霜月「あ~、匠のオッサンよ。 こないだEMAをライブ撮影に連れて行ってたけど
オレは連れていってくれないのか?」
匠「・・・ん? 霜月も行きたいのか? 私は今度は森田さんを連れていこうと
思っていたんだけど」
(注:仮想キャラ紹介、霜月了は29歳、男性、技巧派オレ流ストーレトフォト
森田重雄、63歳、男性、ビギナーカメラマン、性格は真面目で実直
EMA 28歳、女性、表現派)
霜月「なんで森田さんなんだよ? 大きな音で、びっくりして卒倒してしまうぞ?(汗)」
匠「・・・なにを言っているんだ? あの年代の方達は、若いときに石原裕次郎の
映画とかを見てバンドに憧れて、もしかするとダンスホールとかに行って踊って
いたかもしれないぞ・・ グループサウンズはぎりぎり聞いてないかもしれないが、
ベンチャーズやビートルズは確実に聴いていると思うな。真面目な性格だと言っても
映画も見ない、音楽も聴かないというわけでもあるまい。
好きな歌手は恐らく加山雄三とサザンオールスターズだよ」
霜月「むう・・ 加山雄三ってのは知らないが(汗)、サザンは今時ではないのか?」
匠「・・・SASは活動期間が長いからな、年代にとらわれず支持される。
だからな、年配の方だからと言って、別に浪曲や長唄を聴いているわけじゅあ
ないんだ。 それより、霜月こそどうなんだ?」
霜月「ぐっ・・ オレは今はあまり音楽は聴かない・・ でも昔はギターをやってたぞ」
匠「・・・『F』は押さえられるか?」
霜月「むっ(汗) ・・・実はそこで挫折した」
匠「・・・だいたい、どれくらいやっていたかわかったよ(苦笑)
霜月こそ、森田さんを笑ってないで、もっともっと音楽を聴いたり映画を見たり
写真以外に色々なことをしていかないとダメなんじゃないのか?」
霜月「むうう・・ それはsay-ka さんがEMAに言ったこと・・ オレもそうなのか?」
匠「・・・EMAよりもっと深刻なのは霜月だよ。
だいたい最近の霜月の写真はなんだ。 EMAに負けたくないと技巧に走った
写真ばかり撮っている。 じゃあ、その技巧はどうなのか? というと、これがまた
小手先ばかりのテクニックだよ、技巧に走るならそれでもいいけど、とことん突き詰めて
みろよ。 そこからまた何か別のものが見えてくることもあるだろう・・」
霜月「・・・・」
匠「・・・じゃあ、ライブに行くぞ。 まずは機材の準備だ」
霜月「(ほっ・・ このまま怒られて終わりかと思った・・汗)」
霜月「PENTAX *istDs か、それにSIGMA AF20/1.8 だな。 何故この機材を?」
匠「・・・実は、GRD を持っていくはずが、今故障で入院中だ。また例のCCDのゴミだな。
それと食べ物撮影で寄り過ぎて突っ込んでレンズのフタが閉まらなくなった」
霜月「ア、アホや・・(汗)」
匠「・・・寄れるというのはそれだけ大事なことなんだよ。 だから今日の機材は、
広角で、寄れて、明るいレンズを選んだ。 このレンズは F1.8の大口径で20cmまで
寄れる、ただし異常にデカい、フィルター径は82mmもあるし、長さも重さもある、
最短20cmというのは、フィルム面あるいは撮像素子面からの距離だから、実際には
レンズの長さがあるから、ワーキングディスタンス、つまりレンズ前から被写体
までの距離は 6cm程度まで寄れることになる。」
霜月「ライブ撮影でそこまで寄る必要があるのか?」
匠「・・・そういう考えが、頭でっかちだと言っている。 プレーヤーを遠巻きにして
腰が引けて写していたら迫力のある写真が撮れるか? 寄れない、んじゃなくて
単に寄ってないだけだろう? ガンガン寄って撮るんだよ」
霜月「むう・・ そんなもんなのか」
匠「・・・後、通常撮影用に、EOS 20DとEF50/1.4の大口径を持っていく、これで十分だ」
霜月「ん~と、銀塩換算焦点距離は、30mmと80mmだな?」
匠「・・・そうやって、何でも焦点距離で考えるのはもう卒業しなさい。
