写真は奈良町にて。
【玄人専科】タムロンF2.5の謎~タムロン・アダプトール・スーパーマニアック
元々このブログは、スーパーマニアックなブログなので、誰でにも役に立つ情報ばかり
提供できるわけではない、しかしながら、誰も知らなかった情報は、もしかしたら
ここにあるかも知れない。
タムロンアダプトール2は、MF機ファンの救世主である。
マニアの方なら当然ご存知であろうが、アダプトール2は交換マウント方式であり、
タムロンのレンズを1本買うだけで、マウントを付け替える事により、様々なメーカーの
ボディに装着する事ができる。
とは言え、マニアは標準ズームなどをわざわざアダプトールで買うわけが無い。
マニアは、ボディが欲しいのではなく、基本的にはレンズが欲しいのである。
だから、OMの28/3.5が良いだの、FDの24/2.0が良いだの、リケノンXR50/2が
良いだのと、レンズのおまけ感覚でボディが増えていく。
もちろんボディマニアもいる、T90が欲しいだの、MXが欲しいだの、XDが欲しいだの。。。
その場合も際限なくボディが増えていく。 結局ボディが増えて行く(汗)
さて、ふと気がつくと、実際にお気に入りのレンズ、あるいはボディを持ち出し、撮影に
行こうとした時、そのマウントでは35mmと50mmの2本くらいしかレンズを持って
いない事に気がつく。昔の感覚なら、1本、2本で撮っていたのが、ズームに慣れきった
現代の感覚では、広角や望遠被写体、あるいは接写、それらの撮影が出来ないのが不安で
しかたがない。(中度のズーム病)
しかし、中古レンズはお金があれば買えるというものではない、もともと販売していないものを
探すのだから、運や偶然性があり、たとえば、ペンタA135/1.8とか、ミノルタVFC24/2.8
などは、なかなか入手する事ができない。 そこまでレアでなくても、たとえば、ミノルタMD
とか、OMズイコーのレンズで広角、標準、マクロ、望遠のラインナップを揃えるのは大変
な事である。
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前置きが長くなったが、そこで、アダプトール2の登場である。MFのタムロンには、
17mm/f3.5、24mm/f2.5、90mm/f2.5(マクロ)、105mm/f2.5、180mm/f2.5、
350mm/f5.6ミラー、500mm/f8などのちょっと特殊なレンズ群がある。
これらは、MFマウントのラインナップの穴を埋めるのに、実にちょうど良い。
ミノルタMDやら、キヤノンFDやらでまともなマクロレンズはほとんど存在しないので、
現代のSP90/2.8の元になった、90/2.5マクロなどが使えれば実に心強い。
超広角や望遠も嬉しい。 たとえば24/2.5、純正50mm標準、90マクロがあれば、
まあ、小旅行に持っていってもちょうど良い。
アダプトールは、ガチャガチャと、レンズから取り外して他のマウント用のものをつければ
同じシステムを、ペンタでも、ニコンでも、オリンパスでも、はたまた、コニカやらマミヤZ
やら、マイナーなマウントでも使えるので実に素晴らしい。
私も、このアダプトールのマウントを数十個保有している、自分では持っていないマウント
まで買っておいた。将来そのマウントのボディを購入しても安心だからである。
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さて、ここでちょっと謎がある、17mmやら300mm以上の特殊レンズは抜きにして、
24~180mmまでの常用焦点域のレンズ群が、すべて開放f値が2.5になっている。
アダプトール2は、様々なマウントに取り付けられる複雑なメカである、ちょっと見たところ
では、複雑なのでどうやって各社に合うように作られているかよく理解できない。
そこで、f2.5に限定されている理由は、たとえばあるレベル以上明るいレンズを
設計しようとすると、マウント径の小さいメーカー、たとえばM42やニコン・・といった
ボディへの適合性が失われてしまうのではなかったのか? そこで、f2.5にタムロンの
社内的な設計限界基準を設けていたのではないのか? あるいは各社での互換性を
保つ為には、f2.5より明るい絞りを伝達する設計は機構的に無理であったのだろうか?
この謎は、いまだにわからない。数年前に専門的な掲示板で尋ねた事もあるが、
誰も知らなかった・・・ ネットや雑誌、書籍にも恐らく載っていないだろう。
タムロンの人に聞けば良いのかもしれないが、下手をすると数十年前の設計者は
もういないかもしれない。
このまま、f2.5の謎は残ってしまうのであろうか・・・