静岡市清水区の清水港で2012年10月7日に行われた、
第二回ドラゴンボート大会「ツナカップ」の模様より。
まだ2回目という歴史の浅い大会であり、参加チーム数は19と、
さほど多くは無いが、それでも昨年より倍増、さらには、東京、
埼玉、横浜、愛知、大阪、さらにはロシアチームなども参加した
多彩な大会となり、評判も上々の今もっとも注目すべき大会だ。
昼休みも終わり、午後からは準々決勝、準決勝、そして決勝戦が
行われる。
真剣な表情で、他チームの予選タイムや、これから当たるチーム
への戦略を考えているのは、地元「鈴与龍舟」チーム。
「鈴与」という企業名は他地区では、あまり聞かないとは思うが、
静岡市清水区を拠点とする超巨大企業で、その事業範囲は
湾岸物流、倉庫、商店、交通、航空、エネルギーなど様々な
産業分野におよび、Jリーグの清水エスパルスや、その関連の
アミューズメント施設のドリームプラザまでも傘下としている。
ドラゴンボートチームである「鈴与龍舟」は、まだ静岡県以外
での活動は少ないのであるが、今年は、大阪の「日本選手権」
大会に初出場していて、少しつづ活動範囲を広げていく様子だ。
Aトーナメント(強豪リーグ)にエントリーした今日の「ツナカップ」
での戦績であるが、予選では、いきなり日本選手権3位の強豪の
「村田Black」と当たり、1分1秒の好タイムながら敗退。
(村田は53秒台と、飛びぬけて速かった・・)
以降、敗者復活戦で勝ち抜けて、今から準々決勝で東京の
強豪の「BON OYAGE」と当たるところだ。
「勝つぞ~!」と気合を入れるものの、
準々決勝で「鈴与龍舟」は僅かの差で敗退となってしまった。
まあ、どのレースでもコンスタントに1分1~2秒をキープしての
結果であったので、練習を積んで少しづつタイムをあげていくしか
無いのかも知れない、地道な努力が必要な段階だ。
チームとしては、このあたりが一番苦しい時期なのかも知れない。
同じく地元チームで、Aトーナメント参加の「中電龍舟」のキャプテン
からも、今回似たような話を聞いてる。
中「匠さん、ウチのチームは1分3秒くらいで壁に当たっている
みたいなんです、どうやったら、その壁を乗り越えられますかねえ?}
匠「まあ、私はカメラマンであって、コーチではないのですが(笑)
思うに、今が一番苦しい時期なのかもしれませんね、
様々な大会で、同じような状況のチームを沢山見ていますよ。
練習をしてもなかなか速くならない・・だから練習にも熱が
入らない、まあ言ってみれば階段の踊り場の段階なんでしょうね。
いくつかのチームはその踊り場から抜け出して、また階段を
上がりはじめます。で、そのきっかけというのは、たいていが
入賞経験なんです」
中「というと・・?」
匠「例えば、たまたまどこかの大会で、3位とかに運良く入ったりする、
そうすると、彼らは”勝つ事が面白くなってきた”と口をそろえて
言うようになってきます、するとメンバーの士気やモチベーションも
高まり、もっと練習して、もっともっと強くなろうとする。
そうした好循環がチーム内に生まれてくれば、もう後はほっておいて
も大丈夫です。そのチームで行けるところまでは強くなります。」
中「ふむふむ、入賞をきっかけに、チームが一皮むけるわけですね」
匠「そうだと思います、だから中電さんも、一度表彰台に上ったら
いいのだと思いますよ、そのチャンスが来るまではひたすら我慢です」
まあ、その「中電龍舟」、今日の戦績だが
予選で愛知の強豪「闘龍者(とうりゅうもん)」に敗れ、さらに
敗者復活戦でも、東京のベテランチーム「BON OYAGE」に敗れて、
残念ながら予選敗退となってしまい、一皮むけるチャンスを失った。
Aカテゴリーは、強豪リーグなので、まあ、しかたないと言えば
しかたない、もし同じタイムでBカテゴリーで戦っていれば、
B決勝までは進出できたと思われるのだが、仮にビギナー相手に
戦って勝っても、前述の”チームの士気”という面では、あまりプラス
にはならないかもしれない。
例を上げれば、今年の「びわこペーロン」大会で、滋賀の「龍人」
(どらんちゅ)チームが、2カテゴリーで優勝と3位、という立派な
戦績をおさめたのだが、戦った相手に強豪チームがほとんど
無かった為、「龍人」のメンバーいわく、
龍「あまり納得はいってないです」と、あくまでクールな感想だ、
