
写真はPANASONIC LUMIX DMC-G1 に
KONICA HEXANON 40mm/f1.8レンズを、マウントアダプター
AR→マイクロフォーサーズを介して装着した状態である。
2008年に突然マイクロフォーサーズが発表され、
そこからあまり日をおかずにG1が発売された時は少し驚いた。
まず、思ったことは、「フォーサーズがあるのに、なぜまた
マイクロフォーサーズを作るの?」という素朴な疑問であった。
マイクロフォーサーズの仕様を見ると、ミラーを廃し、小型化
を狙ったとのことである、結果、光学ファインダーは使えず、
背面液晶によるライブビューまたはEVF(=電子ファインダー、
PANASONIC では LVF=Live View Finderと呼んでいる)
専用機となる、その点は、MFでの利用が多い私のスタイル
では合わないかな? と、当初はあまり気に留めなかった。

(G1+HEXANON AR40/1.8)
しかし、考えてみるとミラーが無いということは、シャッター音
全体も皆無に近い小ささではなかろうか? と思い直し、
「これは、舞台撮影とか結婚式の撮影で、シャッター音が
気になる状況ではかなり有効かもしれない」と考え、
G1が発売されるとすぐ量販店に行き実機を触ってみた。
結果、ミラー音は無いがシャッター音自体は残っていて、完全な
静音というわけではなかった。このレベルだと静かな舞台などで
「カシャ」とやると、観客や参列者がいる状況では気になるので
この時点で一度マイクロフォーサーズに関する興味は失せた。
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しかし、昨年の暮れ、ひょんな事からG1の開発にかかわった
数人の技術者と話をする機会に恵まれ、様々な技術的な内容を
伺うことができ、後発のカメラメーカーであるのにもかかわらず、
カメラや写真の事、良くわかっているな、という好印象を受けた。
パナの工場からの帰り際、挨拶がてら技術者の方に聞く
「そういえば、カメラの色、赤と青があるらしいですが・・」
と、実はちょっと否定的な意味合いもあった、量販店で見たのは
ノーマルな黒であり、カタログなどで見る赤と青のボディには
ちょっと従来のカメラのイメージとの違和感があったのだ。
「いや、赤は是非実物を見てくださいよ、なかなかですよ・・」
との返事。

(G1+HEXANON AR40/1.8)
それから数ヶ月・・世間ではG1、いやマイクロフォーサーズの
評価が変化してきているという情報がいろいろと入ってくる。
1つは、小型化やボディ色により、女性やビギナー層にG1が
なかなか人気とのこと、まあでもこれはファッション的な要素
があるので、そういう層に対して流行れば流行るほど興味が
なくなるのがマニア心理というものだ(笑)
もう1つは、マウントアダプターが色々出てきたこと。
「しまった、こっちの方向があったか!」
私は結構慌てた・・ フランジバックが従来の一眼レフより
極端に短いマイクロフォーサーズにおいては、オールドレンズ
やレアなレンズに対するマウントアダプターが作りやすく、
たとえば今まで補正レンズを使わざるを得ない状況で、遊び
意外の目的には使えなかったキヤノンFDレンズやミノルタ
MDレンズというマウントまで実用的に使えるレベルとなる
アダプターが出てくる(いや、すでに出ている)という事だ。
G1が欲しい・・ いや、正確に言えばG1に装着できるで
あろうマウントアダプターが欲しい(笑) でも、人気カメラ
なのでまだ新品価格は高価だ、中古もほとんど無く、あったと
しても相場も高めだった。

