今年で9回目を迎えた、関西空港(KIX)ドラゴンボート大会。
国内有数のメジャー(大規模)大会であり、今年の参加チーム
数は、53と多い、そして、香港、マカオ、オーストラリアから
多数の強豪海外チームが参戦していて、国際色豊かな大会と
なっている。
大会の状況は、敗者復活戦のあたり。
多数の海外強豪チームの参戦により準決勝から決勝あたりは
狭き門だ。
そのあたりの余波をまともにくらいそうなのが、たとえばこのチーム。
大阪から参加の「近畿車輛電龍」チームだ。
N700系新幹線や近鉄電車などを製造している企業のチームで、
その工場では東南アジア等より多数の研修留学生が働いている。
ドラゴンチーム「電龍」も、インドネシアなどからの留学生を
主力とするチームだ。
ただし、その主力選手のうちの数名が、今年いっぱいで研修期間が
終了し帰国するとのことで、「電龍」として経験したことのない
メジャー大会での初表彰台(3位以内)を目指すことが、今期の
目標であり悲願でもある。
今年の戦績は、5月の北港スプリント大会が優勝、ただし、
これは参加十数チームのミニ大会であるので、彼らとしては
カウントに入れていない。
続く6月の堺泉北港の中規模大会では決勝進出なるも4位。
さらに7月に行われた国内最高峰の日本選手権大会でも、
見事決勝に進出し、和歌山最強の「熊野水軍」とほぼ同着の
3位争いを繰り広げるが、惜しくもコンマ何秒かの差で4位。
悲願の表彰台まであと1歩の非常に惜しいレベルなのだが、
今日の電龍の調子は?、というと予選では、開催ご当地の
強豪の関空飛龍チームと当たってしまい、2着となって、
敗者復活戦からの勝ち上がりで勝負することとなった。
詳しく話しを聞くと、今日の電龍は、2名足りなく、18人で
漕いでいるらしい、しかもその2名がチームのNo1,No2で
あるため、大変厳しい状況で予選に臨んだようだ。
抜けた2名は資格試験とやらがあったようで、うち1名は
試験終了後に会場にかけつけてくれたようで、敗者復活戦では
19名となった。ベストの状況ではないが、まあ、やむを得ない。
オープン敗者復活戦第3組、
その近畿車輛電龍は、琵琶湖オールスターズ(GPOや
琵琶ドラなどの選手を中心とする混成チーム)や一寸防士
(大阪市の消防団員からなる)といったベテラン中堅チームと
当たる。
電龍は序盤から快調に飛ばし、2位に8秒差をつけて準決勝
への進出を決めた。
オープン準決勝では恐らく、さらなる強豪チームとぶつかるで
あろう、なにせ、今回は「磯風」は別格としても、決勝レベルの
強豪が少なくとも10チームはある。
その中から決勝に進めるのは6チームまでだ。
決勝クラスの力量を持つ「電龍」であっても、かなり厳しい
状況であることは間違いない。悲願の初表彰台は今回もまた
近いようで遠い道のりの様子だ。
匠「(9月にある)琵琶湖の2大会には出ないのですか?」
電「1000mとスプリントですね、あいにく出られないんです」
匠「そうですか・・琵琶湖は中規模大会なので、うまくすれば
表彰台も夢ではないと思いますが」
電「多分(10月の)和歌山大会には参戦します、それが本当に
ラストチャンスです」
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さて、熱き戦いが繰り広げられている関西空港であるのだが、
会場である関空2期島ウッドデッキは、このドラゴンボート大会を
行うために作られたような施設であり、景観や設備などの環境は
かなり良い。ただし、弱点は日陰がまったく無い事であり、
大会の行われる夏休み最後の日曜は、毎年35℃オーバーの
酷暑で、初回の開催から9年観戦しているが、雨になったこともなく、
関空大会は非常に暑い、という印象が強い。
そこで、3年ほど前から、各チームが少しづつお金を出し合って
かき氷スタンドがが開設されている、この暑さでのかき氷は
とても助かる様子で、選手達には大人気だ。
場合によっては長蛇の列ができることもあり、かき氷スタンドの
スタッフの選手達は、大忙しで、ドラゴンの試合といった状況では
なさそうだ、中には開き直って、ドラゴンチームのユニフォームでは
なく、かき氷職人をデザインしたTシャツを着てきて、ドラゴンより
かき氷に専念する選手もいるようだ。
ユニークなチームがまた1つ、