「龍人」とすれば、琵琶湖の各大会での入賞の経験はすでにあるし、
もっと上を狙っている段階なので、目指す目標は高いという事だ。
対して、こちらは勝つ事を知っているチーム「海猿火組」だ。
”海猿”という名前からして、海上保安庁を連想すると思う、
事実、海保のメンバーを中心に、ナース、そして消防が加わり
発足したチームなのだが、現在このチームは「NPO法人」
という組織となっている、ドラゴンボートの振興を目的とした
組織であり、チームへの参加資格としては、別に海保などの
所属である必要は全く無いと言う。
「海猿火組」は静岡県でのドラゴンボート各大会の運営に協力し、
この競技の普及と発展を目指している、勿論運営のみならず、
チームとしてのは静岡県最強との呼び声を超えて、今や全国レベルだ。、
職域や地域を超えて、同法人の活動に賛同する方は、どんどん
入会して欲しいとのことである。
で、このチームのメンバー、よく見ると「海猿火組」の主力メンバー
ではなく、若手や新人を中心に構成され、さらに「BON OYAGE」の
メンバーも加わった「海猿火組 OYAGE」という混成チームとなっている。
つまりは、上記の「NPO法人」の呼びかけに対して集まってきている
人達が中心だ。こちらはBカテゴリーにエントリーして戦っている。
「海猿火組」伝統の「股こすり」をも、伝授されている様子で、
まあ、楽しいのだろうか? いや、よくわからないが・・(笑)
「海猿火組 OYAGE」は、さすがに「海猿火組」の予備軍だけ
あって、1分前後と、Bカテゴリーでは上位のタイムを維持し、
B準決勝にまで勝ち上がる。
しかし、ここで立ちはだかるは、関西(大阪)より初参加の「関空飛龍」
(ちなみに参加チーム名は「深・関空飛龍チームM」となっている)
「関空飛龍」は大阪の強豪チームであり、”関空大会”がスタートした
およそ9年前に結成された歴史のあるチームだ。
各大会では、優勝こそ無いが、いくどかの入賞経験を持つ。
強豪チームばかりの激戦区の関西の大会で揉まれてきている
「関空飛龍」が、そもそもなぜBカテゴリーなの?とは思ったが、
まあ、後から大会にエントリーして、欠員補充で参加資格を得た、
という事情があるそうで、それならまあ理解できる。
で、写真の手前が「海猿火組 OYAGE」、奥が「関空飛龍」
Bカテゴリーの準決勝とは思えない本格的な大激戦であったが、
「海猿火組 OYAGE」が1分1秒、「関空飛龍」は58秒台と、
地元の強豪を退けでB決勝に進むのは「関空飛龍」となった。
しかし、その「関空飛龍」の飛びぬけた実力であっても楽勝とは
言えないのがB決勝戦だ。
ここにはちょっとした仕掛けがしてあり、Aトーナメント(強豪リーグ)
の敗者チームがBトーナメントの一部に混ざっていく流れとなって
いて、運がよければAトーナメントの敗者がBトーナメントの決勝に
まで復活できるようになっている。
ただ、運がよければ、というのはAトーナメント参加の強豪チームに
とっての話であり、Bトーナメント参加のビギナーチーム達から
見れば、勝ったら勝ったで、もっと強いチームと当たる羽目に
なるわけだ。
事実、もう1つのB準決勝戦においては、Bカテゴリーから上がって
きたロシア等のチーム「ゴリニチ」と、Aカテゴリーから降りてきた
東京のベテラン「BON OYAGE」がぶつかり、「BON OYAGE」が
勝利をおさめてB決勝進出となっている。
結局、B決勝は「関空飛龍」と「BON OYAGE」という本格的な
ドラゴン専業チーム同士の戦いとなり、恐らくは、1分を切る
レベルの勝負となるだろうから、見応えは十分だ。
ただ、正直言うと、他のBカテゴリー参加のビギナーチームは
1分10~15秒前後のタイムなので、これらの強豪チームには全く
歯が立たないであろう。だから、Bカテゴリーで「初心者にも
楽しめる」という当初の大会の目論見からは外れてしまっている。
なので、AカテゴリーとBカテゴリーは完全に分離した方が
よかったかも知れないし、その線引きの目安も、タイムなどで
ある程度具体的な指針があっても良かったかも知れない。
まあ、行動力のある「ツナカップ」の運営サイドであるから、
きっと、もうその問題は気づいていて、来年にはすぐなんらかの
対応を図ってくると思うので、心配はしていないのだが・・
写真はBトーナメントに降りてきて、同じくAトーナメントからの