(G1+HEXANON AR40/1.8)
ちょうどそのころ、オリンパスよりE-P1 (ペン・デジタル)が
発表・発売された、なかなかインパクトの大きいカメラだ。
そして最近E-P2が発表され、こちらはEVFが搭載可能という。
さらにG1も進化し、動画撮影可能なモデルが次々と出ている。
「これは、ぼちぼち良いタイミングだ、世間はそれらに
注目するぞ、しかもペンは基本はライブビュー機だし、
動画は撮らないし、EVFが最初から入っている初期の
G1を買うなら、今しかない・・」
値段が下がることのメリットと、商品価値が古くなること
のデメリットのギリギリのタイミング選択だ。
で、量販チェーン店のG1の中古在庫をネットで調べて
早速連絡、取り寄せてもらう、2日で入ってきた。
「さて・・ 値切りは効くかな?」
大阪人にとって値切り交渉は買い物の常識であり、そうした
交渉は客にとっても店にとっても一種の楽しみやゲーム的な
ものとなっていると言えよう。そこが大阪の文化が他の地域
とは根本的に異なる1つのポイントだ。
中古価格は税込31800円、まあこのままでも十分に安いが・・
店に行って現物を見る。
中古専門店なので、夜には仕事帰りのマニアでいっぱいだ、
男性店員は、あるマニア客の質問責めで対応が忙しい様子、
(そんなつまらない質問を・・ ネットで調べろよ。
いや、単にカメラ談義の相手が欲しいだけなのか・・?
困ったなあ、こっちは早く買って帰りたいのに・・)
そこでまずは店員のオネイサンを見つけて、
匠「G1の取り寄せをお願いしていたものですが・・」
姉「あ、これですね。店長は後で来ますので中身ご確認ください」
匠「はい・・」と中をチェック。 発注したとおりの赤ボディだ。
姉「あ、ワインレッド!、おしゃれですね~」
匠「へへ、そうでしょう」 やっぱり女性に人気があるのか。
G1開発者自らがオススメの赤ボディだ、そういう意味でも
今回は赤の中古に絞って探してみたという事だ。
しかし、むむ・・このG1、本体も付属品も全部未開封ではないか、
これは新品だな、いわゆる「ワケ有り流通品」だな。
事情(店舗の倒産とか在庫整理とか)があって、新品の在庫を
あえて中古扱いにして安価に流通させる。新品をそのまま値下げ
して売ると、市場が混乱するからね・・・(注:保証書は抜く)
その証拠に、G1本体のみの購入なのに外箱はレンズキットの
もので、チグハグではないか。
いちおうバッテリーを入れて、メニューのカスタムファンクション
で「レンズ無しレリーズ」をONとして、EVFを覗きシャッター
を1、2枚切ってみる。 勿論何も写らないが、いちおう一連の
動作は正常な様子だ、新品ならば、これ以上の詳細チェックは不要
であろう・・・ あとは値段だけの問題か。
手があいた主任(副店長)クラスと思わしき男性の店員に聞く
匠「あの~以前ネットで見たとき、これ29800円の値付けでしたが・・」
男「これは他店から取り寄せた物なので値段は変えられないんですよ」
匠「ふ~ん、そうですか・・」
いや、たぶんその29800円は別の個体かもしれない、ただ赤ボディは
数が少なく、私が発注した直後にWebからその情報は削除されている。
違う個体であれば値段が異なるのも当たり前だが、もしかすると
同じ個体を高く売ったという可能性がまったく無いわけでもない。
元々ワケ有り商品だ、値段なんて適当だ、もし、まけてくれるので
あれば・・いちおうそのあたり値下げ希望を言うのは損には
ならない、ダメもとだし。
そこに店長が帰ってきた様子だ。
主任さんと思われる男性店員が店長に価格の件をそっと耳打ちする。
長「値段ですよね・・いや、私も確か29800だったように覚えてますが」
匠「そうですよね・・いやあ、取り寄せ発送料に2000円かかるのかと
思いましたよ」(これは場を荒立てない、柔らかな値引き交渉)
長「あはは・・ それは無いですよ。
ちょっとまってくださいね、取り寄せたお店に確認しますから」
電話をかけてくれる様子だ。
『・・・あ、そうです、赤のG1,ニーキュッパじゃなかった
でした? うん?・・いやあ、今お客さん来れられているんですよ。
じゃあ、もうニーキュッパで売ってしまいますよ、いいですね?』
なんか、ちょっとした交渉があった様子だ、というか元々31800円の
個体であったのであろう・・(汗) でも店長もさすが大阪人、
それこそ値切り交渉はプロだ、ワケ有り流通在庫という事も勿論
わかっての強気交渉であろう、安心してやりとりを聴いておく。
長「あ、OKでした(笑) 29800円で結構ですよ、
ただし、この箱、キットとなってますが本体のみですので。」
匠「お手数をおかけしました、ありがとうございました。」
結果、自分では何もせず、店長に値切らせたこととなった(笑)
さて、これで購入決定だ、主任さんの方に向かって。
匠「じゃあ、これ買います、あ、このポイントカード800円ほど
たまっていると思いますので、その分も引いておいてください。」
(こ、こいつ、値切りのプロか・・? という顔つきで見られて
しまった・笑、まあ、この店では過去3回くらいしか買って
なかったので、いずれ常連になれば顔を見ただけで値下げして
くれることになるだろう・・笑)
結果、29000円で無事G1の新品を入手した格好となった。