こちらは「マーメイド」という大阪のチームで、たしか行政書士
だったか、社会保険労務士だったか?、そうした方々が中心となる
チームであるが、中にちらほらと年配の女性が混じっている。
年配の女性は、元「こいさんず」のメンバーだ。
最高齢女性ドラゴンボートチームとして、NHKでも紹介された
ことがあるチームで、かつては毎年天神(日本選手権)大会にも
出場していた、天神では、3位に入賞することも多かったのだが、
さすがに最近はメンバーが高齢化してきて厳しい様子。
昨年の琵琶湖グランドシニア大会では、ひさしぶりに「こいさんず」
が復活したのだが、何人かのメンバーは、「マーメイド」チームに
合流して、今でもいくつかの大会で漕いでいるようだ。
ただ、さすがに女性なので、会場である関西空港の厳しい直射
日光は、お肌の大敵なのか、顔をすっぽりと覆って紫外線対策。
匠「おやおや、覆面しているので誰だかわかりせんでしたよ~」
こ「オホホ、日焼けしないようにね!」
と、あいかわらずお元気な様子だ。
また、毎年この関空大会をにぎわす、強豪の兵庫教育大チーム。
兵庫教育大はドラゴンボート専門の部がある恐らく国内唯一の
学校であり、部の顧問の教授は、ドラゴンボート協会の役員さん、
大会の決勝審判として今日も会場に来られている。
兵庫教育大チームとしても、勿論エントリーしているのだが、
そのOBチームは、例年「森本愛美」などチームキャプテンの
個人名をチーム名とするユニークな命名であるが、時に恐ろしく強く、
大会に旋風を巻き起こしている。今年もまた「豊岡千夏」チームと
して参戦しているのだが・・
匠「どちらの方が豊岡さん?」と聞くと、
豊「今日はお休みです・・」とのこと(笑)
ちなみに、以前のキャプテン「森本愛美」さんは今は就職していて、
就職先の企業で「TEAM SONOWAKITA」を結成、今日の大会にも
エントリーしているのだが、敗者復活戦で2位なるもタイム選別で
残念ながら準決勝進出はならなかった。
まあ、森本愛美さんのことだから、きっとさらにチームを牽引して
数年後は強豪チームに育てあげるに違いない、その時を期待しよう。
こちらは、大阪の複数のチームの混成軍団。
大阪府ドラゴンボート協会(ODBA)は、近年チーム間交流が
とても盛んであり、毎年春秋にあるODBA主催のミニ大会や、
春に行われる「ドラゴンさくら」あるいは、大阪府などの自治体と
連携した「水の回廊」イベントなど、独自の活動が盛んだ。
チーム間の仲もよく、特に中小チームなどで大会への出場人数が
揃い難い場合などでは、あるチームの選手が別のチームに入って
漕ぐということも非常に良く行われている。
なので、大会で、知った顔の選手を見かけても、今日はどのチーム
としてやっているか、わからないことも良くある。
先日などは、夫妻でドラゴンをやっている2人が、別のチーム
として、隣同志のレーンで準決勝とかで戦っているのを見かけた、
「どっちが勝っても負けても、夫婦の危機です!」と笑っていた
のだが、確かに、もし接戦になって、どちらかが決勝進出という
事にでもなったら、なかなか笑ってもいられない事態なのであろう。
大阪のベテランチーム、「Rスポーツマンクラブ」
今日の戦績は、オープン予選で和歌山最強の「熊野水軍」と
当たり2位。敗者復活戦では、気分よく1位抜けして準決勝進出
なるも、オープン準決勝では、国内最強「磯風」と、琵琶湖の雄
「琵琶湖オールスターズ」、女子強豪「河童」、海外(香港)チーム、
地元強豪「関空飛龍」という、強豪だらけの恐ろしい組み合わせに
当たってしまい、その中で4位と健闘するも、決勝進出は3位まで
なので残念ながら敗退。
まあ「R」は、次の琵琶湖2大会にも参戦するようなので、そちらで
表彰台を狙っているとのことだ。
こちらは、「竹友ドミトリーズ」
関西空港の造成・施設建築を請け負う「竹中工務店」の新入社員
メンバーのチームだ。
ドミトリーとは寮という意味なので、恐らくは研修期間中は寮で
集団生活をしているのであろう、チームの結束力という点では
非常に強い。
「竹中工務店」は、噂によると新人教育の一環として、毎年この
関空大会に出場している。大企業であるので、新入社員の数も多く
時には100人を超える選手と応援団が大挙して会場に詰めかけ、
「竹中パワー」に圧倒されることもある。
課題は、新人チームなので、その年によって実力のバラツキが
