さて、GR Digital を持ち出して、大阪の伊丹(いたみ)を撮ってみよう。
今日は快晴、そして暖かい。
気持ちが良い早春の日。伊丹の街での撮影は、ちょっと組写真というか、
ストーリ風に撮ってみようと思った。
いちおうGR Digital を使っているので、様々な特殊撮影は可能であるが
できるだけノーマルに、そう、ちょうど銀塩GRを持って歩くようなイメージで若干の
制限を加えてみる。
銀塩GRはGRDとは同じ性格のカメラのように思う人が多いかも知れないが、
実は両者はまったくの別モノである。
特に違うのはGRDのマクロモード、そしてそれに関連して最短撮影距離が銀塩GRの
30cmから僅か1.5cmに短縮されたことによるボケ表現、ISO制御と組み合わせた
絞りやシャッター速度のコントロールの自由度の高さ、そしてノーファインダーや
極端なアングルからの撮影がデジタルが故に容易であること、などがあげられる。
だからGRDとGRの撮影技法は天と地程も異なる。
でもまあ、今日はGRDを銀塩GRライク(似ている)な撮り方で使ってみよう。
広角28mmでのパンフォーカス撮影オンリー。凝った撮影技法は何も使わない。
組写真の作例は10枚組、解説は最小限に、ゆるやかに関連したストーリで流してみる。
直線を基調にした表現はGR系の得意分野。 ただ全部直線での構成をさけ
ワンポイントに曲線を入れる。
空を背景につかいながら、被写体のバラバラ感を生かす、ただし直線の延長線は
画面の四隅を上手く使ってあまり乱雑すぎないように整える。
空つながりで流して「電線フェチ+チョコラー」技法。
電線が空をカットするラインに着目しながら構図を決める。
逆光であるが、日中シンクロを使って反射板の標識を光らせる。
ローアングルで見上げた感じ。 前写真の曲線と後写真の直線のつなぎ。
異様に広い駐車場を持つコンビニ。中央の黄色いラインの直線性をきちんととる。
再び空と電線と分散する散漫な被写体。 視線誘導の中央が薄くなるので自転車が
通る瞬間を狙って撮る。
自転車繋がりで忘れ去られた鍵、ちょと悲しげなイメージで。
この写真のみ弱いマクロモード。
さらに鍵から金属パーツをイメージさせる展開。
金属つながりでローアングルでメタリックな改造バイク。
さらに真下から撮って空や電線を入れてもよかったかもしれない。
・・まあそれは銀塩の撮影技法では無いが・
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組写真という場合、たとえば同じ以前の
鹿シリーズのように同じ被写体ばかり
並べなくてはならないという必要は無い。
またストーリーもあまりはっきりさせて、朝起きて、どこに行って・・・と、絵日記の
ように並べる必要もないし、当然時系列に沿って並べる必要もない。
要は1枚の写真では表現しきれない事を複数の写真で並べて表現するという
事であるから、こうでなければならないというルールは特に無いのである。
まあ、ブログの記事の場合、1枚の写真だけで完結するというより、やはり
複数の写真を並べるという事も多々あるだろう。
その時に、あまり説明的に写真を並べないようにする、という事が見ていて
飽きない工夫だと思う。 またあまりに無関係な写真を並べた場合は、
よほど文章(テキスト)などでうまく補完してあげないとならなくなる。
そんな場合に、組写真というのも頭の隅において写真を並べる構成を
考えてみるのが良いと思う。