2017年6月18日(日)に大阪府高石市にて開催された
「第7回目堺泉北港スモールドラゴン大会」の模様より。
今回「中編」では、ドラゴン専業チームによる「混合の部」の
レースの模様と結果について、写真を交えて紹介していこう。
本大会の会場である「府立漕艇センター」は、海水ではあるが
全長約4Kmの水路状の内水面であり、大きな波などは立たず、
ボート競技には適した環境だ。
対岸の浜寺公園までの水路の「幅」は、およそ200mと
ボート競技には十分な余裕がある。
類似の大会環境として、関西空港がある、そこは1期島と2期島
の間に全長約2.4km、幅200mほどの水路があり、そこで
「関空(KIX)ドラゴンボート大会」が、毎年8月の最終週に
行われている。
関空では、水路は「コ」の字型に区切られていて、潮流が抜けて
いく訳では無いのだが、外海に近い分、風や潮汐などで波が立つ
事もある。
「関空大会」では、通常5~6艘建て(同時に6艘のボートに
よるレースという意味)で行われ、最大時は確か「7艘建て」も
あったように記憶している。
本高石大会も、関空と同じ約200mの水路幅なので、同様に
6艘建てレースを行う事も物理的には可能であるが、ボートの
数が不足という問題がある。
一昨年まで、本大会は長い水路長を活用した「500m」の中距離
戦が行われていた、この距離だと漕手の体力なども考慮して、
20人漕ぎの「レギュラー艇」によるレースが望ましい。
しかし、昨今のライフスタイルの変化により、アマチュアスポーツ
において、休日に20数人からのメンバーを集める事は難しい。
海外ではドラゴンボート競技の「地位」が高いので、さほどでも
無いかも知れないが、日本国内では、ドラゴンはまだまだマイナー
なスポーツである。
そんな理由から、現在、国内では、10人漕ぎの「スモール艇」
を使ったレギュレーション(ルール)に移行してきている。
この傾向は数年前から始まったが、意外に早く普及し、
現在でも20人漕ぎのレギュラー艇が主流の大会はあるが、
そこに10人漕ぎレースを併用しているケースも多く、
「20人漕ぎしか無い」という大会は、関西圏においては
もはや「関空(KIX)大会」と、琵琶湖の1000m大会の
2つしか無い、まあ、1000mは長距離戦なので20人漕ぎが適正
であろうから、結局残る20人漕ぎ大会は「関空大会」しかない。
が、問題点があって、まだ10人漕ぎのスモール艇は、関西圏には
あまり数が無い。よって、それを持っている場所から移送する
事で大会を実施している。本大会でも使用艇は京都の宇治市から
遠路はるばる運んできたものだ。
しかし艇数は4艘しか無いので、これを使いまわしてレースを
行うしかない。もし倍の8艘あれば理想的で、4艘建てレースを
交互に行えるので、前のレースをやっている最中に次のレースの
準備に選手達が乗艇する事が出来る。これはレースの時間効率が
飛躍的に良くなる。
あるいは、決勝戦等で、6艘を使った迫力満点の多艇レースも
可能になる。
まあでも、これは現在、たまたままだスモール艇が少ないから、
というだけの理由なので、いずれ艇の数が増えてくれば問題点
では無くなる事であろう。
さて、上写真は「Rowing Team 浪わ」の予選レースの模様。
大阪を練習拠点とし、古くから活動する大ベテランチームだ、
今日は極めて好調の模様で、予選レースを1位抜けで、
そのまま準決勝に進出だ。
「浪わ」は、現在、事務局が奈良県吉野郡、となっている
代表の方の住所がそこだからだそうだ。
以前、どこかの大会に「浪わ」が参戦していて、紹介アナウンス
で「奈良県吉野郡」という放送が流れ、地元ビギナーチームの
方が観戦していて「奈良の吉野で、ドラゴンが出来るのですか?」
と聞かれた事がある。
匠「いや、無理でしょう。それは事務局の住所であって
練習は大阪でやっていると思いますよ」
と答えておいた。
なお、京都宇治大会や、本高石大会の「市内の部」では、
同様に代表の方の住所が、その「市内」にあれば良い。
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今回、混合の部の中堅ドラゴン専業チームの選手達と話していたら、