画角なんて意味が無いんだよ、*istDsはガンと寄ってバシっと撮る、EOSはフツーに
シャキっと撮る、以上。
ライブに限らず画角がどうのこうのとか言っていてズームを使うのは意味が無い、
特にライブは一瞬たりとも同じ状況が無い撮影だ、三脚立てて花や風景を撮るの
とはわけがちがう、ズームはそんな時には、最広角端と最望遠端の2種類しか
つかえない、画角を考えている暇は無いからな・・ だったら、2台カメラを
用意して、それぞれ広角と中望遠をつけた方が効率的に撮影ができる。
そもそも広角と中望遠じゃ使う絞りも撮り方も全部変わってくるからな。
ズームで焦点距離を変えながら絞りも変えていたら、もういっぱいいっぱいだ・・
もちろんF値も圧倒的に明るい。 ライブを止めて撮るには1/250秒が必要と毎回
言っているが、F1.4でISO800で1/250秒のとき、F5.6のズームでは 1/15秒だぞ。
ISOを12800まで上げないと1/250秒は出ない。そんな一眼は今はまだ存在してない。」
霜月「うむ、すべて納得だ・・」
匠「・・・じゃあ、会場についたぞ、早速撮影だ。 両肩から2台のカメラを下げて・・」
霜月「ヲイヲイ、オレに撮らせてくれるわけじゃないのか?」
匠「・・・今回は霜月は音楽でも聞いていろ。 まずそれが第一だ。
音楽を理解せずにライブは撮れないといつも言っているだろう?
そんで、私が色々特殊撮影をやるから、それを見て勉強しなさい」
ドコドコッドドツ ドラムソロが鳴りひびく。
匠「・・・さあ、はじまった・・」 ダダダ・・(走り出す。)
霜月「おい、匠のオッサン、どこへ行く? そっちはステージだぞ?」
霜月「フウ・・ こんなところから撮ってもいいのか?」
匠「・・・フツーは無理だよ、でもまあ、許可はもらっている。
けど、お客さんも沢山来ているから、あまり見苦しく動いて撮影はできない、
そこは十分注意しなければならないぞ。
特にステージ前で立ち上がっての撮影、フラッシュ(ストロボ)を焚いた撮影、
あるいはプレーヤー前で構えてから1分も2分もシャッターチャンス待ちをすること、
そんな素人のようなことは絶対にやってはならない、お客さんやプレーヤーに迷惑を
かけるな、という事を常に考えなければならないんだ、私の場合、たとえ頼まれた撮影
だとは言え、写真を撮る事は大義名分ではない。
いまのアマチュアカメラマンのマナーの悪さは、常に自分本位で写真を撮ることを
何か特別な行為だと勘違いして、周囲に迷惑をかけながら撮影をすることだ。
三脚族、場所取り、施設の中でのフラッシュ撮影、自然のものを痛めること、大声、
タバコ、盗撮、機材自慢、街中で立ち止まっての撮影・・ 周囲にありとあらゆる迷惑を
かけても知らん顔なのが、今のアマチュアカメラマンの最大の問題だ。」
霜月「ああ、オレもその通りだと思う。 本当にマナーがなっていない、
写真を撮ることに一所懸命だったからと彼らは言うが、余裕が無いほど何も
わかっていないのだったら、公共の場で写真を撮る資格すらないと言える」
匠「・・・そこはよく気をつけておけよ。 じゃあ、どんどん撮るぞ」 カシャ。
霜月「プレーヤと観客のツーショット? ファンサービスか?」
匠「・・・まあ、そうだ。 小さいライブでは演奏者と観客と一体感というのもウリだ。
クラッシックのコンサートみたいに、たとえホールで聴いていても、演奏者と
観客の間に心理的な壁があるようなものとは違う。
だから、プレーヤーを格好良く撮ることばかり考えずに、そうしたライブ会場の
雰囲気を伝えるような写真というのも重要だと思う」
霜月「ふうむ・・オレだったらプレーヤーばかり追いかけて撮ってしまうだろうな・・」
匠「・・・そんなのまだまだだ。 ほら」 カシャカシャカシャ・・
霜月「ひょえ~、サックスの女性が演奏中に匠にピースサインかよ?」
匠「・・・あはは、落合さんだよ。 最近はメールのやりとりもしているんだ」
霜月「(このスケベオヤジが・・ どこまで手が早いんだ・・?)」
