名門コース、瀬田の「琵琶湖漕艇場」で2012年9月9日に
行われた、第7回びわこ1000m選手権大会の模様より。
さあ、オープンの部、地元「池の里Lakers!」が出陣だ。
昨年の”びわこペーロン大会”での涙の初優勝、今年の同大会での
「琵琶ドラ」との大激戦での僅差の準優勝。
そして、日本選手権大会での2年連続決勝進出など、ここのところ
華々しい戦績をおさめている「池の里」であるが、その実力のわりに
優勝回数は、あまり多くなく、まずは地元琵琶湖の各大会を確実に
モノにして結果を出していきたいところだ。
さて、今日の「池の里」の調子はどうであろうか?
匠「えっと・・・ どなたでしたか?」
池の里は、ご存知、町内会のチームだ、そのメンバー構成は
固定的であり”池の里地区”の町内に住んでいないとチームにも
入れない様子だ。その池の里に普段見かけないメンバーがいる。
池「ちょっと今日はメンバーが足りずに、助っ人を呼びました」
匠「へえ、池の里さんとしては珍しい事ですね」
池「(漕ぎ手が)16人ですからね・・ 厳しいですよ。
彼は今日始めて漕ぐのですが、それでもまだ3人不足です」
匠「この機に、池の里に引っ越して来られたらどうですか?」
新「いやあ、まだ一人身ですし」
(注:池の里地区は、ファミリー層向けのニュータウンだ)
匠「それならなおさら! ドラゴンが縁で結婚した選手達は
とても多いですよ、他のチームにも若くて美人の選手が
沢山いらっしゃいますし、結婚して池の里地区に住んだら
チームも、いっきょ、2名の戦力アップですよ!(笑)」
新「あはは・・(汗) まあ、ちょっと考えてみます」
匠「おっ、関ドラ(関西龍舟)さんの女性リーダー!」
関「匠さん、いつも撮影お疲れ様です」
匠「いえいえ、リーダーも、いつもながらお綺麗で・・
で、今日は関ドラさんの調子はどうなんですか?」
関「今日はオープン出場なんですよ、で、17人しかいないです」
匠「そうでしたね、この1000mでは、関ドラさんは、いつもの混合の
カテゴリーではないんですね。 女性が集まりにくいですか?
そうそう、池の里さんも17人で漕ぐって言ってましたよ」
関「17人でも今日は頑張って勝ちに行きます」
匠「いやいや、いつもお強いのだから、ちょっとはハラハラする
展開も見せてくださいよ(笑)」
関「アハハ・・ そうならないようにしますよ(笑)」
(・・と、去っていく美人リーダー。
あ、しまった、池の里の新人さんに紹介してあげればよかった!
なにせ、強豪・関ドラの美人リーダーを引き込んだら、池の里は
ものすごい戦力アップだ・・笑)
で、聞くところによると、今日「関西龍舟」の一部のメンバーは、
東京で行われているEボート(ゴム製ボートで、救助等に用いられる)
の大会に遠征しているらしい、大所帯の「関ドラ」だからこそ
同時に2大会出場という離れ業も可能なのであろう。
オープン1回戦では、「関ドラ」は、地元強豪の「琵琶湖ドラゴン
ボートクラブ(琵琶ドラ)」と、大阪のベテランチームの
「Rスポーツマンクラブ」を抑えて1位。
漕ぎ手17人で4分41秒は、なかなかの好タイムだ。
恐らくだが、3人欠けると1000mで10秒前後は遅くなっていると
思われる。
(まあ、そうすると関ドラの実力値は4分30秒というあたりか・・)
で、こちらが、その「Rスポーツマンクラブ」
オジサン達が中心のベテランチーム、と思いきや、実はこう見えても
なかなかの”頭脳派軍団”なのだ。
R「オープン一回戦の戦績は3位だったけど、それは強豪の
”関ドラ”、”琵琶ドラ”と当たっているのでしかたがない、
それより問題は他のチームだ、
どこそこのチームのタイムが4分55秒、
あちらのチームは4分57秒、ウチ(R)は、4分56秒・・・」
・・という感じで、「R」の頭脳は、各チームのタイムをすべて
そらんじていて、次のレースの戦略を練るとともに、リアルタイムで
変化しているレース状況を随時更新して勝敗にこだわってくる。
他のレースを観戦している時でも、
R「匠さん、あのチームがウチ(R)より1秒速いですからね、
