さて、第6回関空ドラゴンボート大会の日がやってきた。
ここのところずっとドラゴンボートの記事ばかりなのだが(汗)
実際のところ今年は7月~9月まで、ほぼ毎週、どこかで
ドラゴンボートの大会があるので、まあ連チャンもしかたない。
関空大会は、関西空港の開港10周年(2004年)を記念して
スタートし、今年で6年目となる大会だ、従前からある1期島と
最近整備された2期島との間にある水路をコースとして行われる。
まあ言ってみれば関空の心臓部を利用しての大会であるから
当然、関西空港側の全面協力が必要となる。
幸いにして関空株式会社の以前の社長さんも、最近就任した
新社長さんもドラゴンボート大会に好意的で、開会の御挨拶も
していただき、レーズもずっと御観戦されているという状況だ。
さて、関空大会の見所といえば、まずなんと言っても
「美女の選手が多い事」(笑)
こちらは、チーム「沖崎組」の美人選手の方々。
建設関係という事で、男性メンバーは、それなりに屈強な
コワモテ選手を揃えていて、その対比がなんとも不思議。
勿論男性選手達の写真も撮っているのだが、やっぱ、どちらを
選ぶか?と聞かれたら、間違いなく美人選手達ですよね(笑)
この大会で美人が多い理由は、空港関係者が多く出場して
いるからという事がある、JALやANAやキャセイパシフィック
等の航空会社から非常に多くの女性選手が参加していて、
その他にも関空関連の綺麗どころの宝庫という状態だ。
なので、このブログでも以前より関空大会では「美女シリーズ」
を何度か特集していて、特にドラゴンボート選手や関係者の間で
話題となっている。 色々なチームで「今度はオレも載せて」と
言われるのだが「美女特集を組もうとしているんですが、どっちが
いいですか?」と聞くと 「あ、やっぱ、美人を載せて!」と
皆、簡単に意見を翻す(笑)
けど、ちょっと今回の関空大会は別の意味で興味深い要素が
いくつかある・・ まあ、それは追々説明していくとしよう。
さて、予選開始・・
第一レースおよび第二レースに出場する合計8艇は、開会式の
際に「入魂式」というドラゴンの目を朱で塗る儀式があるので
既にレース前から乗艇している。
これはこの大会に限らずどの大会でも出艇数は違えど同様だ。
で、第三レース出場チームはすぐに乗艇待ち状態で待機、
なので、この段階で話しを聞く事ができるのは第四レース以降の
出場チームとなる。
第四レースには、ベテランの打艇(だちょう)龍舟倶楽部がいる、
乗艇待ち1つ前で集合しているところに出かけて話を聞く。
匠「ダチョウさん、この予選はどんな感じですか?」
打「ANAさんとFUJI DRAGON ですね・・あとTILT+3.0には
勝ちたいと思います。」
匠「まずは1位抜け狙いという事かな? ところでTILTさんって
どういう意味でしたっけ? 傾く? 何が傾くのだろう?」
打「はて・・・?」
匠「あ、じゃあ、ちょっとあっちで聞いてきますね~」
で、早速「TILT+3.0」さんのところにお邪魔する。
匠「TILT+3.0さん、なんだかダチョウさんが注目してましたよ」
T「え~? そうなんですか? よし、頑張ろうっと!」
匠「ところで、チーム名、どういう意味でしたっけ?」
T「あ・・これね、ちょっとややこしくて・・
競艇のプロペラありますでしょう?」
匠「ふむふむ・・・」
T[そのプロペラのピッチがいくつかありまして、TILT+3.0は
一番高速側の仕様なんですよ。」
匠「ああ、なるほど・・ つまり、速いぞ! という意味ですね」
T「あはは、まあ、そういうわけでして」
チーム名の付け方というのは、ほんと、どこも個性的だ。
協会から貰ったチーム組み合わせ表を見ていると、色々な名前が
目につく、その中でも一番目立ったのは、チーム名「森本愛美」
匠「なんじゃあこれは? 森本・・ まなみ? めぐみ?
