雨はCG加工により追加したもの。
デジタル楽器編:
バリフレーズという特殊機能を持ったシンセサイザーを長く愛用している。
普通、サンプリングされた音声は、ピッチが変わるとエンベロープやフォルマントが変化
するため、たとえば人の声であれば、サンプリングシンセサイザーでは弾いた鍵盤の
高さによって違う人の声に聞こえてしまう。 要はテープを早回ししたり遅回しするのと
同じ事である。 楽器音においても同様だが、人声ほどにはめだちにくく、違う楽器に
聞こえるという事は(半オクターブ程度の変化の範囲では)まず無い。
人声をうまく用いた「歌うシンセサイザー」が過去無かった理由はここにある。
バリフレーズはこの問題を解決した技術で、サンプリング音のピッチを変えても
他の要素は何もかわらない、だから、1つの声の素片から、まるで歌を歌っているような
なめらかな演奏が可能になる、和音を弾けばその歌手によるコーラスのようである。
あらかじめ歌詞が入っているような声を演奏する場合、演奏技法が今までの鍵盤
楽器と異なって難しいのであるが、シュビドゥビ・シュビドゥビ・・・ といった、一定の
繰り返しでジャズなどの伴奏に使えるような音声で演奏すると、大変効果的で面白い。