あちらの別のチームがウチより1秒遅い、あのチームが
ウチの2回戦タイムより速くても1秒以内に収まって、
あちらが2秒以上遅かったら・・ ほら、いい感じだ。
うん、うん、この調子だと、きっとウチが3位ですよ!」
匠「ぐっ・・・(訳がわからなくなってきた・汗)
(なんと申しましょうか・・・) えっと、凄い計算力ですね」
まあ、高齢化している「R」が、各大会で決勝レベルの戦績を
維持できているのは、こうした風に、戦略・戦術要素に長けて
いるからなのかも知れない。
「Rスポーツマンクラブ」と「池の里」のメンバーのスリーショット、
数々の大会で顔を合わせている選手達、他のチームはライバルで
あると同時に、盟友であると言っても良いであろう。
盟友といえば、地元「池の里」の盟友である「小寺製作所」チームも
今日の大会に出場している。
ここ琵琶湖で、「池の里」や「琵琶ドラ」などの強豪と数々の死闘を
繰り広げて早8年、「小寺製作所」も最近はかなり強くなってきている。
先月の”びわこペーロン大会”では、悪天候と、舵の不調に泣き、
表彰台を逃してしまった。 最近「小寺製作所」は、調子は良さそう
なのだが、どうも表彰台に恵まれない。
聞くところによると「小寺製作所」チームの持ち味としては、
スタートダッシュが得意とのことで、長距離の1000m大会は、
ベテラン選手の多い同チームには不利な条件だと言う。
まあ、確かに「小寺製作所」は短距離のレースとかでは
スタートはそこそこ速く、そのアドバンテージが最後まで持てば
そうした大会で決勝レベルの戦績を収めることも多々ある。
で、小寺団長は「次のスプリントに期待だな」と言っていたが、
今日の小寺製作所には、撮影班として美人の応援団もかけつけて
きている。
さあ、勝利の女神の登場で、今日の「小寺製作所」は好成績を
残せるのであろうか・・?
こちらはオープン一回戦での「池の里Lakers!」(奥)と、
「龍人(どらんちゅ)」(手前)の熱戦の模様。
”びわこペーロン大会”で2カテゴリーで「優勝」と「3位」
という立派な成績をあげた「龍人」。 今年はなかなか調子が良い。
漕ぎ手17人と、3人不足している「池の里」をとらえ、1回戦は
1位となる。
ちなみにこのレースの3位は「小寺製作所」だ、
勝利の女神のご利益もちょっと足りないようだったか(汗)
その「龍人」の勝利の天使ははこちら。
ちなみに2人は、親子ではないようです。
「龍人」も、なかなか不思議なチームで、友達の口コミで
大きくなってきたチームだそうで、同じ会社や同郷でもなく、
実に多様なメンバーで構成されている。
美人選手、そして美人応援団・・・
メンバーの層の厚さが、最近の「龍人」の好調の秘密なの
かも知れない・・(といいつつ、美人の写真ばかりでは、
好調の理由になっていないか・笑)
さて、オープン2回戦1組はベテラン「Rスポーツマン」が
「池の里Lakers!」を僅かにかわして1位。
「池の里」、やはり本大会では人数不足がかなり響いている様子だ。
しかし「R」と「池の里」の差はほんの僅かであり、
「R」は途中まで(実力のやや上回る)「池の里」にひっぱられて
結果的にタイムを上げることとなった。(1回戦に比べ約5秒の短縮)
頭脳派「R」の綿密な計算によると、次のレースでの「龍人」の
タイム次第では「R」に3位入賞のチャンスがあるとのことだ。
次はオープン2回戦2組、いよいよここで最終順位が決まる。
「関西龍舟」(関ドラ)、「琵琶湖ドラゴンボートクラブ」
そして「龍人」の対決だ。
写真は、「琵琶湖ドラゴンボートクラブ」(琵琶ドラ)
「琵琶ドラ」は、1回戦で「関ドラ」に10秒の差を
つけられている、2回戦では、逆に「関ドラ」に10秒の差を
つけて1位にならないと優勝できない。
通常の短距離大会では、それは不可能に近い事なのだが、
この1000mでは、距離は十分あるし、その間に何が起こるか
わからない。事実、超強豪の「関ドラ」にしても確か5~6年前の
この大会で、蛇行してコースアウト失格になってしまった事も
記憶に残っている。
さあ、「琵琶ドラ」はどう出るのか・・?
