さあ、今年も間もなくドラゴンボート・ペーロンの熱い季節が
やってくる。
今回の記事では、本年2017年の上半期として、4月末~7月末に
全国で行われるドラゴン&ペーロン大会の日程をお知らせしよう。
同時に、私が観戦した事がある大会では、大会の模様の写真を
掲載、および、その大会の見所と評価点を示して行く。
----
まず最初の大会
4月30日(日)
いさドラゴンカップ2017(鹿児島県・伊佐市)
残念ながら私は未観戦の大会である。
上写真は、昨年2016年10月23日に滋賀県で行われた
「第4回スモールドラゴンボート日本選手権大会」での
花形カテゴリー「選手権オープンの部」で、国内最強と言われる
「bp」を破って見事3位に入賞した「伊佐龍舟」だ。
ただ「伊佐龍舟」というチームが、上記「いさドラゴンカップ」
に出場しているのではなく、こちらは鹿児島地区の選抜メンバー
であり、琵琶湖への遠征用のチーム編成だと思われる。
同大会は未観戦ではあるが「伊佐龍舟」からの情報によると、
70チームくらいが集まる九州では屈指の大規模大会だそうだ。
そして、会場の川内(せんだい)川は、2020年に鹿児島県で
国体が開かれる際のボート競技(カヌー等)の会場にもなる
そうだ。(オリンピックイヤーなので覚えやすい)
九州には強豪チームが多く、このスモール選手権や日本選手権
大会(大阪)に参戦すると、たいてい入賞をもぎ取っていく。
遠距離なので、毎回選手権クラスの大会に出場できるわけでは
無いのだが、九州のチームがエントリーするだけでも大会には
緊張感が走る。
「いさドラゴンカップ」も、いずれ機会があれば観戦に行きたい
とも思っている。
----
さて、次の大会。
5月7日(日)
第5回宇治川・源平・龍舟祭(京都府・宇治市)
京都屈指の観光名所、平等院(世界遺産)の、すぐ裏手の
宇治川で行われる、京都府下では希少な(2大会しか無い)
ドラゴンボート大会である。
JR宇治および、京阪宇治の両駅からもさほど遠くない会場であり
アクセスが容易で、風光明媚な好環境だ。
観光地ゆえに、観客もかなり多い。
一般にドラゴンやペーロン大会は、辺鄙な場所にある会場で
行われる事が殆どで、あまり多くの観客数は期待できないが、
本大会は別格だ、観客の多さに選手達も気合が入る事であろう。
そういう事情からか、本大会では「仮装推奨」となっていて
多くのチームが、なんらかの仮装をしてきて、観客の目を
楽しませてくれている。
競技志向はあまり高く無いが、それでも市内の部、市外の部の
実質的な「実力別カテゴリー分け」制度である。
なお、市内の部も結構見所がある、一般的には市内の部というと
ビギナーチームばかりであり、いわゆる「ドラゴン専業チーム」
との実力差は明白で、仮にカテゴリーを分離していたとしても、
あまり見所が無い事が多い。
だが、本大会では少し様相が異なる。それは、本大会常連の
市内強豪チームが数チームあり、それらのチームが毎年熾烈な
優勝争いを繰り返しているからだ。
「ドラゴン専業チーム」の選手達は、恐らく、自身の参加する
「市外の部」の戦績にしか注目していないかもしれないが、
一度「市内の部」を真剣に観戦してみると興味深いと思う。
ちなみに、競技ルールは、10人漕ぎの200m戦で、2艘建ての
マッチレースである。
なお、選手達には「宇治スイーツ」の金券が参加賞として
配られるので、大会終了後は、観光を兼ねて賑わう商店街で
スイーツや土産を選ぶのも、本大会の楽しみであろう。
最後に本大会の評価を示しておく。
競技志向 :★★
大会環境 :★★★★★
エンジョイ度:★★★★
観戦の楽しさ:★★★
(★=1点、☆=0.5点)
----
次は未観戦の大会だ。
5月21日(日)
東京ドラゴンボート大会2017(東京都・お台場)
年平均10数大会と、多くの大会を観戦していている私であるが、
さすがに関西圏を離れて、あまり遠距離の大会を観戦に行く
事は難しいので、東京大会は未観戦となってしまっている。
いずれ機会があれば観戦してみたい大会である。
----
さて、次の大会。
5月28日(日)
相生ペーロン競漕(兵庫県・相生市)
毎年5月の最終日曜日に行われている、100年以上の長い歴史を
誇る大規模ペーロン大会だ。
昨年2016年の本大会は、他の行事と日程がかぶって、7月に変更
になった、が、今年については例年通り5月末の日曜日だ。
なお、ペーロン競漕の前夜には、関西圏ではもっとも早いと