専「しっかし勝てないなあ・・・ もし市内の部に出てたなら
優勝できたかも知れないなあ・・」
匠「代表の方の住所がそこだったらよいので、本当にそうしたら
いかがですか?」
専「あはは、じゃあ、5月に宇治に引越してそこで優勝し、
6月には高石に引っ越してまた優勝すれば良いんだ」
匠「北斎だったか、他の画家だったか? 100回も引越しした人
も居たみたいですよ」(注:後日調べると、93回であった)
専「ふ~ん、しかし、そんな事をしたら、地元チームに
怒られてしまうかも」
匠「え~と、手元のタイム表を見ると、あなたのチームよりも
市内の部のチームの方が速いですね、そもそも勝てません」
専「アッハッハ・・ それじゃあしょうがないです!」
「関西龍舟」のテント、今日は少しここでも話しこんでいた。
匠「関ドラさんも、将来有望な若手選手が入ってきてよかった
ですね、確か15歳とか? 最近は将棋とか、卓球とかの
スポーツ競技でも15歳前後の若い人が活躍していますよね」
関「はい、将来の関ドラを背負って立つ期待のホープです」
匠「気をつけないと、他チームに行って(取られて)しまいますよ」
関「それは大丈夫でしょう、選手に保護者(父親?)も居るし、
”関ドラ大好き”な、少年ですから」
匠「ああ、それはそうとも限らない・・
滋賀の方の話ですが、小学生の時にキッズ大会で連覇して、
鍛えられた期待のスーパーキッズなのに、中学に入ると
”親父と同じ舟で漕ぎたく無い、他のチームに行きたい”
とか言い出すようになったとか・・」
関「う~ん、”反抗期”ですか(汗)、そういう事もあるのですね」
匠「まあ、関ドラさんは大丈夫でしょうが、色々ありますね~」
関「そうですね~ なかなか世の中上手くいきませんね」
こちらが、「関西龍舟」の集合写真、
今回、関ドラは「白鷹」「白鹿」の2チームをダブルエントリー
している、両者の実力差は特に儲けてはいないそうだ。
(つまり、良く仕上がってさえいれば、両方とも強い)
「関西龍舟」の本大会における、ここ数年の成績だが、
昨年2016年は何故か欠場(他地区の大会に遠征していたかも?)
一昨年2015年は混合の部にダブルエントリーで優勝と3位。
その前2014年(第4回大会)は、混合とオープンに分散エントリー
して、両方とも2位であった。
いずれも好成績ではあるが、「関西龍舟」としては、かつて
優勝と準優勝を独占する「ワンツー・フィニッシュ」を実現した
大会もいくつかあった。
ここ数年、関西龍舟はメンバーの再編とかで、苦しい時期も
あったが、現在、それも無事乗り越えてきている。
で、そうした時期においても、必ず何処かの大会で優勝する事は
続けられている、正確に全ての記録を調べた訳では無いが、
もしかすると「連続年優勝記録」というものがあれば、関ドラが
1位になるかも知れない。
メンバー再編が完了しつつあるこのあたりで、かつての黄金期の
ように勝ちまくりたいに違い無い。
ワンツーフィニッシュも期待したい所だ。
余談だが、本大会は、西暦の末尾の1の位(例:2017年なら、7)
が、大会の開催回数と等しいので覚えやすい。
ちなみに、本大会は7回目であるが、「堺泉北ドラゴン大会」
となる前に、地元商工会が中心となった「高石大会」として
3回の開催歴史があり、実質的には10回目の大会となっている。
(注:その期間、私は観戦を行っていなかったので、本ブログ
には残念ながら第2回大会以降しか観戦記事が残されていない)
こちらは「吹田龍舟倶楽部」、ただしこちらもダブルエントリー
であり「SRC」というチーム名がそれだ。
SRCは、吹田(S)、龍舟(R)、倶楽部(C)の意味であり、
全く同じ命名方法で、「打艇(だちょう)龍舟倶楽部」も
DRCというチーム名を用いてダブルエントリーだ。
両チームは仲が良いだろうから、恐らくは事前に申し合わせて
こうしたチーム名としたのであろう。
「吹田龍舟倶楽部」(軍団)は近年は好調で、「びわこペーロン」
では連覇を続けているし、本大会も昨年は2位となっている。
しかし、昨年の2位は、優勝と3位に「すいすい丸」(京都)
が入賞していて、「吹龍」としては挟まれてしまっていた。
「吹龍」と「すいすい丸」は昨年も、本大会や、KIX(関空)