匠「・・・それとEOS 20D は手ではなく連写が速い(笑) そりゃあD2Hまではいかないが、
秒5コマで快適に撮れる。 出た当初は連続撮影枚数がどうかな? と思っていたの
だが、まあ最大JPEGやRAWで撮ったら数枚でお話にもならんが、今回も私は
200万画素の低解像度で撮っているから、いくらでも連写できるぞ。
これはキヤノンの老兵D30でもそうだった、低解像度ではいくらでも撮れる。
ニコンのD2Hでは、たしか画素数に係わらず40枚までだ。(D2Hsでは50枚に改善)
でもまあ、実際にはそこまで連写することは無い、せいぜい20枚撮れれば十分だ。
しかし初級機で9枚とかいうのは困る、また連写速度が低いのも困る。
結局、秒5コマでは最低25枚、秒8コマでは40枚、つまり連写機は、5秒間の間は
高速で撮りつづけれる性能のあるものを選ぶ必要がある。」
霜月「なるほどな。連写というのも一眼では重要な性能なのだな。」
匠「・・・静止撮影ならその通りだ。 しかし動感撮影ではそうとも言い切れない」カシャ。
霜月「いつもの首振りパフォーマンス。 これはシャッター速度はどれくらいだ?」
匠「・・・1/25秒だ。 もうこの辺はいつも言っているように、動感域はそのへんの
低速シャッターと、パフォーマンスの動きの速さとの調和点を狙うしかない。
そしてこのような低速シャッターだと、高速連写機でも連写は低速になる、
だから連写はあまり効果が無いので通常は単写だ」
霜月「低速連写でもいいのではないのか?」
匠「・・・実は現代のカメラには大きな問題がある。 連写時の露出値は最初の1枚目を
撮る時に決まってしまう。連写中は被写体の明るさが変わっても(絞り優先で)
シャッター速度が変化することは無い、だから、あまりスローでチンタラ連写
していると、照明が変わって1枚ごとの写真の明るさがかなりバラついてしまうんだ」
霜月「へ~・・ そりゃあまずいな」
匠「・・・連写の重要性を理解していない仕様だよな。 だからいつもメーカーの
開発者は写真なんか撮らないでスペックを決めているのではないのか? と言って
いるんだ。 一定の明るさの屋外なんかで子供を連写して、ハイ、綺麗に撮れました
などとやっているにすぎないのだろう。 スポーツを撮るプロだって、たとえば
サッカーのスタジアムで一定の明るさの元で連写して撮ったりしているから、
連写中の露出追従の問題を指摘するユーザーもなかなかいないのであろう。」
霜月「ふむ・・ デジタルはまだ未発達か・・」
匠「・・・まさにその通りであるが、ハードの発達とともにソフトの発達についての
概念がメーカーにまるで無い。 今のところゼロだ・・(苦笑)
ソフトと言ってもソフトウェアの事じゃないぞ、カメラマン側の撮り方、撮影技法の
発達だ。 デジタルで進化した機能を使った新しい撮影技法が次々と生まれている、
匠ブログでもそうした様々な新技法を紹介しつづけてきているが、こうした撮り方
の進化の方向性をメーカーがまだ把握してないから、今度は800万から1000万
画素になりました・・ のような改善しか思いつかないのだ」
霜月「そうだな・・ で、オレも新しい技法を開発したいのだが」
匠「・・・それはEMAに勝つためか? だったらヤメておけ。
そういう意味ではEMAのソフト面での進化は、霜月の考え付く範囲をはるかに
超えて行くと思う。 霜月がスローシャッターで流し撮りの練習をしている間に、
EMAはとっくに、新しい「表現」を考えついているさ・・・
それに、今日は特殊技法を説明する、と言って霜月を連れてきているのだが、
何か気が付いたところはあるか?」
霜月「う~ん・・ いや、別に・・ 単に止めて写すか、ブラして写すか、だろ?」
匠「・・・まだまだ気が付かないな・・ じゃあ、それは最後に説明していこう。
続いてどんどんいくぞ、大口径レンズを使ってボケを活かした撮影」カシャ。
霜月「光と影、そしてボケが気持ちいいな。 でもフツーだ」
匠「・・・そうかな? 考えて撮っているんだけど、気が付かないかな?