思われる花火大会があり、ペーロン当日も市内全体がお祭りと
なり、来場者数は数万人!と、他のドラゴン大会などとは全く
比較にならない多数の人出がある。(この大規模な祭礼での
警備体制を敷く為に、他の行事と同時開催が困難なのであろう)
その最大の特徴は、本大会独自のペーロン艇を使用する事だ。
そして、ペーロン大会ではおなじみの「ターン」がある。
具体的なルールだが、予選は300mのコースを往復する600m戦
決勝は、1往復半(2ターン)での、900mの長距離戦となる。
男子は「磯風漕友会」、女子は「スーパードルフィン」が
連覇を続けている、ドラゴンボートでもおなじみの超強豪で
かつ兄妹チームでもある。どこまでその連覇記録を伸ばすのが
見所だ。
そして勿論、勇壮なターン戦もまた面白い。
つまり、ターンの良否で順位変動が起こりうるのだ。
一般の直線のみのドラゴンボート大会では、接戦以外の
パターンでは順位変動はまず起こらない、速いチームは
そのまま差をつけてゴールするのだ。
だが、ターン戦は違う、ここで順位がひっくり返る事が
頻繁に起こるのだ。
そういう意味では、観戦の楽しみが大きい大会である。
さらに言うと、本大会はリーグ戦である。つまりサッカーの
J1.J2のように、成績次第でリーグ(1部、2部)間での昇格や、
降格がありうる、厳しい世界であるが、そのあたりまで
チームの様子に注目すると、さらに観戦の楽しみが増える。
ただし、リーグ戦は市内常連チームのみであり、市外からの
参加チームの場合には基本的に別カテゴリーにて成績が決まる。
競技志向 :★★★☆
大会環境 :★★★
エンジョイ度:★★★★
観戦の楽しさ:★★★★
----
さて、次の大会。
6月18日(日)
第7回堺泉北港スモールドラゴンボート大会(大阪府・高石市)
本大会は、一昨年まで500mの中距離戦(20人漕ぎ)であったが
昨年2016年)の第6回大会より、10人漕ぎ、200mの短距離戦に
変更された。
まあ、スモール化(10人漕)は、時流であり、今や何処の
ドラゴンボートでも、10人漕ぎのみ、あるいは10人漕ぎの
カテゴリーが存在している。それが無いのは、関西圏では
もはや、KIX(関空)大会と、1000m選手権(滋賀)のみ
という状況だ。
全国から強豪が集まってくる大会でもあり、上写真は
鳥取県から参戦の「しげる」チームである。
「しげる」は強豪であるが、移動距離があるため、関西圏の
全ての大会に参戦している訳では無い、けど、いったん参戦
すると、たいてい上位に入賞するので、他チームからすれば
「今回は”しげる”は来ているのか?」と、動向が気になる
チームである。
こちらは、愛知の強豪「東海龍舟」、このチームも入賞率が
抜群に高く、安定した実力を保ち続けている事が特徴だ。
勿論、他チームからすれば非常に気になる存在である。
それと、国内強豪のみならず、海外からも参加するチームが
よくある大会だ。
さて、本大会は、あまり雨降りに見舞われた記憶は無いのだが、
昨年2016年は、ちょっと酷い雨であった。
まあ、毎年6月の梅雨時に行われる大会なので、いままで
あまり雨降りが無かった事自体が不思議だったかも知れない。
なお、大会会場である大阪府立漕艇センターは、最寄駅
(南海羽衣線、高師浜駅)よりは約2kmと遠く、徒歩で行くと
非常に時間がかかってしまう。(路線バスは無い)
この為、大会当日に限り、南海電車の高師浜駅近くの
「臨海スポーツセンター」の西側空地より、大会会場までの
無料シャトルバスが15分~30分間隔で運行されているので、
応援観戦等では、それを利用すると簡便だ。
競技志向 :★★★☆
大会環境 :★★
エンジョイ度:★★☆
観戦の楽しさ:★★★
----
さて、次の大会。
6月→9月(変更予定)
静岡県ドラゴンボート御前崎市長杯(静岡県・御前崎市)
例年6月末に行われる本大会であるが、今年は9月に変更に
なる可能性が高い。
一昨年2015年の本大会は、風速15mを越す超強風で当日中止。
昨年2016年の本大会は、大会会場に「防潮堤」を設置する工事
により会場が使えず中止、と、2年連続で中止になってしまった
不運の大会だ。なお、それと同様に、KIX(関空)大会でも
2年連続台風で中止という事があったので、まあ、さすがに
多少の雨などでは問題なく行われるドラゴンボート大会でも
そういうケースもありうる、という事だ。
なので、写真は3年前(2014年)の大会の模様だ。