(G1+HEXANON AR40/1.8)
G1無事購入、この結果を予定して(笑) 実はすでに2日前に
マウントアダプターを2個発注してあった、それらは明日郵便で
送ってくる予定だ。今日明日は本体の動作を取説で確認して
おくこととしよう。おっと、それと(中古)デジタルカメラを
買ったらまず、ファームウェアを最新の物にバージョンアップ
する事も忘れてはいけないな・・
帰りの電車や翌日の通勤電車の中で取説を熟読する。
仕様的には、さすがにカメラの事を良くわかったチームの設計に
より、全体によく出来ているが、1点気になる点があった。
それは露出補正の操作だ。 このG1に限らず1ダイヤル方式の
普及デジタル一眼レフでは、絞り優先モードでは、ダイヤル操作が
絞りと露出補正を兼ねることとなる、その切り替えが1ステップ
増えるので面倒だということだ。(この問題の解決は後述する)
露出補正操作はビギナー向けのカメラでは現在はほとんど
重要視されない機能となっていて、これはまあ、明るさに
関しては撮りなおしたり、PCで調整したら良いという考え方
からだろうが、銀塩かつリバーサルなどから写真を始めた
人達においては、露出補正は極めて重要な操作であり、
リバーサル同様にラティチュード(Dレンジ)の狭いデジタル
写真においても、同様に重要な操作だと私は思っている。

(G1+HEXANON AR40/1.8)
で、1ダイヤル操作式カメラでは、通常の現代のレンズを使う
際は、絞り優先モードではダイヤルは絞りの制御を兼ねるので
切り替えは必須だ。仮に、Pモード(プログラム露出)で撮る
場合は、露出補正よりもプログラムシフト(絞りとシャッター
速度の組み合わせを変化させる)の方が重要な要素であるから、
やはり露出補正を直接1つのダイヤルに割り振ることはできない。
しかし、オールドレンズをアダプターを介して使う場合は
状況が異なる、この場合、絞り優先モードに設定しても
実絞り込み測光となる、具体的には絞り操作はレンズ側で
行うこととなるので、カメラ本体のダイヤルは絞り操作を
行う必要がなくなる、つまり余る、そしてこのダイヤルに
露出補正操作が直結できればベストとなる。
2ダイヤル式のデジタル一眼レフ(各社中級機以上)であれば、
1つのダイヤルを露出補正に割り振ってあるのでアダプター
使用時も非常に快適だ、ただ、この場合、もう1つのダイヤル
が余ってしまうことになるのだが・・
(そこにISO設定を割り振れれば文句無し)

(G1+HEXANON AR40/1.8)
ちなみに、実絞り込み測光は光学ファインダーでは被写界深度
の確認ができるものの、絞りこむとファインダーが暗くなる
ので、状況によっては使いにくい。 ただ、EVFや液晶での
ライブビューにおいては、絞りによる光量の変化は出ないので
かなり見やすくなる。
(ただし暗い場所では明るすぎて違和感がある(自動輝度補正
を今度試してみるつもり)あとデジタルゲイン設定が高めになり
モニター画像がノイジーになる、勿論これは実写上では問題無し)
さて、露出補正はG1の場合、前ダイヤルのプッシュ操作で
絞り操作と露出補正を切り替えることとなる、一見容易なの
だが、コンパクトではたまにあるものの一眼レフではそういう
操作系のものは殆ど無いので、慣れないのでやりにくいのでは
なかろうか? という点が気になったポイントであった。
露出補正操作方法の切り替えはカスタムファンクションに
あったので、ここで、前ダイヤルをプッシュしなくても露出
補正に切り替わるように操作方法を変更できれば良いのに・・
幸いにしてG1のファームウェアのアップデートは頻繁に
行われている様子なので、知り合った開発メンバーの方に
メールでも送ってみようか? 実際に撮影で使ってみる前は
そう考えていた。

(G1+HEXANON AR40/1.8)
あと残る問題はEVFでオールドレンズでのMF操作が
できるかどうか? という点だ。
G1のライブビュー液晶の解像度は約46万画素だそうだ、
これでは大口径レンズなどでのピント合わせには物足りなく、
結局EVFでMF操作をすることになる、他のEVFカメラで
90万画素相当の物を使っているが、これでもやや不足
に感じる、G1のEVFは液晶の約3倍の144万画素相当と
いうことなので、まあこれなら大丈夫であろうと予想する。
なお、EVFや液晶ライブビューではMF時に拡大操作が
可能なカメラが殆どであるが、そこに切り替える操作自体が
余計だし、デフォルトは中央部を拡大するだけなので、
そういう中央に被写体を置くような構図でばかり撮るような
こともしないので、仮にMF時の拡大場所の位置決め操作が
あったとしても余計に手間がかかるだけで意味が無い。

