
今回はライブの撮り方について。
・・とは言うものの、一般的にはコンサートやライブ
などの撮影は禁止されている事が殆ど。
特にお客さんの立場では自由に写真やビデオを
撮れる事はまず無いであろう。
なので、ライブを撮るケースは、依頼などによる
撮影スタッフとしての立場の場合に限ることになる。
「そんな機会はまず無い・・」
と思うかもしれないが、たとえば友人知人親族
などのライブがあるということで。
「お前、確かカメラやっていたよな? オレ達の
ライブの晴れ姿、写真撮ってくれ、よろしく頼む!」
などと言われたら断りきれないだろうし、
まあ、そんな時に「さあ、なにをどうしたらいいんだ?」
と慌てないように・・という事である。

で、まずは肖像権の課題だが、依頼されているならば
勝手に撮っているわけではないし、本人達にWEBへの
掲載許可を貰っていれば特に問題は無い。
もう1つ大きなポイントであるが、撮影において
「お客様」の観賞を妨げないこと、これが最も重要
だと思った方が良い。撮影スタッフとは言え、撮影
することが最優先課題ではなく、お客様がそのライブ
を楽しんで(喜んで)もらえる事が第一優先だ。
だから、お客様が盛り上がっている時に一番前に出て
カシャカシャとか、そういうのは最悪の行為なので、
絶対に避けなくてはならない。
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今回は友人バンドの
head&tailの撮影、このブログ
では、すでに何度か出ているのでおなじみであろう。
さて、では、ライブをどう撮っていくか?だが・・
<使用カメラについて>
まずはデジタル一眼レフが必須。
コンパクトでも良いが、音楽というものの時間は
想像しているよりもかなり速く流れている、
コンパクトでは必要と思われる一瞬を捉えるには
シャッターのタイムラグが大きく厳しい。
ただ、後述するがコンパクトでもそれなりに使い道が
あるので高感度(ISO1600以上)のものを補助的
に準備しておくのは良いであろう。
一眼レフは同様に高感度領域のISO1600~ISO3200
が実用的に使えれば(ノイズが少ないカメラならば)良い。
(今度発売されるNIKON D3Sのように実用感度
ISO 12800、最大増感でISO 10万2400なんていう
バケモノ機があれば理想なのだが、高価なので
当分は手が出ない・・・泣)
また普及機よりも高級機の方がシャッター(レリーズ)
タイムラグ(遅れ)が少ないので有利であろう。
手ブレ補正機能(内蔵またはレンズ側)は必須では
なく、手ブレが起こるシャッター速度(数分の1秒~
数十分の1秒)では、もはや激しく動くプレーヤー
の被写体ブレを止めることが出来ない。
(=手ブレ補正機能は使えない)
<使用レンズについて>
暗所で少しでも速いシャッター速度が欲しいので、
大口径(f2.8以下)である事は、ほぼ必須の条件。
ズームレンズは特殊なものを除きf2.8止まりなので
より明るいレンズを求めるとズームよりは単焦点と
なるであろう。
焦点距離に関しては、会場の大きさや撮影ポイント
とステージの距離、ステージの幅など様々な要因で
異なるが、今回使用したレンズは
PENTAX FA77/1.8(銀塩換算約115mm)と、
MINOLTA AF200/2.8(銀塩換算約300mm)の2本を
2台の一眼レフにつけて用いている。
換算300mmは冒頭の楽器のアップ撮影などやや特殊な
用途で、普通に使うには長すぎると思われる。
一般的に人物をピン(単独)で撮る撮影方法ならば
銀塩換算100mm~200mm程度であれば良い。
70~200mm/f2.8のような大口径望遠ズームでも良い
と思うが、f2.0クラスの単焦点レンズよりもシャッター速度
が倍遅くなる点は要注意である。
撮影ポイント、アングルが(お客様の邪魔にならない為)
限られるライブ撮影では、単焦点を使った場合は構図上の
自由度が得られない場合があるが、その時は適宜トリミング
するなどで対処すればよい。
<プレイヤー別撮影>「ギタリスト編」
まずは最も一般的なアングル。