本大会は、地元ビギナーチームの参加が多く、50チームを
超える中大規模大会である。
御前崎市長杯という名前の通り、市長自らが率先して大会を
支援し、会場にも足を運んで観戦している。
大会ルールだが、ちょっと流動的だ。
3年前のレギュレーションでは、20人漕ぎの200m戦だったが
前述したように、ここ数年のドラゴン界ではスモール化が
加速している、ただ、御前崎大会で使用するのは20人艇なので
2015年(当日中止)では、16人漕ぎの変則ルールを採用する
はずであった。
また、大会会場の工事の問題がある。
静岡県は「南海トラフ地震」の災害対策の為、「防潮堤」
などが各地に設置されている、なので、代替会場を用いる場合、
200mの直線コースが取れなくなる可能性もある。
例えば、同じく静岡県の静岡市清水区で毎年10月に行われて
いる「ツナカップ」では、200mの直線が取れなくなり、
2015年の大会から、150m戦の「超短距離戦」に変更された。
ただ、これはこれで、通常の200m戦よりスピーディで
なかなか面白い。具体的には、通常のドラゴン戦でのペース
配分は、スタート→巡航(クルーズ)→ラストスパート
という感じなのだが、スーパースプリント(超短距離)戦では
中間部のクルージング(=当然ペースダウンする)の部分が、
ほとんど無いのだ。しかし、完全に巡航無しで、最後まで
漕ぎきるのは、かなりの体力や技術を必要とする困難な戦法だ。
なので巡航部のレート(ピッチ)を、できるだけ落とさずに、
かつその時間をいかに短くできるかが、各チームの戦術と
なる訳だ。
これはなかなか興味深いので、もし御前崎大会も会場の都合で
超短距離戦にするのであれば、それはそれで有りだと思う。
なお、本大会は、あまり関西圏のチームに知られていないのか、
関西から参戦のチームが少ないのが課題だ。
(注:関東圏から参戦の専業・準専業チームは多い)
同じ静岡県で行われている「ツナカップ」は、近年「楽しい」
という情報が全国的に広まり、関西圏から参戦のチームも多く
なってきている。
本大会会場は、鉄道(新幹線)等で来るには、かなり大変な
場所にある、掛川駅または菊川駅から、バスを2回乗り換え、
さらにそこから徒歩で、相当に距離がある。
ちょっとそこだけが本大会の弱点なのであるが、参加チームは
乗用車に分乗して来るなどの措置が適切であろう。
御前崎は風光明媚な土地であり、勿論「海の幸」に恵まれて
いる、その他のグルメや、観光がてらの参戦も十分にありだと
思うので、各地からのエントリーを期待したい。
上写真のような、美人の「御前崎市キャンペーンレディ」が
きっと出迎えてくれる事であろう。
競技志向 :★★★
大会環境 :★★☆
エンジョイ度:★★★☆
観戦の楽しさ:★★★
----
さて、次の大会。
7月16日(日)
2017天神祭奉納日本国際ドラゴンボート選手権大会(大阪市)
(通称、「天神大会」または「日本選手権」)
言わずと知れた国内最高峰の権威のある大会である。
本大会の各カテゴリーで優勝すれば、まあ、その年の「日本一」
チーウであると言えよう。
優勝・入賞(3位まで)できないまでも、決勝進出するだけでも
立派な「戦績」として数えられるのは本大会くらいである。
大阪・天満橋駅(京阪、地下鉄)の駅前の大川で行われる為、
大会アクセス環境は抜群に良い、また、都心であるため、
観客の数もかなり多い大会だ。
まあ一種の「大舞台」であるから、選手達にとっても、
非常にやりがいのある大会であろう。
ただ1点、弱点としては、「大川」は「水都大阪」の大動脈で
ある為、多数の船舶(水上バス等)が頻繁に通過する。
船舶の通過時には、レースを中断せざるを得ない。まあこれは
やむを得ない事だが、その点のみ、大会環境評価がわずかに
減点となってしまう。
そして、東京大会と本大会の成績で、海外大会に参戦する
日本代表チームが決まる、逆に言えば、この両大会を制する
だけで、海外へ進出ができるのだ。
他のスポーツ競技で日本代表になるのは至難の業だ、この点、
ドラゴンボートは他のスポーツ競技に比べ、極めて「世界が近い」
競技だと言える。
ルールは、250m戦、20人漕ぎで、だいたい5艘建てで行われる。
カテゴリー分けはオーソドックスな、オープン、混合、女子、
シニア、といった感じであるが、近年では「スモールの部」が
新設され、10人漕ぎでレースを行う為、ビギナーチームでも
参加する事は可能だ(ただし、相当にレベルが高い事は確か