本「スタート1分前・・・ アテンション、GO!」
・・・いつもの決勝の様子、とは言え、なにせ今日は1000m
大会だ、スタートのアナウンスがあってから目の前をボートが
通るまで最低4分はかかる、今は太鼓の音すら聞こえてこない。
まだしばらくは、のんびりとしておこう(笑)
数分後。
・・・ドンドンドン 太鼓の音がだんだん大きくなってくる。
匠「やっときたな。 おっ!! これは・・(汗) 」
なんと、「琵琶ドラ」が、超強豪の「関ドラ」の頭をとって
いるではないか!
どちらも強豪チームではあるが、「関ドラ」はちょっと別格で、
まあ、およそ出場する大会の殆どで優勝をさらっていくという
超強豪チームなのだ。
匠「へ~、めずらしい事もあるなあ、関ドラが抜かれるなんて」
ほんと、さっき関ドラさんに言った通りの「ハラハラする展開」
になってしまった。
結局「琵琶ドラ」は「関ドラ」を約1秒差でおさえて1位。
この結果は良くやったと思うのだが、ただし「関ドラ」には
1回戦の貯金が約10秒もある。 さすがに「琵琶ドラ」も、
この差をひっくりかえすことはできず、総合2位に甘んじた。
オープンの部の優勝は「関西龍舟」!
まあ、順当な結果となった。
で、問題は3位だ。今期好調の「龍人」は、本レースは何故か
大幅に出遅れ、「琵琶ドラ」や「関ドラ」に、20秒近くもの
大差をつけられてしまった。
すると・・・3位は「Rスポーツマンクラブ」か。
「池の里」との接戦でタイムがアップしたのが功を奏した
という感じだろうか、ここのところ表彰台から遠ざかって
いた「R]としては嬉しい3位入賞だ。
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オープンの部はなかなか見ごたえがあった。
観戦する美人のオネイサン達も、白熱したレース展開には
満足されている様子・・・
・・・って、え? この美人軍団はいったい何処の方?
どこかのチームの応援団というわけでもなさそうだし・・
匠「え~と、今日はどちらの応援に??」
美「私達、レイクスターズのチアガールなんです」
匠「あ~、そうなのですか。それはどうも、お疲れ様です」
(滋賀)レイクスターズとは、滋賀県で唯一のプロバスケ
チームであり、2008年に結成。その選手の方々は、何度か
琵琶湖のドラゴンボート大会にもゲストとして招かれて
いたこともある。
今日は、こちらでドラゴンの大会をやっていると聞いて
わざわざチアの方々5名が応援に駆けつけてくださった
とのこと。
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そうそう、「混合カテゴリー」の紹介を中心とした前編で
記載していなかった混合の勝敗について・・
混合は結局、和歌山と京都の混成チーム「すいすいコロンズ」
が他のチームを圧倒する形で優勝した。
混戦となった2位以下であるが、大阪の老舗チームである
「TEAM BANANA」が準優勝となる。
「BANANA」は関西地区の様々な大会に出場する、ドラゴン
常連チームであるが、だいたい準決勝止まりの戦績が
ほとんどで、今回の準優勝は、結構嬉しかった様子である。
3位には同じく大阪の「風KAZE」が入賞した。
「風」は1回戦での「兵教大」艇との接触未遂のアクシデントを
乗り越えての3位である。
やはり、大会の運営にあまり係わらなくても良いという、
びわこの大会(注:「風」は大阪の大会運営の中心的チームだ)では
「風」は負担が軽いので実力を発揮できるということなのであろうか?