そして「びわこペーロン」でも熱戦を繰り広げ、実力伯仲の
ライバル関係である。
しかし、今日は何故か「すいすい丸」は欠場だ。
ライバル不在は「吹龍」としては、ちょっとさびしい状況なのかも
知れないが、代わりに昨年は居なかった強力な大敵「関西龍舟」が
立ちはだかる。「関ドラ」をどう攻略するかが、今日の「吹龍」の
課題となる事であろう。
さて、予選では「吹田龍舟倶楽部」と「SRC」が同レース、
しかし、何故か「吹田龍舟倶楽部」が大きく出遅れている。
良く見ると、10人漕ぎなのに8名しか漕手が乗って居ない、
これは、到着が遅れたのかも知れず、その後の敗者復活や
準決勝では、両チームともフルメンバーとなっていた模様で
順調に勝ち上がっていく。
最終的には、まずまずの結果を出す事になるが、それについては
後述しよう。
集合場所の様子、右側赤のユニフォームが「チーム未来」(大阪)
左側青が「打艇(だちょう)龍舟倶楽部」(大阪)である。
なお、「打艇」のサブチーム「DRC」は、混合の部ではなく
オープンの部へのエントリーである。
今回は、混合とオープンへの異カテゴリー・ダブルエントリー
へというケースがいくつかあり、「打艇」と「DRC」の他
には「Rスポーツマンクラブ」もそのパターンとなっている。
写真は「チーム未来」だが、予選2位で、敗者復活戦に
行く事となるが、そこで残念ながら敗退だ。
それから、「打艇龍舟倶楽部」および「DRC」も
残念ながら、敗者復活戦で敗退であった。
早めに会場から撤収していく「チーム未来」の選手の方(左)
まあ今回は残念でしたが、各大会に参戦する常連チームで
あるので、またどこかの大会でチャンスはある事でしょう。
なお、旧来、本大会あるいは他大会では、チーム間での混成の
コラボチーム(例:「みっくちゅじゅーちゅ」等)が出場
する事もあったが、今年はまだそうしたケースを見ていない、
20人漕ぎは、いざしらず、10人漕ぎであれば、各チームとも
メンバーを集めるのは難しく無い、という事であろうか。
なお、何故か今回、常連専業の「Team BANANA」は欠場と
なっている、メンバーが集まらなかったのかも知れない。
「大阪産業大学 常翔喜龍(じょうしょうきりゅう)」
各大会でお馴染みの、大学発「準」クラブ活動チーム。
ここ数年、戦績はあまり振るわず、上位に入ってくる事は
無いのだが、それでも、大差がついてしまう訳ではなく、
今日も1分6秒台くらいを出しているので、遅いという
訳では無い、しかし、その数秒差があるので、敗者復活戦で
敗退となってしまった。基本は出来ているので、もう少しだけ
パワーアップすれば良いところまで行きそうな気配はするが、
まあ、各大会への参加を楽しんでいる模様なので、あまり勝敗は
関係無いのかも知れない。
ちなみに、「常翔喜龍」のような当て字は、勿論、漢字変換を
かけても直接は出て来ない。
協会の記録係など、他の人はどうやって入力しているかは
知らないのだが、私の場合、「常に、飛翔、喜ぶ、龍」と
順次打って、いらない文字を消して「常翔喜龍」としている。
変換内容を記憶(学習)させても良いが、「1台のPCしか
使わない」という訳では無いので、そういう手順は面倒なので
していない。
余談だが、カメラ等でも、1台しか持っていなければ、色々と
付属品をつけたりしてカスタマイズするのだが、何台も持って
いると、もうきりが無いし、面倒になってしまうので、各々には
手を入れずに使うようになってくる事であろう。
さらに余談だが、技術者の間では、PCの漢字変換機能の事を
「FEP」と昔は呼んでいた。
これは「フロントエンド・プロセッサ」という用語の略語で
あり、その昔、コンピューターが大型機などであった際に
日本語変換などの「雑事」を本体の大型コンピューターに
やらせるのは効率的ではないので、本格処理の前段階、つまり
フロントエンドにやらせる為の「日本語入力フロントエンド・
プロセッサ)(FEP)が存在していた事からの用語となった。
けど、どうみてもPC(パソコン)の世界では、意味が通じる話
では無いので、マイクロソフト社では「FEP」という用語を嫌い、
各国語からの入力部分を「インプット・メソッド」(=入力方法)
