さて、お題はテーマ写真であるが、恒例の組写真シリーズともいえるかもしれない。
これまで、組写真シリーズでは、たとえば、同一の(イメージを持つ)被写体を
揃えるタイプの組写真や、ある感情を引き起こす組写真(例:怖い写真)、
それから、「ペア」と題して、ペアに見えるものを街角から探して作画意図を作り出す、
という話をしてきた。
あるいは、ごく弱い作画意図を連携させて、見る人の想像性を喚起するという手法に
ついても紹介してきた。
今回は、感情のシリーズで「飲みたい気持ち」をテーマとして撮る。
実はこういうテーマは簡単・・ 飲み会、宴会、などは、比較的誰でも日常のヒトコマとして
経験している事であろう、そして、写真好きの人ならば、そんな場に、必ずと
言っていいほど、カメラを持ち込んでいるに違いない。
そして、飲み会では、当然のごとく面白い写真が沢山撮れる。
もし、撮影会などに行った後、仲間と飲む機会があるならば、その時点で
メモリーカードの残数は、かなり余分に残しておくのが望ましい、
下手をすると、撮影会で60枚位しか撮らなかったのが、飲み会で100枚撮るなんて
いうこともザラにあるからである。
楽しい気持ち、それは写真を撮る、という意味での大きな理由になるからである。
作例に特に解説はいるまい、いずれも単純に「飲みたい」という気持ちを前面に押し出した
作画意図である。
クマの人形はもちろん演出写真、まさか今時のカメラマンで
「写真は、あるがままの姿を写さなければならない・・」といった制約を課して撮って
いる人はいまいが、まあ仮にいたとしても、演出と非演出の差をうんぬん言って
両者の芸術的価値がどうのこうの・・など述べる人はいまい。
何故なら、著名な写真家においても、演出写真として1つのジャンルを築いている事が
既成事実になっているから、その演出写真が芸術的価値が無い、などは、もう誰も
言い様が無いからなのである。
ビールのピッチャーを飲む女性も実は演出写真(汗) 今年成人式を迎えハタチになった
ばかりのM嬢が、ピッチャー1杯を飲みほせる筈も無いであろう(まあ・・実際は飲める
かも知れないが・・笑)そこで、ほとんどカラになったピッチャーを持ってもらっての
撮影である。
最後の1枚は、酩酊した雰囲気を出すための特殊回転ブレ加工。
実はもう少し細かい事を言うなら、背景に座っている男性の肖像権を守るという意味も
あっての加工である。つまり表現と倫理の一石二鳥の加工処理。
何度か言っているが、報道とかの大義名分が無いかぎりは、許可なく見知らぬ人の写真を
掲載したり発表したりしてはならない。
たとえば、もし、背後の男性が妻帯者で、背後の女性との不倫現場を撮られてしまい、
離婚調停などに発展したら、非常にまずい事になる・・まあ、そうでなくても、人はそれぞれ
大人の事情を抱えている事があるから、ともかく、知らない人の画像を勝手に載せない事が
重要である。 「肖像権なんて知らなかった」などとは言わないように気をつけたし。
「何でそんな事に神経質になる、載せる側の自己責任だろう?」という意見もよく聞く、
けど、要は、そんなことにも配慮していないのか・・という風に見られて、その人自身を
貶めてしまうことが、見ていて歯がゆいのである。私が直接指摘することは、それこそ
載せている人の自己責任と思ってから皆無なのだけど・・
知らんでやっているのはとにかく無知をさらしているようで格好悪いからなあ・・
知っていてやっているなら・・もう勝手にどうぞ・・(苦笑)
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さて、今回のテーマ写真は、ある種の感情、であった。
ブログに複数の写真を載せるときは、まあ基本的には常に組写真あるいはテーマ
がある事を意識するのが良いと思う。
ブログの読者としての立場からして、なんともコメントしずらい例としては、
A)ある場所に行ってきました 1枚、2枚、3枚・・(以上報告終わり、かよ?)
B)この子(子供、女性)可愛いでしょう? 1枚、2枚、3枚・・(単にアングル違うだけ?)
C)この花を綺麗に撮りました 1枚、2枚、3枚・・(誰が撮っても同じかと・・汗)
D)どの写真がいいですか、選んでね 1枚、2枚、3枚・・(まずは自分で選べよ!)
E)新緑をレタッチで色を少し変えました 1枚、2枚、3枚・・(で、それは実験なの・・?汗)
・・などがあげられる。
「それらが何故いけないんだ?」と言う人も多いかもしれないが、ここのところ何度か
言っているように、完全な自己視点からだけでは、コミュニケーションを取りにくい、
・・・わかりやすく言い方を変えれば、「ツッコミにくい」という事なのである。
そんな事からも、是非「見られる視点」と言う事も意識してもらいたいと思う・・