チーム:
「TEAM 龍木」「漕げルンです」
「男の中の男塾(旧アルカポネ)」
「KIMURAサイクロン」「コンチネンタルワン」
「龍木」がついに決勝進出した。準決勝では59秒と1分を
切る好タイムをマーク。ドラゴンボート購入効果が早くも
出ているのか?また「旧アルカポネ」も好調で56秒と
旧艇ではかなりのタイム。フジフィルムの「漕げルンです」
も57秒台と全体の2番手につけている。
さあ、チャレンジ決勝スタート。
序盤から完全な混戦状態、ちなみに「龍木」はマイボート
での参戦だ、マイボートで決勝戦はなかなか嬉しいであろう。
そうそう、静岡協会から聞いた話だが、艇を購入する際、
問題となるのは初期費用よりも、保管や維持だとの事、
いかに安価に保管するか、それを事前によく考える必要が
あるという事だ。そういえば、私もずっと以前に友人達と
お金を出し合って、中古のディンギー(小型ヨット)を
購入した事があったが、夏の間数回しか乗らないし、
保管料ばかり嵩むので2年ほどで手放してしまった・・
レースの方だが、本日好調の「男塾(旧アルカポネ)」が
やはり伸びてきている、さらに続くは「KIMURAサイクロン」
と「漕げルンです」そして、嬉しい初出場・初決勝となった
「コンチネンタルワン」は少々出遅れた。
結果、1位「男の中の男塾(旧アルカポネ)」
2位「漕げルンです」、3位「KIMURAサイクロン」となった。
「男塾」は55秒台、重い旧艇という事を考えると、非常に
立派な成績。「漕げルンです」は、ちょっとここまでやれた
事にむしろ驚いている様子、「KIMURAサイクロン」は過去に
入賞経験もある強豪ゆえに、新勢力の台頭にとまどい気味・・
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次は、本日の最終レース、「チャンピオンカップ」の決勝戦だ。
レース前、「NPO法人海猿火組」が集まり、気合を入れる。
「海猿火組」伝統の「股こすり」パフォーマンス。
数年前にこれを最初に見たときは、あきれたものだが、
見慣れた今となっては、やはり、これが無いと物足りない(笑)
でも、最近あまりやっていない様子で、メンバーからも
「ひさしぶりだったなあ・・」との声が出ている。
ちなみに、彼等は自身のチームを「海火」と呼ぶことが多い、
さすがに「海猿」では、映画のタイトルみたいだし、
メンバーは全員が海上保安庁というわけではなく、消防も
ナースも、一般企業の方も居る。
レーススタート!
ドンドンドンという太鼓の音、ワーッという歓声、
いつものドラゴン大会のクライマックスだ。
「海火」がぐんぐんと先行する、速い!
ただ、今日の「海火」は、一部の主力メンバーが尖閣諸島問題で
現地に派遣されているため、ベストメンバーでは無い。
50秒を切る最上の結果は今日は難しいであろう。
そして、「海火」の3連覇を阻止しようと、
「遠州舸会」、「国立清水A」そして「中電龍舟」が食い下がる。
この中では「遠州舸会」が速い。
航空自衛隊チーム、海保にはライバル意識があるのかも知れない、
ただ、そういうことは今は関係ない、ドラゴンはスポーツだし、
職業や個人もまた、その中では平等だ。前を走る「海火」から
離れまいと必死に漕ぐのみ。
「中電龍舟」も食い下がる、ずいぶん速くなったものだ、
決勝進出にずいぶんテンションが上がっていた、それはそうだろう、
伸び悩んでいた事を以前告白したのは彼ら自身の口からだ、
そこから出口の光が見えてきた、嬉しくない筈が無い。
優勝という意識は持っていないだろう、今はともかく前を走る
「海火」や「舸会」に少しでも追いつこうとするだけ。
「国立清水A」は少し出遅れた、妹分の「国立清水B」が
混合カテゴリーで優勝しているだけに、最低でもダブル入賞は
果たしたいところだ、前の3艇が遠く、表彰台も遠ざかる・・
結果、
1位:「海猿火組」51秒
2位:「遠州舸会」52秒
3位:「中電龍舟」53秒
「国立清水A」は4位となり、ダブル入賞の夢は果たせなかった。
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さて、かなり長くなってしまったが、表彰式の模様などは、
次回記事、第4回(最終回)に続く・・