(G1+HEXANON AR40/1.8)
さて、アダプターも到着し、さっそくコニカARレンズを
着けて撮影に行ってみることにしよう。
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コニカARレンズとは、約40年前にシャッター優先AEを
搭載して発売された コニカAUTOREX の頭文字から称された
レンズである、機能的には最小絞り値より1つ奥にAEまたは
EEと書かれたポジションがあり(注:EE=Electric Eye は
AE=Auto Exposure の旧呼称)そこに入れるとボディ側の
機能と連動してシャッター優先AEが効くという仕掛けだ。
(シャッター優先AE時は絞りは自動となるので操作不要)
で、マウントアダプターで使う際に問題になるのは、そのEE
(AE)ポジションだ。 EEポジションにいったん入るとロック
ボタンを解除しないかぎり通常の絞り値を使うことはできない。
近年のレンズ(たとえばPENTAX FA Limitedシリーズなど)では
これは逆で、ロックボタンを「押しながら」絞りを回さない
限りはA(自動露出)ポジションに入らないようになっていて
安全かつ合理的だ。 ただ昔のレンズなのでそれを言っても
始まらないが、具体的には、絞り込み測光の操作をしていて、
絞りこんでも液晶ライブビューやEVFの明るさはかわらず
絞り値も電子情報の伝達が無いからファインダーなどでは確認
できない状態で、EEポジションに入ってしまうと、もう絞りが
回らず「あ、しまった」と言いながらロックボタンを解除して
通常動作に戻す必要が出てくる。
「まあ、注意して使うしかないか・・」まさにそうなのだが。

(G1+HEXANON AR40/1.8)
さて、ARレンズは HEXANON という風にも呼ばれている、
ヘキサノンのヘキサは6という意味であり、これはコニカが
古くは明治時代より、小西六兵衛店から、小西六写真工業
と商号を変えてきた経歴があり、その六(六兵衛)から
ヘキサとなって、近年のコニカ(現コニカミノルタ)に
おけるヘキサノンやヘキサーという名レンズ、名機を生み
出す元となったという歴史がある。
ヘキサノン(HEXANON)というレンズは光学的に優れた設計
のものが多く、主にコニカ時代の優秀なレンズとして一種の
(高級な)「ブランド」であったように思う。
ヘキサノンARは使用環境の制限(ARマウントボディが
数限られていたこと)もありユーザー数はさほど多くは
無かったが、1990年代後半よりRF機ヘキサーと同時に
開発されたライカMマウント互換のMヘキサノンあたりは、
マニアにも好評で、これは未だにそこそこ高値で中古も
流通している状況である。
従来、ヘキサノンARをデジタルで使う手段は殆ど無かった。
ARマウントを改造することで、フォーサーズで使える
という噂はあったが、実際にそれを行っていたのは
ごく一部のマニアだけであったように思える。
ヘキサノンARが使えるアダプターが今回マイクロフォーサーズ
用として市販されたことにより、これまで使えなかったレンズ
群が現代によみがえることとなった。
さて、ARマウントの代表的な名玉というと、まずはAR 40/1.8
これは変形ガウスタイプの(=テッサータイプではない)
準標準、準パンケーキレンズとなる。
他にも 57/1.2とか、57/1.4,52/1.8,35/2.8や200/3.5など
興味深いレンズが多々あるのだが、今となってはかなりレアで
集めにくいのが課題。まあ、マイクロフォーサーズで使うならば、
銀塩ARマウントカメラを単体で使う場合とは異なり、
広角から標準、望遠までずらりと単焦点レンズをそろえる
必要は無く、適当に面白いと思ったレンズをピックアップして
使えば良いということになる。