これって、何? アイドル女優? いや、そんな人はいないなあ・・
じゃあ、まさか個人名のチームなの? いったいそれって・・?」
実は、この「森本愛美」がこの関空大会の台風の目玉になるとは・・
この時点は予想もしていなかった。
そして、今回のもう1つの台風の目玉。
女子超強豪チーム「スーパードルフィン」が眼前を駆け抜けて行く。
匠「あ、ドルフィンだ・・」
まあ、様々な大会に出場し、女子の部で連覇を重ねるドルフィンの
姿は別に珍しいものではないし、その点、気にも止めなかったので
あるが、よ~く考えてみると、なんだかおかしい。
ちょっとして気が付く・・
匠「へ? 今回この関空大会では女子の部は無いぞ・・
スーポードルフィン、いったいどうするんだ?」
いくつかの強豪チームに挨拶しつつ、事前に軽く事情聴取(笑)
すると、やっぱりスーパードルフィンが、通常は男子ばかりの
「オープン」の部に出場している事があきらかになる。
しかもチームの実力面から考えて上位に入賞する可能性が高い。
さすがに世界大会にも出場するドルフィンであるから、国内強豪
男子チームですら、歯が立たないかも知れないわけだ(汗)
過去、女子がオープンで男子チームに混じって入賞したケースは
ドルフィンのライバルの「河童」が和歌山大会で、「椅子に座った
NEKOO」と「金竜隊」の2強に続き3位入賞したのを見た記憶がある。
今回のドルフィンも、兄貴チームである男子超強豪「磯風漕友会」に
続けとばかり、兄妹ワンツーフィニッシュを狙ってくるのだろうか?
ドルフィンは練習(準備運動)中なので「磯風」に足早に向かう。
匠「磯風さん、ドルフィンが今回オープンに出るんですね!」
磯「あ、匠さん、まいどお疲れ様。今回はボク達の取材はいいから
むしろドルフィンを応援してあげてください、だいぶ気合を入れて
練習してきているので、きっといい結果を出しますよ!」
匠「了解です、楽しみですね!」
ドルフィンが集り円陣を組む、奇声をはりあげ周囲を圧倒するのは
女子チームが気合負けしない為の常套手段であるのだろう。
それに良く見ると、単に円陣を組んでいるのではなく、色々と
考えての行動なのかもしれない。 たとえば、ここは大会本部の
目の前であり、色々なチームが用事や情報収集に訪れる場所、
わざわざここで円陣を組むという事は周囲に自らの存在を
アピールする頭脳作戦。さらに面白い事に、ちょうど背後に
居たのは男子オープン強豪「椅子に座ったNEKOO」の面々。
すなわち、今回の大会でのオープンの部でのチームの実力を
私なりに評価すれれば、1位=磯風、2位=NEKOO(ネコ)で
あるように思える、これは私の勝手な予想ではなく、様々な
大会での実力や実績から誰もがそう思う事であろう。
で、さすがのドルフィンでも兄貴の磯風にはかなわないで
あろうから、じゃあ、ドルフィンに喰われそうになるのは、
NEKOOか、あるいは琵琶湖ドラゴンボートクラブか・・?(汗)
ライバルチームの1つである強豪「ネコ」をちょっとでも焦らす
目的には、計算づくの行動なのか、そうではなかったのか?
どちらであってもこの場所での「円陣」はドルフィンにとっては
結果的には最善の策、そして「ネコ」にとっては、すでに術中に
ハマりかけというところなのか・・?
これは面白くなってきた・・人事(ヒトゴト)だと言えばそれまで
なのだが、カメラマンの立場より、ドラゴン競技のファンとしては、
目が離せないし、この記事を読んでいただいている多くのドラゴン
選手や関係者の方々にも、この大会の中で静かに進行していた
裏の「ドラマ」を伝えていく事が私の役割だとも思っている。
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さて、そんな訳で、まずは「NEKOO」にお邪魔してみるとしよう。
匠「ネコさんまいど~
先日の和歌山大会はお疲れ様、そして優勝おめでとうございます」
ネ「ああ、ありがとうございます。」
匠「和歌山では天神大会でのまさかの失速の汚名挽回でしたね。」
ネ「あはは・・まあ、そういう事でしたかね(苦笑)」
匠「ちょっとネコさん、天神では廻りを意識しすぎたかな?
で、今回はドルフィンさんですけど、どうですか?」
ネ「う~ん、怖いですねえ・・」
匠「ですよね・・まさかネコさんが喰われることは無いと思いますが
もし万が一となったら・・」
ネ「考えないようにします、磯風だけ見ていきますよ」
匠「あはは、そうですね、それだったら大丈夫ですね」
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さて、次は琵琶ドラ(琵琶湖ドラゴンボートクラブ)だ。
匠「まいど~ 調子はどうですか?」
琵「まずまずですね」
匠「今日はアウェイですね、ターゲットは9月の地元での
琵琶湖大会ですか?