「鈴与龍舟」との激戦を制して勝ち抜けた「BON OYAGE」の様子。
私は、「BON OYAGE」のメンバーとは、静岡や大阪の大会で
顔をあわせていて話もするのだが、どうも「BON OYAGE」の
特徴を記事などでは紹介しきれずにいた。
というのも、いつも「東京で集まったオヤジのメンバーで・・」
といったような話しか聞いてないからだった訳で、朝会ったときに、
匠「で、そもそも「BON OYAGE」のチームの特徴って何なのですか?」
B「まあ、オヤジで」 ふむふむ 「良く(酒を)飲んで」
ふむふむ、それで? 「ちょっとスケベで・・」
匠「う~ん、そんなの、どれも普通じゃあないですか!(笑)」
という事で”ああ、今回もまた「BON OYAGE」について書けない”
と、ちょっと困っていた。
しかも、「BON OYAGE」はAリーグでは敗退したものの、敗者復活から、
B決勝にまで勝ち上がってくる勢いではないか、さて、どうしたものか(汗)
昼ごろ「BON OYAGE」のメンバーが近づいてききて
B「匠さん、朝言っていたウチのチームの特徴ですけどね」
(ほいきた・・これで記事に書きやすくなる)
B「実は、練習量が多いんですよ」
匠「え?それはいったいどういったわけで?」
例えば、朝の開会式の準備体操のエアロビを3分やっただけで
オジサンメンバーは息があがってしまうのだろうし、
あるいは、今日はAトーナメントから一度落ちて、Bトーナメントから
復活してきて、都合5回も漕がれているだろうし・・
そこまでやったら、オジサンチームだったら、もうヘロヘロで戦う
前から不利な状況、そんな事を想像することは無理な話ではない、
それが、その実は、体力自慢の集まりということなのだろうか?
B「チームに(元)スポーツインストラクターの人が入って
いましてね、練習好きというか、ともかくよく練習するのです」
匠「なるほど、じゃあ、いつもヘロヘロになっているのは、
あれば実はパフォーマンスで、実際にはなんとも無いと?」
B「いや、実際もヘロヘロなんですけどね(笑)
まあ、練習慣れはしているという事なんです」
匠「ふうむ、そうなると5回漕ぐくらいではなんともなさそうですね」
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さて、その東京のベテランチーム、練習ヲタクの「BON OYAGE」と、
大阪の実力派「関空飛龍」の若手による注目のB決勝がスタート。
「BON OYAGE」は、オヤジパワー全開で飛ばしまくる。
本日5回目とは思えぬ、パワフルな漕ぎであるが、でも、やはり
5回目はさすがにキツイのだろうか、いったん「関空飛龍」が前
に出ると、少しづつ差が開いていく・・
結果、「関空飛龍」は1分をちょっと切り59秒台で嬉しいB優勝、
「BON OYAGE」は十分健闘するも、1分5秒と、連戦が響いたのか?
タイムを少し落としてB準優勝という結末となった。
ところで、B準決勝で「BON OYAGE」に負けたロシアの「ゴリニチ」
であるが、実はこの大会では女子カテゴリーにも「ゴリニチ女子」の
チームをエントリーしている。
ロシア系の女性について良く言われるのは、20才位迄は素晴らしい
プロポーションなのであるが、それを過ぎると寒冷地での子育て等に
適した民族的なDNAが作用するのか?肉づきが良くなってくる。
オリンピックなどの体操選手が良い例だ、などと言われているが、
日本在住で、しかも現役としてスポーツをやっている彼女達には
その定説は、当てはまらない様子だ。
食べる物も、以前の御前崎大会で彼女達は、キムチを持ってきて
美味しそうに食べていたし、納豆も大好物だ、と言っていた。
寒冷地で家に閉じこもり勝ちになれば、太ってくるものしかたないと
思うが、日本で生活する上では、遺伝的要素よりも後天的な生活
環境が勝ってくるのかも知れない。
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本大会の女子カテゴリーに関しては、2回戦制で行われ、
順位およびタイム戦から、結果的に、優勝は、保育士チームである
「スピカ・ダーリング」となった。
「ゴリニチ女子」は、健闘するも、わずかなタイム差で準優勝、
3位は、地元清水港でマグロの水上げや通関などの業務に係る
「つなガールズ」(まぐろつながり、という意味もある)となった。