一般的だが注意点はいくつもある。
大口径中望遠~大口径望遠レンズを絞り開放で使うと
撮影距離によるが被写界深度はかなり浅くなっている。
まず楽器とプレイヤーの顔を撮影場所からほぼ等距離に
持っていくアングルでないと、どちらかにしかピントは
合わない。(絞り込んで被写界深度を稼ぐのはシャッター
速度低下が著しいのでその方法は使えない)
で、勿論プレイヤーは動き回るのであるが、その動きの
パターンやリズムを読んで(音楽を聴いて)タイミング
を合わせて撮る必要も出てくる。
どうしてもアングル的に無理な場合は、もう顔と楽器
(具体的には演奏する指)の両方にピントを合わせるのは
あきらめ、どちらか一方だけに割り切って撮影する。
また、ギターの場合は左手ができるだけハイポジション
に位置している状況で撮る、こうするとプレイヤーの
左右の手が近接しているので演奏している姿としては
わかりやすい。厳密には左指のフォームや角度なども
できるだけ複雑そうな状況(つまりプレイヤーにとって
難易度が高い演奏中)で撮るのが好ましい。
ここでモノクロにしている意味は2つあり、1つは
プレイヤー系ではモノクロの写真が格好いいからと
好む場合が多いから(実は写真のkillerさんはカラー
派なのだが・・汗)もう1つは、ステージ上の照明の
色はその瞬間瞬間でかなり変わり、真っ青や真っ黄、
真っ赤という写真が良くできてしまう、あるいは
刻々と変わる照明色にAWBもうまく効かず、なんだか
表現できないような変な色味になってしまう場合も
多々ある、そんな時にもモノクロ化する事で、全部
ではないが一部の写真は救済できるという訳である。

ギタリストの中には、ギターは勿論のこと、アンプの
種類やそのセッティング、そしてアタッチメントとも
呼ばれる「エフェクター」(写真)にこだわりを持つ方が
大変多い、つまり、出音はギターのみならず周辺の
機材すべてで変わってくるからなのだが、そういう点
からも、こだわって使っているエフェクターを撮る事で
プレイヤーに喜ばれる事もある。
ちなみにアマチュアのライブではアンプはステージ
(会場)に備え付けのものを使う場合が殆どだと
思われるので、アンプを撮っても喜ばれない(笑)

演奏のアップ写真。
これは200mm(換算300mm)を中距離で用いた例、
勿論右手のみならず左手でも良いし、どれを選ぶか
という判断基準は、何かをしている瞬間とか、
難しそうなプレイの瞬間とか・・
ビデオでは得られない写真の醍醐味として、ある一瞬を
切り取るという要素があるので、そういう観点で写真を
撮ったり選んだりするのが面白いと思う。

これはギター独自のチョーキング(ベンド)という
奏法を行っている瞬間を捉えたもの。
記事冒頭の写真もチョーキングだが別のシーンだ。
チョーキングの瞬間を狙って撮るには音楽を聴きながら
が良い、この瞬間独特の音になっているから、それを
聴いて即シャッターを切るという反射神経が必要だ(笑)
ただ、こういう奏法もプレーヤーの音楽的なこだわり
によって変わってくる。
今回、killerさんの音楽を聴いていると一部の曲の
ソロ・アドリブパートでいわゆる「教会旋法」
(スケールの一種、たとえば通常のドレミファソラシド
を、レからスタートすると、ドリアンという教会音階になる)
のような、特殊なスケールを演奏技法として使っていた。
後で本人に確認すると
「ちょっと個性的にやってみたかったので。。」
という控えめな返事であったが(笑)、まあ、そういう
こだわりの人であれば、チョーキングの瞬間よりも
特殊スケールの演奏をしている時の写真の方が
喜ばれるのかもしれない。 ただ、写真には音は
入らないから、特殊なスケールかどうかは指の形を
見ただけでは判別は無理であろう(非常にややこしい
指使いをしているのなら話は別だけど・・)
<プレイヤー別撮影>「ドラマー編」