毎年琵琶湖では負けられないでしょうからね(笑)
ところで今日のドルフィンをどう見ます?」
琵「ちょっとヤバイですねえ・・(汗)」
匠「今日のチーム編成は?」
ここのところ琵琶ドラは、複数のチームを複数のカテゴリーに
投入してくるケースが多い、今回も混合とオープンに各1チーム
づつのエントリー、ただ、そうした場合でも今の琵琶ドラは
チーム間の実力を均等に割り振るというわけではなく、
新人などをどちらかに固めてレース経験を積ませるチームを
編成してくる場合が多い。
琵「それが、今回のオープンではシニア中心と新人5人の
編成なんですよ」
匠「あ・・・それは、ちょっとヤバイのでは?」
ベストメンバーの琵琶ドラであれば、さすがのスーパードルフィン
も勝つのは容易では無いのだろうが、この状況だとどっこい
どっこいという感じだろうか・・? なんとも面白くなってきた。
匠「お、ちょうどドルフィンが予選に出ますよ、見ましょう・・」
ド「そ~れ、そ~れ」
甲高い掛け声、見事なまでに揃ったパドル捌き・・
スーパードルフィンがみるみるうちに、実力チームである
「Rスポーツマン」や「沖縄ハーリー」(沖縄伝統の、ドラゴンとの
類似競技ハーリーの選抜チーム)をかわしてトップに踊り出る。
匠「う・・速い! タイムは男子強豪並みの(250m)1分9秒ですよ(汗)
実力派の「R」も、「ハーリー」も歯が立ちませんね。」
琵「ううむ・・(絶句)」
その4レース後に行われた予選で、琵琶湖ドラゴンボートクラブは、
スーパードルフィンとまったく同タイムの1分9秒・・
はたして準決勝や決勝ではどうなる事なのだろう?
今回の関空大会、とても面白くなってきた。
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さて、しかし今日の関空は暑い。
他の大会でも真夏の35度超えの猛暑の中行われる事が
普通であるのだが、8月の最終週、32度程度の気温とは言え、
関空には日陰がまったく無い。
選手達にもスタッフにも多大な負担がかかるのであるが、
やっぱ中でもカメラマンは大変だ、木陰で休んでいたら仕事に
ならないので炎天下でもなんでも撮らないとならないし、
ほぼ常時と言うほどの水分補給も必須だ、さもないと熱中症に
なってしまいそうだ。
今日も報道関係、広報関係、そして選手関係者やアマチュアと
多数のカメラマンやビデオ班が暑い中撮影を行っている。
皆平然と撮っているように見えるが、実際のところ、かなり
しんどいであろう。
ドラゴンの選手達は勿論体力が必要だが、撮影関係者も
体力勝負というところがなんとも・・・(汗)
その時、大阪のチーム「ぶっとばせまいど」のメンバーの方から
声をかけられる
ぶ「ぶっとばせ~ まいど!」
匠「あはは・・ なんという挨拶ですか?(笑) おっと、今日は
チーム「風」と合同で「ぶっと風」で出場でしたね。」
ぶ「匠さん、今日も美女撮影が忙しいでっか?(笑)
それにしても良く(陽に)焼けてまんなあ・・」
匠「はは、選手の方に言われるとは・・ まあ、カメラもそれなりに
ハードワークという事ですわ」
ぶ「あ、ウチのチームでカキ氷やってますので、また来てくださいな
タダでっせ・・・」
匠「おっと、あのカキ氷、気になってたんですよ、すぐ行きます(笑)」
各チームから出資してもらって、カキ氷をふるまっているとのこと、
これはなかなか嬉しい、さすがに長蛇の列が出来ていた。
でも「ぶっとばせまいど」のスタッフの方は、ひっきりなしにカキ氷を
作るので汗びっしょりだ、なかなか大変なお仕事、お疲れ様です・・
和歌山のチーム「子猫三頭筋」のメンバーの方が来られる、
子「あの~ みぞれ下さい」
なんとも、子猫のチームのイメージ、カキ氷、みぞれ、そして選手の
風貌と、なんとなくそのアンバランスが微笑ましい・・
さて、私も、氷イチゴを美味しくいただいて、撮影再開だ。
しかし、カキ氷を食べると「キーン」と頭痛がするのは、
なんとかならないものか?(笑) 血管が収縮するとかなんとか、
理屈はだいたいわかるのだが、それがなければいくらでも
食べれるのに(笑)
先ほど少し紹介した沖縄より遠征の「JTAハーリークラブ」
沖縄の民族衣装を着こなし、なかなか似合っている。
いちおう航空関係という事なのだろうが、予選で1分14秒という事は、
素人のチームではなく、これはちゃんといつも練習をしている
チームの成績だと思う、ただ、予選では、あの「スーパードルフィン」と
当たったのがアンラッキーだったという事であり、今回ハーリークラブは