と呼ぶようになった。
それを行うエディタ、「インプット・メソッド・エディタ」
の略誤が「IME」であり、「MS(マイクロソフト)IME」は
通称「イメ」などの読み方で、PCユーザーに一般的となった。
なお、かつてのワープロソフト「一太郎」の漢字変換で使われ、
今なお単体製品発売があり。PCのみならず携帯系でも人気がある
「ATOK」は、製品固有の名称であり、いちおう現在では
「Advanced Technology Of Kana-Kanji Transfer」
(カナ漢字変換の先進的技術)の略語とされているが、
開発初期の頃は、「カナ漢字自動変換」の略であったようにも
聞いている。
こちらは、「team 風」(大阪)
ベテランチームであり、大会運営にも経験値が高い為、
各地の大会では「風」のメンバーが多数「役員」として
運営に尽力して下さっている。
概ね大阪の大会では、運営を主とするので戦績は二の次、
他地区(琵琶湖等)の大会に行くと、運営の負担から解放
される為に、入賞などの好成績を収めるケースも多い。
・・と、ここでちょっと私がミスをしてしまった(汗)
通常、「チーム風」は、混合の部にエントリーしているのだが、
本大会は、何故か「オープンの部」にエントリーしていた。
いつも参戦している若手女子メンバーの数が足りず、混合の部
の参加条件を満たさなかったのかも知れない。
完全に勘違いしていたのは私のミズで申し訳ないのだが、まあ
せっかく記事を書き始めた所だし、元々「風」はこちらの記事で
紹介するつもりで、記事の構成を考えていた。まあ、このまま
紹介を続ける事としよう。
で、今日の「風」にはちょっと問題があって、何人かのメンバー
が、風邪による体調不良との事だ。
匠「そうしたら、”チーム風”ではなく、”チーム風邪”
とユニフォームに書いたら?(笑)」
・・と、この時点では、軽口を叩いていたのだが、それが後で
ちょっとした事件に繋がってしまう(汗)、その事はまた後編で
詳しく書くとするが、「チーム風」が原因という訳ではなく、
まさしく「風が吹けば、桶屋が儲かる」的に、遠因が廻りまわって
起きた事だ、そしてそれもまた、別に大きな問題になった訳では
なく、単なる小さいアクシデントなので、何ら心配は無用だが・・
「風」の本日の戦績だが、オープンの部で予選レース2位から、
敗者復活戦に進んで、残念ながらそこで敗退だ。
しかし、多くのメンバーは大会運営を行う役員なので、
そのまま撤収して帰るわけにもいかない、体調不良の方も
混じっている中、大変お疲れ様でした・・
さて、混合の部の話に戻って(汗)
上写真は、準決勝第2組のレースの模様、
手前1レーンが、「Rスポーツマン(MIX)」
2レーン、「SRC」(=吹田龍舟倶楽部のサブチーム)
奥の3レーンは「Rowing Team 浪わ」
ここはなかなか微妙な戦いである、混合の部の準決勝1組
では、「関西龍舟」x2(白鷹、白鹿)と「吹田龍舟倶楽部」
のレースとなり、1位が白鷹、2位が白鹿となっている。
準決勝は2位抜け(2位までが決勝進出)となるので、
すでに両「関ドラ」が決勝進出を決めている。
本大会昨年2位の「吹龍」は3位となって、残念ながら
準決勝で敗退だ、しかし、サブチームお「SRC」がまだ残って
いるので、そこに望みを繋ぐしかない。
注目のレースの中盤戦は、上写真のように1レーンの「R]
が半艇身(約1,5秒)の遅れ、このままでは他の2チームが
決勝進出だ。
「R」は、後半巻き返しを図ろうとするが、差は縮まらず、
「浪わ」と「SRC」の決勝進出が決定した。
これで、決勝進出の4チームが決定、以下は決勝のレーン順だ。
1:Rowing Team 浪わ
2:関西龍舟 白鹿
3:SRC(吹田龍舟倶楽部)
4:関西龍舟 白鷹
優勝争いが注目されるが、それぞれのチームには、勿論
それぞれ勝ちたい理由がある。
まず「浪わ」だが、決勝進出は実に久しぶりだ、
浪「ちょっと場違いな所に来てしまった(汗)」
とも言っていたが、そういう訳でもあるまい。
事実、準決勝では「SRC」を1秒差で抑えて1位となっているし、
今日はチームが、とても好調な模様なので、こういう機会を
最大限に活かしたいと思っているだろう。