これは深度が浅いレンズだから、どこにピントを合わせるか?という問題があるんだ
一般のポートレート撮影なら目だよ。それは基本だ。 でも、ライブ撮影の場合は
楽器、というチョイスがあるんだ。
楽器にピントを当ててプレーヤーを深度外でボカす、これは真っ直ぐにプレーヤに
正対して撮っている撮影ではそんなのはほとんど関係ないから気が付かない世界だ、
でも、アングルを工夫したり近接したりすると極めて大きな問題になる。
顔か、楽器か、どっちに当てるんだ? とな。
ちなみに今日の撮影は、*istDsは全部MFモードだ。1つの理由はSIGMAのレンズが
重量級であってピント駆動が遅いからだ。 もう1つの理由は、近接撮影時には
楽器と顔が構図上の端と端になるケースがほとんどだ、このときにAFでは測距点が
そこまで端をカバーしていないことと、仮にカバーしていても、顔と楽器のどちらに
ピントを当てるか瞬時に判断して切り替えるのは現代のカメラのAF操作系では無理だ、
だから、MFで手で回す。 あるいは置きピンを使って最初からピント位置(距離)を
決めてからプレーヤーに寄るんだ。
じゃあ、EOS 20Dで50/1.4だったらどうか? これはUSMがあるから、シームレスに
AFとMFを切り替えることができる、でも最初の1ショットでいくら定評がある
速いAFとは言え、合わせるのにちょとタイムラグがある。 はっきり言えば実用上は
「遅い」と言わざるを得ない。 風景や花を撮っているんじゃないんだ、あるいは一定の
速さで一定の場所から近づく電車やレースカーを撮っているわけでもない、
そんな「甘い」シチュエーションでカメラの撮影性能を比較してもまったく意味が無い。
暗い場所で照明がころころ変わり、ひっきりなしに動くプレーヤー、しかも深度が
浅いレンズでピントを当てる点も不定でおまけに端っこにある、そんな状況では
どんなに優れたAFでも何の役にも立たない。
この写真ではAFを使ってもいるが、それでもAFのそうした弱点を知って、
顔とプレーヤーの手がほぼ等距離になる、「仮想のピント平面」を意識して撮影
アングルを決めて撮っているんだ。」
霜月「ううむ・・ わかったが、そんなの瞬時に考え付くのか?」
匠「・・・撮っているときに考えても間に合わない。撮る前に考えて立ち位置を決めるんだ」
霜月「難しすぎるぞ・・(汗)」
匠「・・・霜月が、技巧、技巧というなら結果は結局そういうことだ、
そんなのを追求していってどうなるんだ? そこから生まれる写真が良い写真なのか?