大きいことである、一昨年だったか、非常に強かった時があり
準決勝に進出したこともある。
また、5~6年前には、美人のドラマー(鼓手)が活躍し、
大会の華となったこともあった。
今年もまた、美人の応援団長(?)が、水着姿でチームを鼓舞
している、こうした応援のかいがあったてか、「竹友ドミトリーズ」
は、KIXフレンドカップ(準決勝などで敗退したチームが
さらにトーナメント戦を行い、下位優勝(B決勝、B優勝とも言う)
を争う)に進出、順調にB準決勝を勝ち抜け、B決勝に進んだが、
大阪の消防士ベテランチーム「一寸防士」に阻まれ、惜しくも
B優勝はならなかった。
しかし、この間の「竹中」関係者の盛り上がりは凄く、今年は
応援団は70~80名くらいだとは言っていたのだが、それでも、
他のどのドラゴンチームのメンバーよりも多人数であるから、
今年も十分に竹中パワーを見せ付けてくれた結果となった。
TEAM 河童のメンバーが帰ってきた。
女子チームながら、男子ばかりのオープンカテゴリーに参戦、
準決勝までは進出したのであるが、磯風や香港チームに阻まれ
惜しくも決勝進出を逃してしまった。
しかしながら、河童としては、国内最強の「磯風」と同じレースで
漕ぐのは初めての経験だということで(元々、本来ならば女子の部
に参加しているチームなので)非常にに楽しみにしていたらしい、
それは準決勝の前に多くの河童メンバーが言っていた事だ。
匠「磯風さん、河童さんが一緒に漕げて嬉しいと言ってますよ」
磯「ふふん・・」と、一見クールだが、顔はまんざらでも無い様子だ。
まあ、磯風には一心同体の兄妹チーム「スーパードルフィン」があって
スーパドルフィンは、河童のライバルチームであるから、あまり河童に
肩入れすることはできないのであろう。
ストイックで非常に練習には厳しい「磯風」と「ドルフィン」であるが、
そこはまあ若い男女、交際しているカップルも数組居るとのことだから
それこそ河童と仲良くするのはまずいのかもしれない(笑)
でも、河童の選手も、しばらく前の宣言通り、最近はずいぶんと
「女子力」がアップしてきている、河童の選手と話をしながらの
ノーファインダー撮影。
匠「ほら、なかなか可愛く撮れましたよ」
河「え~? いつ撮ったの? え? 見ないで撮ってるの? キャー!」
で、こちらは、「磯風漕友会」の監督さん、
まあ、国内最強チームの監督だから、色々と大変な事も
あるのかも知れない。あくまでクールな様相で、淡々と磯風や、
ドルフィンや、そしてドラゴンの事を色々と話をしてくれた。
磯風は、近年では、日本選手権、長崎と相生の各ペーロン大会
の他は、ここ関空大会にしか出場していない。(長崎と相生の
ペーロンは私もまだ行ったことが無いので、近場の相生は、
来年にでも観戦しに行こうと思っている)
日本選手権は、ちょっと緊張感のある雰囲気の大会なので
磯風とあまりゆっくり話しをすることも出来ないのであるが、
この関空は何度か書いてあるように、適度な楽しさのある
大会なので、磯風の選手や監督さんも、ややリラックスして
いる様子だで話やすい。
磯風は、信じられない程の量の練習メニューをこなして、
ここまで強くなってきたとのことである。国内では敵無しの
状態だが、あまり様々な大会に出場して「荒らしてしまう」事は
避けたいとのことだ。
ただ、出るからには、圧倒的、それこそ他の強豪チームが
驚くくらいの圧倒的な強さや技術の高さを見せ付けて、
その結果として、他チームの手本となったり、切磋琢磨する
為めのモチベーションのきっかけになれば、ドラゴン界の発展
や繁栄にも繋がるとの考え方を持たれている様子だ。
事実、相生ペーロンでは、磯風が出場し、優勝するようになってからの
この数年で、明らかに他の出場チームのレベルが上がっているそうだ、
最近はネットで動画なども見れるので、磯風の漕ぎ方を研究したり
真似をしたりで、他のペーロン大会の参加チームは数秒から10秒の
タイムアップがあった様子だ。
ただ、磯風の漕ぎ方をただ真似をするだけでは無理で、あれを
実現する為には、膨大な、それこそ血が滲むような努力と練習を
してきて、やっとあのように漕げるようになるという。
しかし、世界ではその磯風もまだ歯が立たない・・
さらに高みを目指す為、にはどれほどの努力をしていかなければ
ならないのであろうか・・?