最も困難な撮影がドラマー(ドラムス)を撮る場合。
困難な理由はいくつもあり、まずステージ奥まった
場所で演奏しているから、狙いようが無い。ステージ
の高さが観客席よりも高いと、なおさら狙いにくい。
プレーヤーの周りにある沢山のドラム(ス)に邪魔を
されて、プレーヤーの顔なんてちょっとしか見えない。
おまけに、ひっきりなしに体全体が動いている。
スポットライトが当たる機会もステージ中では殆ど
無く、かなり暗い。
さらには、ステージ効果でスモークなど炊かれて
しまったら、もうぼやけてしまってプレーヤーの
姿を映すことすら難しい・・
まずは今回はステージの袖(ソデ)に侵入し、
横から撮ることにした。 照明はほとんど当たらず
暗く、ISOをあげてもシャッター速度は数十分の1秒
程度にしかならない。 この状態でそのまま撮ると
普通は体全体がブレブレになる、そこでかろうじて
顔が動いていない瞬間をタイミングを計って捉える、
タイミングはドラマーの動きは8割程度は音楽に
沿って規則的なので、音楽を聴けばだいたいそれが
わかるだろう、こっち(撮り手)側を向く瞬間と
いうのも、曲に応じて、たとえば8小節、16小節に
1度くらいはあるかもしれない。
が、それでも手の動きはブレる、ただ、手や体の
動きを(超高ISOやデジタル増感で)止めて撮っても
なんだか動感に欠ける写真になるので、面白みが
無くなるかもしれない。
今回はバンドの方には事前に「スモーク炊きますか?」
と聴いてみた、もちろんドラマーが撮りにくいという
理由も伝えてなのだが・・・
当日、「今回はスモークは無しでいきますよ」との
バンドからの返事、そのあたりの舞台効果の有る無し
は、事前の会場側との打ち合わせで決まるようだ、
なので、まあ1つの問題は回避できたのであるが、
ともかくスモークを炊かれてしまうと、ドラマー以外
であってもかなり苦しくなるのは事実。
しかし、それは写真を撮る上の事情であって、ステージ
演出の点からは結局バンドやお客さんの望む方向で
やってもらうしか無いわけなのだが・・・

ドラマーが確実に撮れるのは、メンバー紹介の一瞬、
このときは、スポットライトが当たり、場合により
ドラマーは立ち上がってお客さんに挨拶をする。
今回は、写真を撮っている事がわかってるので
カメラ目線になっているのだが・・(笑)
でもやはり、演奏中の写真を撮るのが良いのであろう、
顔がちゃんと映っていればそれで良いというわけでも
無いし、勿論演奏している姿を撮って欲しいだろうし・・
<プレイヤー別撮影>「バンド全体」
バンド(ユニット)全体の写真は、実のところ
あまり用途が無い、実際に主力になるのはプレーヤー
単独の写真であり、これはバンドのHPやメンバーの
紹介などで多く使われる。
バンドというものは基本的にメンバーは交代する事が
多々あるから、そういう意味でも単独に撮っておいた
方が色々と使いまわしが効くという訳である。

そんな理由からも「みんなで演奏しています」みたいな
写真は最小限にしておき、「ライブ風景」といった
ような撮り方の方が良いであろう。 スタッフとしての
撮影であればステージ周囲にも出入りできるので比較的
自由なアングルから撮れるが、冒頭で述べたように
お客様の観賞を妨げてはいけないので、例えばステージ
に上がりこんで撮るなどは当然避けなければならない。
(一眼+)広角レンズまたはコンパクトカメラを用いて
撮るが、パンフォーカス気味に被写界深度を稼ぐ意味
でも、一眼、コンパクトともISO感度を十分に上げ、
絞りは適宜絞り気味(Pモードしか無いコンパクトでも
自動的に少し絞られる位の感度で)撮る事になる。
カメラ設定上では、広角レンズを使うとステージの
黒い(≒暗い)部分の面積が大きくなり、その分
露出計は「暗い」と勘違いして露出をプラス方向へ
持ち上げようとする(=たとえば顔が白トビする)
これを打ち消すために基本はマイナス1(段,EV)
前後の露出補正をかける。
広角の焦点距離やステージ周辺の黒の面積、
照明の状況、カメラの種類(クセ)等に応じて、
マイナス補正の量は適宜調整すると良い。
ちなみに中望遠~望遠レンズで、画面いっぱい位に
プレーヤーが入っている場合は、光線の状況や
プレーヤーの着ている服の色などに応じ、ゼロないし
プラス1/3段(EV)前後の露出補正を行うと良い。
A(絞り優先)モードではマイナス補正をかけると
シャッター速度が速くなり、プラス補正をかけると
シャッター速度が遅くなる、手ブレ限界に注意する
よりも、被写体ブレが起こりにくい速いシャッター
速度(1/200~1/250秒以上)で撮れるように
機材の設定(ISO、絞り値、露出補正など)行う。
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だいぶ長くなってきたので、以下、後編につづく。