東大阪にあるハワイアン・カフェ、「
マハロ」
マハロ(Mahalo)とは、手元のハワイ語→英語の辞書によると
to approve,praise,applaus,thank. とあり、つまり、
讃える、感謝する、など複数の意味を持つ言葉だ。
ハワイ語では、ALOHAという単語も、挨拶系や感情表現では
ほぼ万能の用語であり「アロハ」1つでたいていの場面で
場がなごむ、という便利な言葉。
ハワイ語は、英語のアルファベットと同じ文字を使うが、
5つの母音と、子音は、僅かにh,k,l,m,n,p,wくらいしかなく、
d,f,r などの子音も稀に使われる様子だが、(ハワイから見た)
「外来語」に限られ、極めて少ないみたいだ。
アルファベットの数や単語数が(複数の意味を持ったりで)
少ないので、ハワイ語の辞書もハワイ語→英語の部分は
だいぶページ数が少ない。
ちなみに何故手元にそんな変わった辞書があるかというと、
海外に行ったときに、こうした辞書をお土産代わりに買って
くるから。だから、家には様々な国の言葉の辞書が揃って
いる・・(笑)
でも、単語の数が少ないから原始的な言語なのかというと、
そんなでもなく、ハワイに訪れた事のある日本人は多いから
皆知っていると思うが、なんとも情感に満ち溢れた美しい
言葉なのだと思う・・尤も、日本人観光客向けには日本語は
ずいぶん達者な人たちも多い様子だが・・(汗)
さて、マハロは今年になってオープンしたカフェであるが、
私はフラリとそこを訪れ、「ロコモコ」や「コナビール」
(注:いずれもハワイ名物の食べ物や地ビール)をいただく
うちに、アットホームな雰囲気が気に入り、お店のマスター
とも色々話をするようになってきた。
マスターは、パーカッションやギター、ウクレレなどをこなす
ハイアマチュアのミュージシャンだ、音楽の話しで盛り上がり
「この夏に、プライベート・ライブをやりませんか?」という
事になった。 ギタリスト、ボーカリスト、ウクレレなどの
プレイヤーを呼んで、常連さんのお客さん達を集めてワイワイ
と楽しくやろうという主旨だ。
マスター「で、匠さんもギター弾いてもらえませんか?」
匠「ええ・・じゃあ、ギターとカメラと両方で・・」
と快諾したものの、事前にギターの練習はちゃんとやらなくては
ならないわ、当日は当日で、自分の出番以外はひっきりなしに
写真を撮っている状況になるなど、相当に忙しいだろう(汗)
けどまあ、身内(と言っても、私から見れば知らない人が殆ど
だが・・)でワイワイと盛り上がるのは楽しそうだし、お客
さんは地元東大阪のお店や会社など、地域密着型だというのも
主旨としては面白い。 まあ、楽しくやればいいかあ・・
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というわけで迎えた当日、プレーヤー側はジャズギターと
ボーカルの夫婦デュオ、ウクレレ、そしてソロギターの私の3組、
お客さんは、旅行代理店のJTBさん、ミニコミ誌の「ぱど」さん、
地元の楽器店さん、イベント企画会社さん・・などさしずめ
異業種交流会という雰囲気だ。おまけにビデオ撮影班まで来ている。
客層はハワイアンカフェということで、当初40~50代くらいの方が
中心になるのかな? と思いきや、蓋をあけてみると20代~30代の
若い方がほとんどだ・・
「しまった、ギターの選曲を年齢層にあわせ70年代フォークを
メインで準備している・・ これはそのままではまずいなあ、
まあしかたない、幸いにして予備の曲もあるので、90年代くらい
から以降の新しいもの中心に切り替えるとしようか・・」
まあ、そんな焦る事情もあったのだが、それはそれとして・・
さて、最初の演奏は、小阪で
ライブバーを経営する
「ミドルノート」という夫妻によるユニットだ。