(G1+HEXANON AR40/1.8)
AR 40/1.8レンズだが銀塩時代の評価とは若干異なり、
デジタルで使う上では、従来言われていた繊細な描写と
いうのは、画像処理エンジンやPC上でのレタッチに
より、いくらでも派手で毒々しい描写に変わってしまう。
G1では、普及機という性格上からも、また現代の写真
の一般層の好みの変化により、若干派手目なセッティング
がなされているように感じる、機能上の特徴である
「フィルムモード」(プリセットされたパラメータ)も
しかりだし、よくある彩度、コントラスト、シャープネス
というセッティングも5段階あるうちの「0」に設定した
からと言って「画像処理を何もしない」というわけでも
なく「5段階の中間程度」の画像処理を行っている、
という風に思っていたほうが無難であろう。
それから、よく言われる収差の類であるが、歪曲収差と
いうものは、広角のズームレンズでは問題となるが、
こうした標準より長い単焦点レンズではまず出ない、
撮影画像周辺の収差(流れる、乱れる)や周辺光量落ち
なども、銀塩レンズのフィルム面に対する光束と、
その1/4程度しか面積が無い(マイクロ)フォーサーズの
撮像素子に対する光束とでは、周辺が写りこまない分
ほとんど問題にならないであろう。
球面収差によるハロ(フレアの一種)はプラナー系レンズ
(ガウス型)では良く問題になったようだが、まあこれは
現代のレンズではまず起こらないものの、古いレンズでは
それによってピントが甘くなるように感じる現象は
避けにくい、気になるのなら、被写体を選ぶか、撮った
後で選ぶか、レタッチでできるだけ目立たないように
加工してしまうというのもありかもしれない。
(ちなみに今回掲載の写真は、ほぼノーレタッチであるが
画像処理エンジンを通す以上、レンズの性格に何も手を
加えていないという訳ではなく、比較はほとんど無意味)
まあ、だとすると、描写力に関してはどうしてもボケ質などに
着目点が変化するのだが(=レタッチではボケ質は変えにくい)
ガウス型の特徴(弱点)の1つとして、ある撮影条件において
ボケ質が悪くなる、というのがある。
これは単純に絞り値だけで決まるものではなく、絞り値と
撮影距離(背景距離や前景距離、あるいは被写体との距離差)
また、背景の模様などが、悪い条件として揃ってしまうと
ボケ質に滑らかさが欠け、なんだか、ゴチャゴチャとした、
という印象になってしまうことがある。
標準レンズやツアイスで言うところのプラナー型(ダブルガウス)
を使っていると、この「悪いツボ」にはまる事が良くある。
EVFで、ある程度この状況は見える、しかし、縮小モアレ
=干渉縞、が出ているだけという場合もありえる。
特にG1のLVF(EVF)では最高120fps(1秒あたり表示コマ数)の
高速表示なので、逆に言えば画像縮小アルゴリズムが単純間引き
や、ニアレストネイバーなどの比較的簡略化されたものを使って
いる可能性もあり、それらは表示は速いが、画質は乱れやすい。
結局、EVFではわからないので撮影画像を見ないと判断できない。
で、最初からどの絞りで撮ろうがボケ質が悪い、というのなら
まあ性能の悪いレンズとして、ある意味納得もできるのだが、
名レンズと呼ばれることの多い、プラナーや各社標準レンズに
おいても、多くの条件でとても良い写りをするのに、ある条件で
急にボケ質が乱れる(=破綻する、と言っている)のは、どうも
使いにくさを感じることがある、もっとも、それがほとんど無い
ようなレンズも世の中には存在するのだが、そういうレンズを
使うと「優等生的でおもしろくない」とか思ってしまったり、
そういう評価が出てしまったりするのだから、マニア心という
ものは複雑怪奇なものだ・・(苦笑)

(G1+HEXANON AR40/1.8)
そして実写していて気がついた、
嬉しいニュースであるが、前述の露出補正切り替えの件、
アダプター装着時は前ダイヤルをプッシュする必要が無いのだ。
おそらくレンズから電子的に絞り情報を得ることができないから
当たり前というなら当たり前の事なのだが、凡庸な技術者なら
「情報が無いからエラー、すなわち効かない」とプログラミング
してしまうであろう。 それを「情報が無ければ露出補正」に
わざわざ割り振るということは、これは開発側は声を大にして
言うはずは絶対無いが「マウントアダプター利用」も重要な
開発コンセプトとしてあげているのであろう。
これであえてメーカーにリクエストをする必要は無くなった。
左手で絞り値、右手指でダイヤル操作による露出補正が
ダイレクトにできる、これは快適だ。
その他、連写モード時にオートレビュー(自動再生)が極端に
短い時間しか働かないのはG1の欠点ではあるが、まあこれも
単写モードに切り替えるか、もしくはいずれバージョンアップで
改善されるかもしれない。
HEXANON ARレンズはAR 40/1.8以外にも、まだ色々保有しているし
もう1つのアダプターもまだ遊んでいない、それ以外にも
様々なアダプターがあるので、こりゃあ、当分G1と、死蔵して
いる銀塩レア・マウントのレンズ群で遊べそうだな・・