4月8日に行われた今年最初のドラゴンボートは、大会ではなく、
大阪府ドラゴンボート協会(ODBA)の主催する花見クルーズ・イベント
「ドラゴンさくら」だ。
今年は3月の寒波で桜の開花が例年より遅く、4月8日となっても
大阪・大川沿いの桜並木は、5~6分咲きにとどまっている。
しかし、遠目で桜を見れば、まばらなつぼみも見えず、もう十分に咲いて
いるようにも見える。
大川(旧淀川)は大阪の水運の大動脈だ。
・・とは言え、花見シーズンの最初の休日ともなれば、水運と言っても
ほぼすべてが観光用で、大型から中型小型の各種水上バスが、ほぼ5分おきに
ひっきりなしに運行している。加えて、世界唯一とも言われている
「水陸両用バス」まで走っていて、まるで陸上と同じような渋滞模様だ。
ドラゴンボートも、これらの公共水上交通を優先して回避するように
クルージンクしていく。
そして、今日の大川にはさらに混雑を招く原因が・・
数十台からなる水上バイク(ジェットスキー/マリンジェット)が猛スピードで
爆音を上げながら大川を行ったり来たりしている。
水上バスやドラゴンボートと衝突事故を起こさないかと見ていてヒヤヒヤものだ、
ドラゴンに随伴するレスキュー艇は、今回水上バイクを最も警戒していたとの
ことだが、まあ、水上においても、陸上同様に交通マナーやモラルを守って
運転してもらいたいものである。
ちなみに、今回、特に無事・安全にイベントを終了できたのも、ODBAの
レスキュー艇「さくら」の艇長氏のおかげか・・
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さて、今回ドラゴンの出発と到着は、中之島にある「ローズポート」と呼ばれる
船着場から発着している。 ちなみに中之島のこのあたりはバラ園(無料)が
あって、開花時期には多くの観光客でにぎわう。
ローズポート前には大阪府ドラゴンボート協会の本部テントが設置されていて
そこで受付や各種連絡を行っている。
「匠さん、これ当たりました!」 協会本部、受付の女性が嬉しそうに言う。
「ほう・・ これはコカコーラの当たり缶ですね」
「当たると、自動販売機から、続けて出てくるんですよ!」
「へえ・・ その場で当たるんですか。 何が入っているんかな?」
「じゃじゃ~ん!」
「これは・・ 小型スピーカー? へえ、結構いいものが入ってますね」
・・というやりとりを、朝の段階でしていたのを思い出す。
その時点では、まだ寒かったのが、昼間になると大阪はぐんぐん気温が上がり、
20℃を上回る勢いだ、大川にかかる橋から橋の間の距離は各々約500m、
それらをドラゴンの運行に合わせて移動しながらの撮影だ、当然、喉も渇くが
大会の時のように会場内にスポーツドリンクなどが用意されているわけでは
なく、自動販売機で飲み物を購入しながらの移動となる。
何か当たらないかなあ・・と都度コインを入れてボタンを押すが、なかなか
自動販売機の景品は、そう簡単には当たらないんだよね・・・
けどまあ、大阪の街の風景には川は切っても切れないように思える。
観光客の目線や、あるいはTVで紹介される大阪という街は、道頓堀や
新世界といった繁華街と、そのコテコテの雰囲気が強調されているように
思えるが、そこに暮らす人々にとっては、川のある風景というのが
大阪という街の原風景になっているのではなかろうか?
このブログで以前何度か紹介したことがあるが、大阪には「渡船」という
公共の乗り物もあり、橋が無い場所や徒歩では渡りにくい橋などで、市内
計8箇所、すべて無料で毎日、1時間に数本づつ運行している。
渡船は、大阪府民でも知らない人も多数で、旅行客や地元民にかかわらず
友人などを連れていくと、また大阪の別の側面が見れた、と喜ばれる事が多い。
それから、大阪とならぶ関西の大都市であり観光都市の京都も、県外の人は
意外に思うかも知れないが、私の感覚では、やはり川の風景が似合う街だ。
京都では、賀茂川と高野川が合流し、等間隔カップルで有名な鴨川となる。
名勝地・嵐山には桂川、十石舟が行き交う宇治と伏見には宇治川が、
そして東山には琵琶湖疎水が流れる。
京都の観光地・名勝地にも川の存在がかかせない。
京都と大阪を結ぶ京阪電車の車内広告「あの日に帰りたい」シリーズにも、
京都の原風景として宇治川のあたりの風景をレトロなイメージで表現している。
下って、八幡市、明智光秀が秀吉に敗れた天王山あたりでは、桂川・宇治川
そして木津川が「三川合流」して淀川となり、これが大阪の、ここ「ドラゴン
さくら」の開催地の大川の源流となっている。
そして午後3時、3便すべてのクルージングが終わり、最終便のボートが
中之島ローズポートに帰還してきた。
こちらの移動距離は、京阪電車の駅で言えば、北浜・天満橋・京橋までの
往復+αくらいなので、約6kmくらいか・・
撮影機材は小型軽量一眼とミラーレス一眼を使って軽量化しているので
どうという事はない、あまり重たい機材を持ち歩くと、横着して
動かなくなってしまうので、できる限り軽量化が望ましい。
ローズポート本部に帰ると、差し入れのシュークリームやイチゴ等が・・
なかなか美味しそうですね、いっただきま~す。
さて、「ドラゴンさくら」イベントはこうして無事終了、
ぼちぼちドラゴンボートの各チームも、シーズンに向けて練習を
スタートしていることであろう、今年も色々な場所で繰り広げられる
であろう熱戦が今から楽しみだ・・