そりゃあ、このベースの写真はよく撮れてはいるが、まあ霜月の言うようにフツーだ。
それより、SAXの落合さんのピースサインの写真の方が面白いことはないか?」
霜月「ああ・・そうだな。 でもピースサイン写真は技術はいらない」
匠「・・・ライブを撮るのにメンバーの方と仲良くなって・・ で、その為には、
毎回毎回のライブに参加して、ボランティアで写真を撮り続け、できあがった
写真を渡して、喜んでもらって・・ その結果で撮れる写真だ。
撮り易い環境を作りあげ、自分しか撮れない写真を撮る、それもまた技術だ」
霜月「はっ! ・・ううむ・・ そういうことか・・」
匠「・・・今日私が言いたかったこと、何か気が付いたかな? じゃあまだ撮るぞ」カシャ。
霜月「ううむ・・ ということは、飛んでいるお兄さんも友達なのか?」
匠「・・・よくわかったね(笑) タニヤン氏だよ。 ライブ会場で知り合ってから、
最近は匠ブログにコメントを書いてくれていたりもしている。
「男の人は載せてもらえないのかなあ?」って言っていたから、
「何かパフォーマンスやってくれれば」と答えておいた(笑)
今日の写真の最初から3枚目もタニヤン氏だよ。」
霜月「むむ・・ 写真はコミュニケーションが大事だと、そういう事か」
匠「・・・それは勿論その通りだが、今日言いたいこととはちょっと違う。
いいか、霜月の言う技術ってのは、完全に自分本位なんだよ、
ストイックに自分の知識的、身体的な能力を高めていって修練すれば、高い技術が
生まれる、そう思っているだろう?
でもそれは誤り。そういう事も大事だが、それだけでは、まるで仙人の修行だよ、
写真というものは仙人のように俗世間との係わりを排除した世界で成り立つものではない、
人物を撮るならばコミュニケーションや信頼関係が必要になるんだよ、
美人のモデルさんを綺麗に撮っても、お人形さんのような美しさや憧れの気持ちは
伝わるけど、そこに人間と人間の関係や感情は伝わってこないな。
なので、写真を撮るためには、そうした人間関係とか環境作りも大きなポイントに
なるんだ、このあたりは霜月の解釈とほぼ同等だな、そこはいいな?
で、さらに言うなら、人物写真の範疇に留まらず、写真を撮るためには、撮り易い
環境作りが重要になる、機材の選択もそうだけど、じゃあ、その機材の性能を最大に
発揮できる条件は何なのだ? もちろん天候とか場所とか構図とか色々あると思う
けど、もっと広い視点で考えてみれば、それは被写体を自分とは別の世界だと
切り離して考えないという気持ちだろう?
映画や音楽やスポーツを楽しめと言うのもそれだよ、被写体を見る目、感じる心、
そういうのをまず心がける、そうなれば、その被写体が無生物だったとしても
なんとなくそこにはコミュニケーションが生まれてこないか?
だから、それはクラッシックのコンサートで、同じホールにいるのに、まるで
あたかもガラス越しに演奏者を見ているような感覚とは違うものなのだ、
ガラスは取り払わなければならない、それを取り払うのも技術だし、それを取り払った
ときに、初めて霜月の持つ技術(技巧)が役に立つんだ、わかったかな?」
霜月「むむ・・ は・・ はい・・ わかりました」
匠「・・・うん、素直でよろしい(笑) だいたい、いつも霜月は私の言うことを
素直に聞かずにいつもナマイキな口調で答えるばかりだった、それはつまり
自分自身の実力を増やしていけば、人との係わりなんかどうでもいいと考えて
いる証拠じゃないのかな? そりゃあ若いから色々そういう部分は理解できない
かもしれないけど、技術というのは自分1人の力だけでは成り立たないことも
良く理解してもらいたいな」
霜月「はい・・
(こ、これが、老練ということなのか? いや、匠氏はそんな歳でもないな(笑)
でも、なんとなく良くわかった、今のオレに必要なのは技巧としての技術では
なくて、様々な人生経験なのだろう・・ その経験からくるノウハウを持って
写真撮影に生かす、そうすればオレの技術も生きてくる・・
よし、これだよ、これでEMAなんか簡単に吹き飛ばせる、これっきゃないな)」
匠「・・・内心EMAに勝てると思っているのだろう?
でも、甘く見るなよ、女性は短期間で多くの人生経験の考えを積むことができるんだ、
EMAはまだお嬢様だけど、そうだな、2~3年もすれば、いい意味の「オンナ」だよ、
そうなったら、男は苦しいぞ・・ 男はいつまでたっても男の子だからな・・(笑)」
霜月「ぐう・・ じゃあ、いったいどうしたら・・」
匠「・・・まあまあ、焦らずに・・ このシリーズ、後編もあるしな(笑)」