ボーカルの奥様は、子供を抱いてのステージ、これはなかなか・・
いや、これこそアットホームな雰囲気で微笑ましい。
「ミドルノート」は、いわばプロであるから、さすがに演奏も
ボーカルも上手い。 選曲もコーヒールンバとか、南国の明るい
雰囲気の曲を選び、MCも上手く、服装までハワイアンな雰囲気で
ぬかりがない。

「やっぱ、いろいろと気がまわっているなあ・・・さすがだね」
かく言う私は、仕事帰りで、家に寄ってギターとカメラバッグを
抱えて飛び出してきたので、スーツ姿のままだ(汗)
「ちょっと気がまわらないよなあ・・」と反省。
その午後7時ごろ、家を出るとき、そのスーツ姿でエレベータで
管理人(大家)さんに出くわした・・
大「あれ? 匠さん、その背中の荷物は?」
匠「あ、ギターですよ」
大「え? カメラをやってらっしゃるとうかがってましたけど、
ギターもですか?」
匠「あはは・・勿論カメラも持ってますよ、今日はこれから地元の
カフェで、ギタリストとカメラマンのかけもちです」
大「そりゃあ忙しいですねえ、でも多趣味で羨ましい・・」
匠「ほんと、仕事終ってからの方がよほど忙しいですよ・笑」
大「アハハ・・・まあ、がんばってくださいね」
・・いったい本業は何なんだ?と思われたに違いない(汗)
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さて、ミドルノートのギターの熊渕さんとは、以前このお店に
客としてたまたまカウンターに隣り合わせに座って、マスターの
一言の紹介をきっかけに、延々とギター談義を続けた事がある。
ついその数日前にも、今は活動休止中の、Pop アイドルバンド
MoGaの「たつを」君と食事をしていて、プロのミュージシャン
としてのスタンスなどを色々聞いていたのであるが、ここのところ
巷によくあるアマチュアバンドの音楽的なスタンスに疑問を
持つことが多かったので、彼等プロの話しは「もっともだ」と
納得することばかりで、気分がよかった。
特に、お客様に対するスタンスが、アマとプロでは天と地ほどの
差がある、お客様に満足してもらうこと=自分の音楽表現、
と考えるのは大変シンプルであるが、プロとしては当然の事だし
アマであっても、それは大いに見習わないと、結局アマとしての
筋の悪い考え方からいつまでも脱皮できないのであろうと思う。

マハロのマスターのパーカッション(ボンゴ)も入って
プライベートライブは盛り上がってきた。
私も、ハワイの地ビール「コナビール」で喉を湿らせながら
楽しく演奏を聴いていた。

こちらは、ミニコミ誌「ぱど」の方、まあ取材をかねて
いるのであろう。 EOS40D に EF50/1.4をつけている様子、
私も今日のカメラはPENTAX K10D に FA50/1.4というほぼ
同等の機材であったので、気軽に声をかけ、互いのカメラの
セッティングの確認を行う、後で聞いた話だが、彼と私の
自宅が100mほどの距離であったので、おおいに盛り上がる。
でもまあ、今日の場はある意味地域コミュニケーションで
あるので、皆、ほとんど地元という訳なのだが(笑)
調子に乗って、EOSの、あまり使わない隠れた機能とか説明を
始める。
ぱ「さすがですねえ、私はそこまでカメラを使いこなせないです」
匠「いえいえ・・ あと、ライブ撮影でのポイントですが・・」
・・・こんな時に延々とカメラ講座かいな・・(汗)
匠「それと、お客さんの楽しんでいるところも忘れずに・・」
ぱ「あは、了解! 撮りますよ~」