それから、王者でありつづけることの重圧についても話が出た、
ちょうど琵琶湖ペーロン大会の翌週であったので、その決勝戦の
模様の話をしていたのだが、昨年の覇者である「池の里Lakers!」
が地元琵琶湖のベテラン強豪チーム「琵琶ドラ」に僅か0.8秒差で
破れ、優勝を逃した話だ。
「池の里」は明らかに連覇のプレッシャーを感じていたと思う、
初めて勝つ(優勝する)までは、「池の里」のメンバー自身も
「だんだん勝つことが面白くなってきた」と言っているように、
モチベーション維持に困ることはあまり無いであろう。
でも、いったん勝ってしまったら、今度は何処を見て努力すれば
良いのだろうか?
後ろから迫る陰に怯えてしまっていたら、プレッシャーは、
はじき飛ばせ無い。
そうした状況でも(磯風が)当然のように勝てるようになるには、
もっと大きな目標(たとえば世界)や、それを目指した気の遠くなる
ように膨大な練習量を続けていかなけれなばらない事であろう。
そうした状態に今の磯風はある。
傍から見ていると「それは楽しい事なのだろうか?」と思ってしまう
のだが、「道」を究めるという事は、恐らくそういう事なのであろう、
楽しいとか楽しくないとか、そうした問題とはもう別次元の話なのだ。
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いよいよ大会は佳境に入り、混合の準決勝だ。
混合準決勝1組(写真)では、6艇の中から、混合最強の「関西龍舟」、
および安定した実力を誇る「東海龍舟」が順当に勝ち抜け、
準決勝2組は、香港のNTEC,琵琶湖の雄「琵琶湖ドラゴンボートクラブ」
が決勝進出を果たす、
最後の混合準決勝3組は、マカオのチーム、とダークホースの
京都の「すいすい丸」が決勝に進むこととなった。
ちなみに、マカオのチームの正式名は「Macao Polytech Institute
Dragon Boar Team」
大会アナウンサーの小川さんは、このチーム名をちゃんと言って
いたのだが、さすがに何度も噛みそうになったとようだ。
それに1チームならまだしも、同じレースに、他の長い名前のチーム
例えば「Freudengberg & Viline Dragon Boat Racing Team」や
「Southren Cross Dragon Boat Team 」まで居ると、
アナウンスも「パニックになりそうだ」とおっしゃっていた。
混合の決勝だが、国内混合最強の関西龍舟と海外強豪のマカオ
および香港チームの戦いになりそうな雰囲気であった、
ただ、他の国内強豪の東海龍舟、琵琶ドラも百戦錬磨のベテランだ、
そうやすやすと負けることは無いであろう。
混合決勝が始まった・・
海外チーム、とても速い!
「間ドラ」(関西龍舟)危うし。
しかし、関西龍舟は、今回は1チームのみの参戦だ、
通常、関西龍舟は、一軍である「バーバリアンズ」「シンバ」の2つ、
それから、新人を中心とした「プンバァ」そしてシニアの「ムファサ」
の最大4チームを運用できる大勢力のチームだ。
今回それが、1チームのみのエントリーということは、選抜メンバーで
混合の優勝にターゲットを絞ってきているに違いない。
関ドラ、海外2チーム、東海、琵琶ドラの5チームは序盤から中盤まで
ダンゴ状態で差がまったく無いレース展開となったのであるが、
中盤から関西龍舟がわずかに頭1つリートしてくる。
しかし、終盤まで、5チームがほとんど並走する形の非常に見ごたえの
あるレースとなった・・・
結果、ほぼ3秒差以内に5チームが入る接戦で
優勝は、わずかな差で関西龍舟、
2位にマカオ、3位に香港のチームとなった。
東海、琵琶ドラの各国内強豪は海外チームの後塵を拝する結果と
なってしまった。
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さて、次はいよいよ本大会の最終レース、オープン決勝だ。
決勝に残ったチームは以下の6つ、
国内最強の「磯風漕友会」、
外国人研修生による悲願の初表彰台を目指す「近畿車輛電龍」
マカオ(工科大)チーム
地元関西空港代表の強豪「関空飛龍A3500」
和歌山最強「熊野水軍」
香港(Freudengberg)チーム
この決勝でもやはり海外強豪(2チーム)の健闘が目立つ、
対する国内のチームは、まあ磯風は海外チームにも勝てると
思うのだが、他は海外チームに対し苦戦を強いられるかも知れない。
「近畿車輛電龍」が、今回も根性を見せて決勝にまで残っているのは
素晴らしい、悲願の初表彰台と行きたいところであろうが、だが、