「つなガールズ」は、今回初めてボートを漕ぐビギナーが中心で
あったのだが、1回戦では1分50秒台というかなりゆっくりめの
タイム、これを見かねたのが、今回リーダーとなってチームを
率いる「鈴与のマドンナ」こと「鈴与龍舟」の美人選手で、
彼女の短時間の効果的なコーチにより、2回戦では1分30秒台と、
タイムを20秒も縮めてきた。この調子でもう2~3回漕げば
きっと他の女子チームと同等の1分20秒前後に到達したのだろうが
残念ながら今回の大会ではここで時間切れ、
「鈴与のマドンナ」は、”お尻振りポーズ”を得意としているので、
匠「あれを練習に入れたら、多分もう10秒縮まったのに」
と、冗談を言ったところ、
鈴「そうでした! いやあ、コーチするのに、せいいっぱいで
とてもそこまで考える余裕がなかったです・・」
と、まあ、マドンナも色々大変な状況であったのだろう。
これに懲りずに来年も是非参加していただいて、今度はお尻振り
で優勝を狙って欲しい所だ。
そして、そこに現れたのは、海上保安庁の巡視艇。
電光掲示板に「がんばってください」という文字が流れる。
がんばりますよ~ と応える選手達。
そして、残るはオープンのAトーナメントの結果だ。
まずは準決勝、ここで案の定、静岡県最強の「海猿火組」と、
埼玉県最強の「村田Black」(INO-G)が当たることとなった。
事実上の決勝戦、しかし、実態は準決勝であるから優勝候補の
2チームのいずれかは、決勝に残れないこととなる。
「アテンション G0!」
匠「うわ~、どちらも速いな~」
見るからに、他の一般的なチームとは一線を画する漕ぎ。
「海猿」は日本選手権オープンの部第2位、方や「INO-G」は同大会
混合の部3位、すなわち全国レベルの戦いが、ここ清水で見れるなんて・・・
匠「おっと・・ ”村田Black”が頭1つリードしているな」
「海猿」は必死の巻き返し、しかし、「村田」が速い、速い。
僅かな差でゴールイン、混戦だが、明らかに「村田Black」が頭を
抑えていた。「海猿火組」ここしばらくでは珍しい敗北だ。
タイム発表、実況アナウンサーはドラゴンボートに詳しい「スナオ」さん、
スナオさんも目の前で海猿火組が負けたことに興奮の声を隠し切れない、
ス「2位、海猿火組、50秒52!」
ドドーッツと、会場がどよめく。
1分を切れずに苦戦するチームが多い中、夢の50秒台を出しても
それでも負けるのか?
ス「1位、村田Black、49秒59!!」
さらにどよめく会場、ついに40秒台に突入か!、いったい全体
どんなハイレベルの戦いだったのか!凄いものを見せてもらった。
これはもはや出場20チーム弱の地方マイナー大会では無い、
まさに日本選手権クラスの名勝負だった。
勝ったには勝ったが、あまり喜びを表現しない「村田Black」
激烈な勝負で、精根尽き果てたのであろうか・・?
でもまだオープンAトーナメントの決勝戦が残っている。
陸上に戻ってきた「海猿火組」に全員集合の伝令が飛ぶ。
海「え~、久しぶりに負けてしまいました・・
でも、まあ、50秒を出して負けたなら悔い無しです、
50秒はわれわれのベストタイムです、彼らが速かったのです」
まだ、Aトーナメントは、3位決定戦が残っている。
しかし、今日の「海猿火組」の戦績だが、Bトーナメント出場の
「海猿火組OYAGE」もB準決勝で、大阪の「関空飛龍」に負けて
敗退となってしまった。
「海猿火組OYAGE」は若手メンバーが乗っていて、中には悔しさで
泣いている女性の選手もいた。
まあ、でも、「海猿火組」は確かに静岡県の最強チームであるし、
御前崎大会やツナカップでも常に常勝のチームではあった、
関西の大会に遠征しても、優勝とは言わないまでも毎回入賞の
成績をあげてくる、若手メンバーにとって「海猿火組」とは、そんな
無敵のチームだし、恐らくは、それにあこがれて、このチームに
入ってきたのであろう。
ただ、私の目からは、ちょっとまた別の見方があった・・。
大阪の「関空飛龍」もまた、私は毎年、関西の各大会で見ている。
強豪チームばかりによる、膨大な回数の激戦を「関空飛龍」は
ずっと戦ってきた訳だ。しかし、勝てなかった大会がその殆どだ。
何度か入賞して、とても喜んでいる「関空飛龍」の姿も鮮明に記憶
に残っている。その経験の積み重ねを見て来ている私の目からは、
「海猿火組」の新人中心の若手が、「関空飛龍」に敗れる図式は、