時刻は午後8時を廻ったところ、
さて、ミドルノートの演奏の次は私の番か・・
ソロギターというジャンルは、ある意味地味な演奏ジャンル
である、ボーカルが無く、ギター1本でメロディと伴奏を
同時にこなすという、難易度が高いわりには、イマイチあまり
盛り上がらない(汗)
MCで簡単に自己紹介したあと、「少年時代」を演奏。
しかし、前のミドルノートが終って歓談モードに入っていたので
全員が注目して演奏を聞いているという状態では無い(汗)
まあ、パーティ形式での演奏とかでは、ざらにある状態、
昨年はアマチュアミュージシャンの身ながら、色々なバーや
パーティで演奏をしたので、そういう経験は何度もある。
マハロのマスターは事前に「あまり演奏する方も聞く方も肩肘
張ってやったら疲れてしまうのでBGM代わりのような感じで・・」
と仰っていたので、BGMに徹するという手段はあった。
けど、今回はちょっと私も思うところがあり、1曲演奏が終った
瞬間に、マイクに向かってこう言った。
匠「次の曲、どなたかボーカルで歌ってくれませんか?」
雑談が一斉にやみ、皆、どうしようかと迷っている様子。
匠「え~と、色々な曲を用意していますよ、歌詞の書いてある
本もあるし、どうでしょう? あ、たしか、そちらの女性の方、
ギターやってらっしゃると仰ってましたねえ・・」
奥の席に座る美人の女性(T嬢)にステージから声をかける。
美「ハイ」
匠「たとえば、涙そうそうとか、いかがですか?」
美「あ、ワタシ、その曲大好きなんですよ、歌いま~す!」
匠「・・・ではお願いします」
若くて美人の女性が飛び入りで歌うということで、その場の
雰囲気がガラリと変化した・・
皆、いったいどうなる事か?とステージに注目している。
匠「じゃ、2小節前奏の後で、キーはこれくらいです(ポロン)
高さ大丈夫ですか?(ハイ) 歌い出しで合図しますね」
前奏2小節・・ 「はい!」
美『ふ~るい、アールバム、め~く~り~』
お、なかなか上手いじゃあないか、これは大丈夫だな・・
演奏の方は完全に伴奏に徹するわけではなく、ソロギターの
モードのまま弾いている、メロディラインもちゃんと弾いて
いるので、カラオケで言う「ガイドメロディ」の役割をして
歌いやすいと思う。伴奏が相対的に薄く聞こえるので、
少々手数を増やして、バランスを調整している。
テンポやリズムは歌の方に合わせる、カラオケと違って
生オケ(カラギタ?笑)では、歌い手のペースに自由に合わせ
られるのが最大の特徴で、これはよく友人達ともカラオケ
ボックスで同じような生伴奏をやって楽しんだ事が何度も
あるので、様子はだいたいわかっている。
パチパチパチ・・(会場からの拍手)
美女が上手に歌ったもので客席は大好評、おまけに今度は
若い男性達が「ちょっとは自分もいいところを見せよう」と
ノって来た。
男「は~い、ボク、歌います。 サザン、できますか?」
匠「え~、今日準備してあるのは、TUNAMIと 、いとしのエリーかな」
男「じゃあTUNAMIおねがいしま~す」
なんというか、もう「流し」状態だ(笑)
盛り上がってきたなあ、と思いつつも、この状態がなんと
これから4時間、深夜12時まで続くとは、この時は思っても
みなかった・・(汗)
また別のリクエストが・・
男「あ、オレ、森田童子が歌いたい・・」
匠「え~、そんなマニアックな曲ですか・・?」
客席がザワザワとする、
「森田童子って?」 「ほら、ドラマの高校教師のテーマの・・」
匠「ぼくたちの失敗、ですね・・ ありますよ」
男「やった!」
(なんだか、キムタクのドラマHEROでの「何でも作れる喫茶店のマスター」
みたいな状態だ・・笑)
男「ボク、生伴奏で歌うの初めてですよ、なんだか楽しいですねえ。」
20代~30代の若い人たち、カラオケで歌う経験はあっても、
生伴奏ではさすがに無いであろう、「流し」という職種がほとんど
絶滅してしまった今となってはそれはしかたない。
でも現代風の流し、これはまあ、なかなかウケる様子だ・・(笑)
そして、また今度は格好いいイケメンのニイチャンが・・
兄「外国の曲なんかありますか?」
匠「いくつか用意しているけど、歌詞ないし、仮にあってもキツくない?」
兄「あはは、そりゃあそうですね。 じゃあ、森山直太郎の「桜」で・・」
匠「了解、このキーでいいですか? じゃあ前奏4小節の後で・・」
そんな状態で1時間半ほど弾いた状態で、もうさすがに疲れた(汗)
匠「ちょっと休憩・・」
休憩と言いつつも、ギターを置いた、というだけで、今度はすぐさま
カメラに持ち替え、引き続き撮影だ。
ハワイの地ビールでマハロ名物「コナビール」は、1本、2本と
おかわりしているが食事をする暇がまったくない。
「こりゃあ、大変だ・・」でも楽しいのは確かだ、楽しければ
基本的に、それ以外の事はどうでもいい(笑)
ちょうど、そこに残業を済ませて、小阪楽器店の店長さん来店、
楽器店の店長さんということで、いくつかの楽器をこなすことが
できる、私も今日持ってきているギターや、シンセ、それから
楽譜などを色々購入している身近なお店だ。