なので、もしビギナーチームが出場して敗退しても、がっかり
する必要は無い、他のチームが強すぎるたけであるのだ)
20人漕ぎの各カテゴリーは、全国から(海外も)超強豪チーム
が集まる、前述のように決勝に進出するだけでも、大変な事だ。、
上写真のように、毎年海外からも強豪チームが参戦する大会だ、
海外チームはアジア圏が多く、すなわちドラゴンボートの
本場である。
「ゴリゴリ」の海外強豪チームと対戦するのも、選手達に
とっては、とても良い経験になるかも知れない。
ともかく、競技志向全開の大会である。
競技志向 :★★★★★
大会環境 :★★★★
エンジョイ度:★★★
観戦の楽しさ:★★★★
----
さて、上半期ラストの大会。
7月末(未定)
第26回高島ペーロン大会(滋賀県・高島市)
本年の日程はまだ情報が入ってきていない、例年では7月末の
日曜日に解散なので、恐らくは7月23日(日)または
7月30日(日)となるであろう。
琵琶湖で行われる本格的なペーロン大会であり、歴史も既に
四半世紀を超えている伝統のある大会だ。
毎年、本ブログでは年末に、「ベスト大会編」という記事を
掲載している。これは、その年のドラゴン、ペーロン大会で
私が観戦したものの中から、特に印象に残った大会を紹介する
記事なのだが、例年、本大会は上位に入ってくる。
本大会の最大の特徴は「観戦していて非常に楽しい」大会で
あるという事だ。
というのも、本大会専用のペーロン艇は、FRP製で極めて
不安定だ、これを上手く操船するには高い技術が要求される。
大会に参加するのは、地元系常連チームも多いのだが、1年に
1度程度の操船経験では、なかなか上達する事も無い。
よって、本大会では、蛇行、衝突、転覆、落水、などの
ありとあらゆるアクシデンドが頻発する、極めて「デンジャラス」
な大会なのだ。
まあ、選手側はとても大変であり、かつ失礼かもしれないが、
観戦する側としては、これほと面白い大会は他に無い。
ルールだが、専用FRP製ペーロン艇、11人漕ぎ(チームは、
舵、銅鑼、船長、そして監督を加えた15人で構成される)
300mのコースを1ターンで、計600mの中距離戦。
タイムアウト制があって、6分以内にゴールできなかったら失格
となってしまう。これはなかなか余裕の無いタイム設定であり、
毎年多くのチームが失格となってしまう。
一般に実力別カテゴリー分け制度が採用されるが、昨年)2016年)
の大会のみ、25回記念大会としてノンカテゴリー制となった。
なお、地元強豪チームがいくつかある事に加え、数年前から
ドラゴンボート専業チームがいくつか、本大会に参戦している。
よって、決勝戦では非常にハイレベルな戦いが繰り広げられる。
ただし、「ドラゴン専業チーム」だといっても気を抜けない、
なにせ、ターンや、不安定な艇の操船により、勝負はまさしく
「蓋を開けてみないとわからない」状態なのだ。
私も、観戦していて、まったく順位予想が出来ないだけに、
逆に、とても面白い。(ちなみに「優勝予想投票」がある)
なお、参加料は安価であり、逆に、入賞すると現金の賞金が出る。
主体の滋賀県高島市によると、
「ドラゴン専業チームの参加は大歓迎」とのことであるので、
このデンジャラスかつユニークな大会に挑戦してみるのも
良い経験になると思う。
それと、琵琶湖もこの高島市あたりまで北上すると、水がとても
綺麗で、風光明媚である。都会の大会会場での「利便性」とは、
また違う意味での大会環境の良さも特筆するべき点だ。
競技志向 :★★★
大会環境 :★★★★
エンジョイ度:★★★☆
観戦の楽しさ:★★★★★
----
その他、詳しい情報が手元に入ってはいないが、上半期に
おいては、以下のローカル大会が各地で行われる予定だ。
7月(?)東近江ドラゴンカヌー大会(滋賀県)
7月(?)第10回豊見城ハーリー大会(沖縄県・豊見城市)
7月(?)京丹後市ドラゴンカヌー選手権大会(京都府)
7月(?)長崎ペーロン選手権大会(長崎県)
ただ、実のところ、日本国内各地では、数え切れない程の
「船競争」のローカル大会が行われている。
そして、この記事では多人数の手漕ぎボートによる、いわゆる
ドラゴンボート及びペーロンの大会に特化して紹介していて、
カヌー、カヤック、ヨット等の大会情報は含まれていない。
なお、8月~10月の下半期のドラゴン&ペーロン大会の
日程については、追って7月頃に紹介していくことにしよう。