さほど不思議なものではなかった。
「沢山負けて、強くなっていく・・」そんな風に思える。
「海猿火組」の若手も、負けて泣くならば、まだ見込みが十分にある、
次は負けないように、また彼らは強くなって帰ってくる事であろう。
オープンAトーナメント3位決定戦は、「海猿火組」と「闘龍者」
(とうりゅうもん)の組み合わせになり、結果「海猿火組」が
3位となった。
愛知から参加の「闘龍者」は、今回4位、6月の御前崎大会でも4位、
9月の琵琶湖スプリントも決勝進出なるも同様な成績で、あと少しの
所で表彰台を逃す、という、実力の割に不運な状況が続いている。
Aトーナメント決勝は、「TITAM X DRAGONS」対「村田Black」
「TITAM X」は東京のチームなのだが、チームとして結成されたのは
香港であったと聞いている。
東京大会、横浜大会、ツナカップの他、大阪での日本選手権大会
にも参加しているアクティブなチームだ。
A決勝の結果は、地力で勝る「村田Black」(INO-G)の勝利。
「TITAM X DRAGONS」は敗れたとは言え、準優勝の大健闘。
かくして、第二回ツナカップの全レースは無事終了。
他の大会では、負けたチームは早々に撤収してしまい、
閑散とした閉会式を迎えることもあるのだが、
このツナカップ大会では、参加した選手達ほぼ全員が残っている、
各チームに万遍なく提供される、と聞いている賞品への魅力も
あるとは思うのだが、選手達の表情を見ていると、それだけでは
なさそうだ。どうやら皆、”楽しかった大会なので、最後まで残る”
という雰囲気が見てとれる。
それから、参加賞が出る、というのも大きいかも知れない。
この参加賞に関しては、NPO法人横浜国際ドラゴンボート協会も
協賛に入っていただいているという。ある地域の協会に他地区の
協会が協賛するというケースは、なかなか珍しい。
こうした相互協力の体制は、ドラゴンボートの普及には必ず
プラスになると思う。
こちらは、大会中の名解説、名アナウンスを行った「スナオ」さん、
ドラゴンに対する造詣が深く、聞いていても、選手目線での勘所を
見事に押さえた聞きやすい解説だ。
大会実行委員長である、静岡県ドラゴンボート協会の山田理事長から
入賞チームに賞状や賞品が渡される、山田理事長は、「鈴与龍舟」の
選手でもあるのだが、今日は初めからスーツ姿で、選手として漕ぐ
事はなく、大会運営に注力するというスタンスであったようだ。
こちらが、例の、記念写真の入った賞状だ。
細かい配慮だが、確かに選手達には良い思い出でになるであろう。
Aトーナメントで優勝した「村田Black」(INO-G)も、
もらった賞状(つまり記念写真)をまじまじと見ている。
本大会の最大の功労者は、恐らくはこの人、海猿火組のリーダー兼
静岡県協会副理事の伊藤氏。
ドラゴンボートに対し、とても熱い思いを持ち、かつ、柔軟な思考で
大会運営に様々なアイデアを持ち込み、それを次々に実現させている。
伊藤氏は「最後に、大会運営側からのプレゼント」と言いながら
大きな箱を持ってきた。
どうやら「マクロまつり」で余りそうになった「太刀魚入りクレープ」
という屋台(?)の商品を、いつのまにか安価に大量に買い付けて
来たらしい、最初「1本、100円で選手達に販売します・・」と
言いかけて、「やっぱお金はいいや、オレのおごりだ!」と言い直す。
「おお~、伊藤さん、太っ腹!」と会場がどよめく。
閉会式はそのまま終了、その後は、まるでバーゲンのように
選手達が「ツナクレープ」にむらがる。
後日、JDBA(日本ドラゴンボート協会)のFacebookにアップされた
この写真に対し、「ゴリニチ」チームのメンバーと思われる方が
ロシア語でコメントしていた、そのロシア語をWeb翻訳すると
「よく熟れたウニ」
・・・ううむ、いったい、それはどういう意味?(汗)
さて、私も関西へ帰る為に、ここで静岡を撤収。
新幹線の中で思いおこせば、本当に良い大会であったと思った。
数日後、伊藤氏に「良い大会でした」とメールを打つ。
返信は「全部のチームから、お礼のメールをいただきました。
ほんと、やってよかったと思います、嬉しいです」とあった。
これは伸びる大会だな、来年は30チームかな?
もしかして、数年で国内最大規模の大会に成長するかもね・・
そんな風に思った「ツナカップ」であった。