びわこの大会ではちょくちょく入賞というシーンを見ることが出来る。
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さて、これにて本戦は終了、以降は、本大会恒例の
「フレンドシップ」レースだ。
「フレンドシップ」とは、各チームをいったんバラバラにして
混成チームを作って戦う試合の事で、コースは同じ1000mだ。
「フレンドシップ」にも、賞品が出るので、出場を希望する選手は
とても多い、いつも本戦の後で、”先着順”ということで出場者を
募るのだが、今回もあっというまに120名もの選手達が本部前に
集合した。
ランダムに振り分けられたチーム編成が終わった選手達は
その場で座っていく。
しかし、よく見れば、最初に集まって来ていたのは、ほとんどが
ピンク色の軍団、「小寺製作所」のチームメンバーではないか。
どうやら、本戦で6位という低迷した成績に終わったので、
小寺団長(小寺製作所の社長さん)より、ゲキが飛んだらしい・・
小「オマエラ、今日の成績はなんじゃ、もう一度漕いでこい!」
・・と言ったとか、いわなかったとか(笑)
120人の「フレンドシップ」参加希望者は、6艇に振り分けられ
3艇x2レースの、最速タイムのチームが優勝という段取りに
なった。
1レース目、レースを観戦していた「池の里」ジュニアが
ドラマー(鼓手)に立候補。
幼少の頃からドラゴンボートに親しみ、びわこドラゴンキッズ
(小学生)大会では選手として出場し連覇中。太鼓も漕ぎ手も
出来るというスーパーキッズ。
琵琶湖ではちょっとした有名人で、国内最強の「磯風漕友会」の
選手達とも顔見知り、将来の夢は「磯風に入って漕ぐこと!!」
と語るドラゴン界”期待の星”のジュニアだ。
・・なので、まあ、いきなり大人のレースに飛び入り出場しても
選手達も大会関係者も、「いいんじゃないの」と、誰も驚かない。
ジュニアの太鼓のリズムに合わせ、大人の選手達が漕いでいる
絵はなかなか面白い。
ジ「え? 優勝したら賞品が出るの?」
と、ジュニアはやる気十分。
その1レース目、ジュニアが率いる「2号艇」チームは、
見事な太鼓のペース配分で、難なく1位でゴールした。
ジ「よし、これで優勝はもらったな!」
と、得意満面のジュニアだが、まだ2レース目が終わらないと
結果はわからない。
なにせ、次は、今回の混合優勝「コロンズ」兼、和歌山の
強豪チーム「もっこりドラゴンボート部」の部長をはじめと
する主力選手達も出場するのだ。
2レース目、選手の組み合わせのいたずらか、1チームが
とてつもなく速い。そのまま他を圧倒してゴール、優勝を決めた。
ジ「あ~あ」
と、こんどは残念がるジュニアであるが、まあ、まだまだ彼は
十分に若い、今のうちに色々な経験を沢山して、将来は立派な
ドラゴン選手になってもらいたいものだ。
さて、第7回びわこ1000m選手権大会は、これで無事終了、
出場チームが少々少なかったのだが、内容はなかなか濃く、
見ごたえのある大会だったと思う。
ちたみに、”荒れる”と囁かれている今年の琵琶湖の大会だが、
幸いにして天候は最後まで持った。
(しかし、帰路は、やはり京都のあたりで、またゲリラ豪雨、
まあ、大会に影響はなかったのでよかったのだが)
また、今回の勝敗での”荒れる”要素は、”若干”だったように
思う、いくつかのチームで参加メンバーが不足したまま出場
した事により、本来の実力から期待する成績が得られなかった
という例はあるのだが、まあ、それはしかたない・・・
で、来年の大会は是非さらなる多数のチームの参加を期待したい、
来年も、美人の応援団に会えるかもしれませんよ・・(笑)
今年の「熱い季節」は、まだまだ続く・・・