店長さんのウクレレ即興演奏、タイトルはズバリ「マハロ」らしい(笑)
なかなかの名演奏を数曲続けたところでステージを引く。
すると、今度は「ウクレレも弾いてみたい」と男性が弾き真似で
ステージに上がる。
カシャ、カシャ・・

男「うお~、オレ、ほんとにステージで弾いているみたい」
匠「アハハ・・ じゃあ今度はギターでやりますか?」
男「じゃ、これ(ボンゴ)で」

結局、私ももうすっかり客席に入り込み、そこに座ってビール片手に
カメラ片手に、あるいはギターを持ってその場でまた「流し」を
続けている。
そこに今度は先ほどの美女が・・
美「今度は私もギター弾くよ~、匠さんのギター貸してね」
匠「いいですよ、小阪楽器さんのところで買ったやつだからね(笑)
結構安かったけど、試奏して選んだから完璧だよ」
美「わ~、弾きやすい、音もいいなあ!」
匠「弦はいいやつを張ってますよ、2週間前に交換して
少し寝かせてチューニングを安定させています」
男「なに弾いてくれるの?」
美「じゃあ、聖子ちゃんの「赤いスイートピー」を・・・」
全「わ~! やった~! ガンバレ~」
美「は~るいろの、汽車にの~って♪ あ、まちがえちゃった、エヘ」

・・これは、男性にはたまらない(汗)
男「わ~、カワイイなあ・・」
多くの方は違う会社から来て、たまたまこの場所でプライベートな
ライブを聞きに来たにという状況だが、自分が自らライブに参加した
という意識が強いのであろう、たとえば後日、ギターの彼女の
ブログを拝見する機会があったのだが、このライブの直前の日記に
「今度マハロでライブがあり見に行きます、私もいつかライブで
ギターが弾けたらいいなあ」という記述があった。
なんとそんな機会がこんなに早く訪れるとは思ってもみなかった
のかもしれない。
また私もギターを弾きだし、この異様な盛り上がりは終電の時間
が迫る深夜12時過ぎまで延々と続くことになる。
私は徒歩で帰れる距離なので、最後までお客さん達を見送り、
ふと気が付くと、食事を取っていないことに気が付く、
マハロの1階のカウンター席に降りていくと・・
マスター「ああ、匠さん、今日は本当に遅くまでお疲れ様、
本当に盛り上がりましたねえ、ありがとうございます、
よかった、よかった・・
食事まだでしょう? 食べていってくださいな」
深夜12時半の夕食・・すきっ腹にはちょっと堪えたが美味しかった。
体はとても疲れていたが、それは心地よい疲労だった、
ホロ酔い気分で深夜の街をギターを背負いカメラバッグを抱えて
トボトボと帰宅・・ 家に帰ると、ギターとカメラを放り出し
珍しくメンテも何もせずに、そのまま熟睡していた・・
数日後、マハロを訪れると・・
マスター「匠さん、こないだはお疲れさん、好評でしたので
また、2ヶ月ほどしたらやりますのでよろしく!」
匠「え~、またですかぁ・・ 疲れるなあ・・・」
と言いながらも、結構楽しみにしている自分があった。
それまでにアロハシャツでも買っておこうかなあ・・?(笑)