ひさしぶりに「島」に行きたくなった。
「島」と言っても無人島という訳ではなく、
人家があって、港があって、そこには漁船や連絡船が
行き来し・・
そうした島によくいる、人なつっこい「猫」にも会いたいし・・
さらには、珍しい生物や季節の花とか・・
まあ、そんな風に、のんびりとした初夏の時間を過ごしたい
という趣旨なのだが、問題は何処の島に行くか?である。
関西圏には、そうした「島」はあまり多くは無い・・
比較的容易に行ける場所として今回選んだのは琵琶湖にある
沖島(おきしまorおきのしま)である。
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JR東海道線を近江八幡駅で降り、そこから近江バスに乗る。
1日に数本しか無いバスで向かうのは琵琶湖畔の堀切(ほりきり)港。
観光地では無いので、休日とは言えど乗客は数人しか乗っていない
バスに揺られる事30分強、運賃も650円と結構高額になる。
堀切港につくと、やはり1日に数便しか無い沖島連絡船に乗り換える。
実は沖島に行くのは今回は2度目だ、連絡船は普通なら
ガラガラにすいているのだが、今回はたまたま観光客の
団体が乗り合わせていて、50人ほど乗れる連絡船は
ほぼ満席となっていた。
しかし、堀切港から沖島までの直線距離は2km弱しか無く、
連絡線の乗船時間はおよそ10分だ、無理に席に座る必要も
ないので、船の後部デッキから景色をながめるとしよう・・
乗船して数分すると島の様子が見えてくる。
この景色は以前、琵琶湖のヨットレースに同乗して撮影した
時に見た景色と同じだ。
その時に聞いた(見た)話では、琵琶湖には4つの島があると言う。
この沖島の他には、竹生島(ちくぶしま)、多景島(たけしま)
そして、沖の白石である。
竹生島には西国三十三箇所の霊場であるお寺があり、多景島
にも寺や行場があるのだが、人は住んでいない。
また、沖の白石は単なる岩があるだけで人が上陸する事も難しい。
唯一の有人島なのが「沖島」で、湖上にある有人島は日本国内を
見渡しても、なんと、この「沖島」しかないとのことだ。
午前10時半、沖島港に到着した。
乗船料は500円、ちなみに島の住民は料金が安くなるようだ。
沖島の住民は400人くらいと聞いている、
この沖島の住所は「滋賀県近江八幡市沖島町」である。
島の住民の主要な移動手段は自転車だ、特に三輪自転車が
海産物や農作物などを荷台に乗せて運搬するのに便利な為に
普及している様子だ。
車やバイクなどが走っている所を見ることは無い、
島を歩いていても、廃車となって朽ちている数台を
見かけるくらいだ。
まあ、ガソリンスタンドも無いし、フェリーがあるわけでも
無いので、住民の自家用車はすべて本土側の堀切港にある
駐車場に留めてあるようだ。
島の主要な産業は勿論漁業である。
漁船等の船の数は非常に多く、港周辺に数百艘が停泊している、
少なくとも戸数(百数十戸)より多く、住民の数(約400)に
迫るくらいの船を見かけることができる。
漁業には全戸数の約7割が従事しているとのことだが、
他の産業としては、佃煮などの水産加工食品を作っていたり、
観賞用の花などを育てる農家もある様子だ。
さて、では早速「島」の散策といこうか・・
そうそう、一緒に島に降りた団体観光客の数十名は
12時の船便で本土(滋賀県近江八幡市)に戻ると言っていた。
沖島には一般的な観光資源があるわけではないので、
1時間半くらいの滞在時間でも十分なのであろう。
こちらは今日は一日この島で過ごす予定としているので
帰路は4時発の船便にするつもりだ、その便だと、堀切港からの
少ないバス便とも上手く連絡していてJR近江八幡駅に戻るには
最適だ。
撮影散歩としてたっぷり5時間半程の時間がある、この島には
食事を取れる店舗などは殆ど無いのだが、本土でおにぎり等の
お弁当を買ってきてあるし、飲み物は、この島にも2~3箇所に
自動販売機があるので心配は無い。ちなみにトイレも沖島港に
1箇所あるし、島の何処へ行っても港には30分もあれば戻って
こられるので散策において何も問題は無い。
それにしてものんびりしている・・
島の様子(地理)は2回目ともなれば、だいたいわかっている、
慌しく行動する団体観光客との接触を避けて、島のはずれに向かう、
場所を変えれば、すでに住民以外の人は殆ど見ることが無いのだが、
午後になれば、先ほどの団体観光客は皆帰って行くと思うので、
さらに静かになると思われる。
沖島の施設だが、港、資料館、郵便局、神社が2つ、お寺が2つ、
小学校、小学校跡(現在は見れない)、浄水場、民宿2軒、
店舗2~3軒、飲料自動販売機が4台程と、まあ、そんな感じだ、
観光名所を期待して来ているわけでは無いので、これらの施設を
見てまわる必要も無い、ただ、丸一日、島の中を歩いていれば、
自然にこれらの全ての場所を通ることにもなる。
ともかく、今日はゆったりとした時間を過ごしたいために
「島」に来ているのだから、あまり「何処そこへ行くぞ」とか
決めずにブラブラと島の中を巡ってみるとしよう。
長くなってきたので「後編」に続く・・