舵取りをしている監督からも、珍しく「ゲキ」が入っていた、
ここが「浪わ」としては勝負どころだ。
「SRC」は、昨年の本大会で「吹田龍舟倶楽部」として準優勝
現在、チームの勢いはあるので、今年もまた少なくとも入賞、
できれば強豪「関西龍舟」の、どちらか一角は崩して昨年
同様に準優勝をもぎ取りたい、つまり、「関ドラのワンツー
(フィニッシュ)を、阻止する」という事だ。
「関西龍舟」は、前述のように、2015年に混合の部で
優勝と3位というダブル入賞があったが、その時は、まだ
本大会は500mの20人漕ぎ制であった。昨年2016年は欠場
だったので、今年が本大会では、10人漕ぎの初挑戦だ。
20人漕ぎよりメンバーが集め易い10人漕ぎ、そして、近年では
「ワンツー」という快挙を達成していない、このあたりで、
「新生・関西龍舟」の力を他にも見せつけ、かつチーム内にも
自信やモチベーションを植え付けていかなくてはならないのだ。
何がなんでも「ワンツー・フィニッシュ」する必要性がある。
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さて、決勝前の、シンとした会場。
「Are You Ready?」(位置について)のアナウンスが流れる、
1秒ほどして「Ready...」と、エコー音が返ってくるのは、
対岸の「浜寺公園」の堤防からの反射音であろう。
その距離は往復で400m強、音が進むには1.2秒程かかるのだ。
「Attention Go!」(よ~い、ドン)
直後、まず、会場からの「ワーッ」という歓声、次いで、
僅かに遅れて「ドンドンドン」という太鼓の音が聞こえてくる、
この瞬間がドラゴン観戦の醍醐味だ。
さて、撮影ポジションは、コースの150m地点の横手だ。
レースの序盤は距離があり、角度もある為、写真にはならない。
予想では、2レーンと4レーンの関西龍舟2チームが先行すると
思われる、後続の「SRC」と「浪わ」は、ここも3位争いの
接戦となる事であろう、しかも差は殆ど無いはずだ。
先行「関ドラ」と、後続2チームの差が最終的に4秒以上
開くのであれば、この撮影地点では、約3秒の遅れ、
これは、約1艇身に相当するから、写真の画角内には
「関西龍舟」の2チームだけが写る事になる。
3秒以内の少差にまで「SRC」と「浪わ」が食い下がって
いれば写真構図内に、全ての艇が入り、かつ3位争いの様子も
わかるから、最もこの決勝レースの模様を端的に表現できる
構図となる。
まあ、このようにレース展開を考えて、撮影位置を決める
必要があるという事だ、一箇所に留まっていたら、ドラゴンの
撮影は難しい。
さて、関ドラ独走か? 接戦か?
レース開始から、およそ30秒の中盤、予想通り「関西龍舟」の
2チームが他の2チームに対して、差をじりじりと広げていく
開始から、およそ50秒・・ さあ、艇が目の前を通過する。
「関ドラ独走、ワンツー決定!」
残念ながら後続チームは追いすがる事にはならなかった、
残るは、3位争いだが、ここは「SRC」が僅かに先行したか・・?
ここで混合の部の決勝タイムを紹介しておこう
優勝:関西龍舟 白鷹 59秒76
2位:関西龍舟 白鹿 1分00秒88
3位:SRC 1分05秒18
4位:浪わ 1分06秒41
「SRC」が3位入賞、「浪わ」は惜しくも久しぶりの入賞機会を
逃した。
表彰式は、関西龍舟の期待の若手メンバーが受賞。
「関西龍舟」は久しぶりの「ワンツーフィニッシュ」となった。
これで連続年優勝記録も安泰、これからまた関西龍舟は、新たな
黄金期を迎えるのであろうか?
いや、その前に、まず来月(7月)には「日本選手権」がある、
混合の部では、関ドラは毎年のように決勝進出しながらも、
ずっと「トリッドストーム」「INO-G」「東京龍舟」
という”関東勢”に、優勝をさらわれ続けていた。
久しぶりに「混合の部」で近畿圏に優勝旗(トロフィーだが・・)
を引き戻したいと考えている事であろう。
新生・関西龍舟の真価が問われるのは、まさにその「日本選手権」
である・・ まあ、また観戦の楽しみが1つ増えた事になる訳だ。
さて、本記事はこのあたりまで。
次回「後編」では「オープンの部」の模様を伝えていこう。