敗者復活を勝ち上がり、準決勝に進出。結果的には決勝進出は
ならずであったが、十分に存在を見せ付けた格好となった。
またこの大会の常連チームになってもらえれば嬉しいのだが・・
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さて、オープンの部ばかり注目しているようだが、実は混合の部も
今回は大変興味深い。
大会が始まる際、レース組み合わせ表を貰うと、まずざっと
目を通す、ドラゴンはもう毎回撮っているので、各チームの実力も
ほぼ把握している。
最近、各チームの選手達と話をする際に、レース展開の予想を
する事が多いのだが「さすがに匠さん、毎回来ているだけ
あって事情に詳しいですねえ」と誉められることが多くなった。
というのも、各チーム、全ての大会に来れるというわけでもなく、
まあ、その点私もそうなのだが、それでも一般的な参加チーム
よりも、数多くの大会に撮影で参加しているし、毎回いくつもの
チームから様々な話を聞いているので、選手達よりもむしろ
ドラゴンの内情には詳しくなってきているわけだ。
で、まあ、そんな状況で組み合わせ表を貰った時点で、
第一レースはどこの勝ち、第二レースはここ・・ 敗者復活で
ここが勝ち残って準決勝では、このあたり、決勝での見所は
これだな、と、1日のレースの予想をすべて立ててしまう。
で、その描いたシナリオに応じて、ドラマが起こりそうな
チームを訪問したり、密着して撮影したりするのであるが・・
ところが、今回の混合カテゴリーの予想は困難を極めた。
というのも、普通決勝まで予想を立てると8割方その通りに
運ぶのだが、今回は決勝戦に残りそうなチームがどうも
倍ほど多い。つまり10チーム以上が、おそらくは準決勝
あたりまで激戦を繰り広げ、かつ決勝でも好レースが
期待できそうな絶好の状況だ。
強豪、古豪がひしめきあう状態で、かつ初参加のダークホースも
2チーム、これは予想がしにくい、つまり面白い!
関空大会は、例年、ビギナーチームと強豪チームが綺麗に
分離していて勝敗はもう見えていて、「美女が多い」事が
一種の大会の特徴となっていてレースそのものへの興味は
2の次であったのが・・(汗)
今年は「美女よりもレース」(笑)となってきた・・
そして、さらに波乱が起こる・・
「ウワ~!」
観客の妙な悲鳴を聴きつける。
このレースはオープン予選、強豪の「磯風」と「琵琶ドラ」が1位2位で
走りぬけ、それで終ったと思って気を抜いてカメラのチェックをしていた
矢先であった。
ふと見ると、あるチームのボートが転覆しているではないか(汗)
匠「え? あれ何処? あ・・ チーム「千客万来」かな?」
肝心のシーンを見逃したので近くにいた観客に様子を聞く。
匠「どうしたんですか?」
観「いや、よくわからないんですが、ゴール直後にこんな状況に」
匠「だいじょうぶですかねえ?」
観「衝突とか、事故では無いので大丈夫そうですが・・」
これは非常に珍しいケースだと思う、ドラゴンボートの大会では、
接触や衝突こそ、稀に(年に1度くらい)発生するが、転覆や
沈没は今まで数える程しか無い。 選手や関係者達は「チンする」
(=沈没する)と言うのだが、普段ではあまり聞かない用語だ。
実際こうなるともう水中からは自力でボートを起こすのは
大変なのでレスキューが出るしかない。
それでも、クルー(選手)達は、泳ぎながらボートを引っ張るように
動かし、次のレースの邪魔にならないようにとの必死の努力だ。
まずは人数確認が本部より指示され、特に不明者などは
居ない様子なので、大事ではないが、それにしてもこの転覆は、
この大会の後に続く波乱を暗示しているようであった・・
さて、大波乱の関空大会、以下中編に続く・・
・・と思ったけど、このままだと、なんだか関空大会の記事らしく
ないので、せっかくだから、前編の最後にはこちらの方々で
締めてもらいましょう。
ジャーン、ISHINKAI(一心会病院)のセクシーダイナマイト
オネイサン4人衆! この関空に限らずよく様々な大会に
参加しているチームの注目メンバーであり、ヘソ出し、
ホットパンツボタン外しなどの過激なファッションは、
どの大会でも男性選手達の注目の的となっている。
ドラゴン関係者アンダーグラウンド(?)の極秘クチコミ網では、
常に人気ナンバーワンとなっている(笑)
「ヒソヒソ・・ 今日ISHINKAI来てる? ヒソヒソ・・」と
男子選手の間で素早く情報が駆け抜けるという感じだ。
・・・ということで、じゃあ、中編に(笑)