状況はかなり厳しい。
「関空飛龍」は、この関空大会が始まった9年前からのチームで
あるが、もはやいつのまにかベテランチームとなっている、
主催者に近いスタンスであるから、関空大会には特に力を入れていて
例年決勝戦あたりまで進出できるのだが、「電龍」と同様に、
表彰台には僅かに及ばないことがほとんどだ。
「熊野水軍」は、以前の「椅子に座ったNECOO」のチーム名の
時代に、磯風にあと一歩と迫ったことがあるのだが、その時は、
何度か話題になっている、強風による高波水没状態でのレースで
あったので実際のところはなんとも言えない。
けど、熊野水軍は基本的に実力のあるチームで、各大会での
優勝経験もあり、海外チームにも対抗できる可能性はある。
しかしながら、今日の熊野水軍には、ちょっと不利な状況がある。
熊野水軍は、和歌山県田辺市の消防士を主力メンバーとするチーム
なのだが、今日8月26日は和歌山で防災訓練が行われている
ようで、主力メンバーの多くが大会に欠席しているようだ。
そういえば昨年の関空大会でも、熊野水軍は同様な状況に
なっていた。防災訓練が9月1日の防災の日ではなく、8月の
最終日曜に行われるために、同じ日程で開催される関空大会と
かぶってしまうのだ。
しかし、昨年は、そういっているうちにも、9月上旬に、和歌山は
台風12号の被害にみまわれた。大きな台風だったので被害等、
大変な状況であったと思うのだが、熊野水軍メンバー消防士が
災害復興に活躍したのは想像に難く無い。
熊野水軍はその後の琵琶湖大会にも主力メンバーの大半が欠場した
まま出場したのだが、まずまずの成績を収めたことをここに記しておく。
さて、いよいよオープン決勝戦がスタートした。
予想通り「磯風漕友会」が序盤から猛ダッシュ、
早くも独走状態になっている。
膨大な練習量と、強い精神力、それが磯風の本質なのであろう、
磯風はいかなる時も手を抜くことが無い、たとえそれが
ビギナーチームばかりの予選であっても、強豪揃いの決勝で
あってもだ・・
今日の関空コースは、午後から、比較的強い風と、潮の満ち干から
なる潮流の変化で、わりに強い向い潮となっている。
250mコース、平均優勝タイムは約1分であるが、条件が悪い為
予選から準決勝までで1分をきったチームは「磯風」のみだ。
現在時刻の潮流の状況では、各チームは約7秒ほど通常よりも
タイムが悪化しているので、さすがの磯風であっても優勝タイムは
1分ジャストくらいが良いところか・・?
磯風に続くは、海外の2チーム。
国内強豪チームが優勝して、他の入賞は海外チームのものとなる、
これは混合決勝とまったく同じ展開になってしまうのであろうか?
写真奥の「近畿車輛電龍」、外国人選手が多いので、海外チームと
どう区別するのか?という話なのだが、彼らは日本に住み、日本の
様々な大会に出ているから、まあ日本人と同じだ。
海外チームに一矢むくいて、是非とも悲願の初表彰台を狙いたい
ところなのだが、残念ながら中盤にかけて「電龍」の遅れが目立つ。
関空飛龍、熊野水軍も、磯風はもとより、なかなか海外チームの尻尾を
捉えることができないでいる。
1位磯風は早くもゴールイン、1分1秒と、1分は切れなかった様子だが
それでも他のチームを大きく引き離す圧勝であった。
2位はマカオで決まりであろう、磯風と6秒差でゴールイン。
2位にさらに6秒と、大きく差がついてしまった3位争い、
終盤で、香港チームに関空飛龍が追いつき、ほぼ同着のゴールだ、
混合、オープンの両カテゴリーで海外チームが2位3位という結果と
なるのか?、あるいは地元関空飛龍が意地を見せたのか・・?
審議(ビデオ判定)の結果、
3位、1分12秒48 香港チーム
4位 1分12秒88 関空飛龍A3500
終わってみれば、混合の、東海龍舟、琵琶湖ドラゴンボートクラブ
そしてオープンの、関空飛龍、近畿車輛電龍、熊野水軍
これらの国内強豪チームは、強豪海外チームの参戦により、
思わず、順位を2つづつ落とす結果となってしまった。
海外チームが来ていなければ表彰台だったのに、と思うかも知れない。
しかしながら、普段の国内の大会ではいつも同じようなチームで
優勝争いをしてきたのが、こうして海外のゲストチームなどが
参加することで結果的に順位を落としたとしても、色々参考になる
事は多いだろうし海外へと視野が広がることや、あるいは、新たな
モチベーションが沸いてくるのかも知れない。
負けたことで結果的に強くなる・・国内強豪常連チームのさらなる
成長が楽しみになってきた。
灼熱の関空島、今年の熱戦はここに幕を閉じた。
しかし、今年の「熱い季節」は、まだまだ続く・・