[測光モードの使いこなし]
カメラの内蔵露出計で露出を計る機構は、現在では一般的に、評価、中央重点、スポットの
3モードを目的に応じて切り替えて使うことが一般的である。
それぞれのモードの特徴としては、
◎評価測光(分割、ハニカム)
機械まかせのモード、画面を多数に分割し、たとえば極端に強い光(太陽など)があっても、
全体を計算して(データベースから読み出したりして)、正しい露出を得ようとする。
逆光であろうが、明暗差が大きかろうが、だいたい(まあ、90%以上)露出が合う。
被写体の距離を計算して計算精度を上げる場合もあるので、AFで使うのが前提。
弱点としては、機械がどう計算してるか人間はわからないので、意図的な露出補正を
かけることができない。(勿論露出補正はかけれるが、山カンになる)
また、被写体の色は捉えられないので、露出は100%正確ではない。
(コンタックスN1では評価と中央の差が表示され、露出補正も意図的にできる)
(ニコンF5、F6、Dシリーズ等では、1005点RGB測光で、被写体の色も捉るので、
露出精度がすこぶる高い)
◎中央重点測光
古くから一般的なモードで、古いMF機はほぼすべてがこの方式。評価測光では露出補正が
難しいので、たとえば逆光の被写体をシルエットにしたい場合などでは、中央重点に切り替え
てからマイナス補正をする。昔からカメラをやっている人にはその経験が活かせ、機種間の
互換性も高い万能なモードであるが、露出補正やAEロックを使いこなせないと、結局を失敗
する場合がある。したがって、中級者以上向けである。
(ニコンF3では、他のカメラにくらべ中央重点の測光範囲が狭いので注意する)
◎スポット測光
被写体のただ一点を測光し、それを標準露出とする、使いこなせれば最も正確な方式、
測光地点が灰色(18%グレー)か同等の反射率であれば正確であるが、白や黒などの
反射率が異なる場合、必ず露出補正を行わないと正確では無い。上級者向けのモード。
(コンタックスS2は、スポット測光しかモードが無いので十分注意する)
△マルチスポット、ハイライトコントロール
オリンパスOM-3Ti/4Tiでは、複数のスポット測光点を自ら計り、その平均を計算するモード
がある、露出に関しての深い知識が無いと使いこなせないが、しかし優秀な機能である。
ミノルタα-7では、AEロックボタンを押すと、スポット測光に切り替わり、標準露出と
複数地点の露出差が出る、さらに、ハニカムの13点の露出分布が表示され一目瞭然。
ハイライトコントロールは、OM-3Ti/4Ti,α-9000等に搭載され、スポットで白色を計り、
ハイライトボタンを押すと+2~2.5程度露出補正を行い、白を白色として表現できる。